ティエラ

トム・レイ

コスタリカのジャングルで20年も生態調査のちサンタフェに入り複雑系の研究にたずさわる。

このプログラムも非常に単純な原理で書かれた

進化の原動力はタイムシェアリングによる選択と、ある確率でおこる突然変異だけである。

CPU(エネルギー資源)とメモリ(空間資源)をめぐる競争が電脳生物の空間で繰り広げられる。

プログラムを走らせると

最初はただ一種の電脳生物が画面に存在する。

そのうち自己複製プログラムが停止した突然変異体があらわれる。

これが自己複製プログラムが機能している生物にとりついて複製をまた始める。更にこの寄生体に寄生する重寄生体があらわれ、画面がこの重寄生体の単一種で埋め尽くされる。

 

次に登場するのが、社会的生物、つまり集合状態で近くに同種他個体がないと繁殖できない生物だった。

さらに異種間の共生がおこなわれ、お互い繁殖の半分のプログラムしかもたない同士の性別まで出現する。

 

さてこれらはすべてボトムアップ型によるものである。

ボトムアップ型は犠牲もともなうが、全体としての柔軟性は維持できる。

 

ティエラの意味

進化の過程が特定の物質から独立したものであることを証明したのである。

進化は素材が炭素系有機体であっても、コンピューターのメモリー空間であっても同様におこるのである。

つまり生命パターンは物質に依存するものではなく、関係性のパターン、フローが生命なのではないかとういことだ。

脳の認識を人工知能と比較研究している

AIは作るものではなく育てるものとして、とらえなければならない。

いずれにしてもそのような装置ができたとしても我々にはそれを決して理解できない

そしてもしこうした装置ができたとしたらちちまち人権問題に発展するだろう。

さらにもし人工的に生物を作り出せたとしても、我々が同様な発生プロセスであったかは、証明できない。

 

*ひなたぼっこしているテディベアのぬいぐるみとAI搭載のクリーチャーがカチャカチャ動き回るのをみてどちらが生き物に近い感じを受けるだろう?

 

反人工生命

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