1858年 |
テルナテ論文 |
アルフレッド・ウォーレス |
1858年に東インドのモルッカ諸島にいるウォーレスからダーウィンの元に、ライエルに批評してもらえるように依頼する文面とともに一つの論文が送られてきた。「変種が元のタイプから無限に遠ざかる傾向について」とタイトルされた世に言うテルナテ論文だ。
その内容はダーウィンが過去20年の研究成果を同じことが書かれていたのである。
マルサスの人口論では「人口の抑制機能には自然界にもある抑制機能と似た原理が働いているだろう」とされているが、これをヒントに自然淘汰、適者生存を思いついたのだ。
しかしダーウィンは初期論文の発表者を「ダーウィンとウォーレス」と自分の名を先に記述したのだった。
もしこの論文がダーウィンの手元に送られてこなかったら、ウォーレスの進化論として後の世に残っていた可能性が高い。
学会の注目を集めたダーウィンとは反対にウォーレスは常に後人に配されることになったのだ。やがて、ウォーレスが学会から忘れさられ寂しい晩年を迎える。
しかし、晩年ウォーレスは自らの自然淘汰を否定する。
進化には2段階あるとするのである。
第1段階は肉体的進化は自然淘汰であるが、
第2段階の進化は精神が宿ったこととした。道徳的自然選択がおこなわれたとしたのである。
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