カンブリア大爆発 

 

5億7千年前地球の生命の舞台に超巨大事件が起こった。

三〇億年に渡る単細胞生物たちの時代を経て、ようやく多細胞生物が姿を表した直後、爆発的な多様化が起こり、今日生存している生物の基本的な形態のほぼすべてが一挙に出現したのだ。

これが、生命進化のビックバンと称せられる「カンブリア大爆発」である。 この時代の化石の分析がすすむに連れて、驚異的な事実が明らかにされてきた。カンブリア時代の生物達には、分類不能な門が20種類以上も発見されたのだ。 

生物の分類は上位分類より下記のようになっている。    

界、門、網、目、群、科、連(族)、節、系、種 

トキやドードー島など種のレベルでの絶滅ならある程度イメージできるが、門のレベルでの絶滅となると想像を絶する。 

この意味するところは我々の存在の概念を根底から打ち崩すものである。

すなわち、「今日の生命世界は、着実な多様化の過程を経てもたらされたものではなく、単に末端が複雑多種になったに過ぎない」ということになるからだ。 

これにより進化の概念は決定的に履がえされた。

同時にこれは「人間の上位性」という傲慢な考えに鉄槌を下す事実である。

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