1953年

DNA

ワトソン・クリック

その時代の思想を左右するほど成功をおさめた機械的世界観はやはりその時代の生命観に多くの影響を及ぼしていった。

医学の世界では、長い間、病気は「治して」もらうものと考えが支配し、人の体、も、まるで時計の修理のように受け止められていた。

又、生命の起源そのものについては、未知のままだが、生命の根源探しはDNAの発見にそのとどめを指したかに思われた。

DNAの発見は確かにさまざまな効果をもらした。DNAを見ていれば生命が分かると信じられていたのだ。

しかし、どんな科学も硬直化させすぎてはいけない。実際にDNAの中に生命の全ての情報が入っているとい実証はなにもなく、今のところ分子生物学者の形而上学にすぎない

いろいろな学派でその解釈はことなる。

メンデル、分子生物学、ネオダーウィニズム、社会生物学、構造生物学

今では「遺伝子」という言葉は、生物学的意味から飛躍した非常に拡張された概念として使われたりする。

細胞内の二重螺旋を意味するに留まらず、その意味をどんどん拡張している。新たな神聖化が起こらないようにせねばならない。


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