1949年

科学者のエートス

 

「社会理論と社会構造」1949年のなかでマートンは科学者集団の精神的特徴を「四つのエートス」としてまとめあげた。(エートスは「人間、民族、社会集団に持続的に行き渡っている性格、習慣」の意味。)

1)共有制(Communalism)

2)普遍主義(Universalism)

3)利害の超越(Disinterestedness)

4)組織的懐疑主義(Organized Skepticism)

それぞれの頭文字をとってCUDOS型エートス(ギリシャ語のkudos賞賛)

当時の科学の業績を振り返ると、このCUDOS型科学者が多かったのだろう。

 

1994年になってザイマン「縛られたプロメテウス」の中でエートスを全く逆の視点から唱え、「むしろ科学者集団の特徴はPLACE型エートスが相応しい」とした。

1)所有Proprietary

2)局所的Local

3)権威主義的Authoritarian

4)請負的Commissioned

5)専門的な仕事Expert work

この変化は科学者が様々なものに縛られてしまったからである。

その縄は、なんなのだろうか?

科学の実験設備が大規模になり経済的なスポンサーがいないと研究道具すらそろえられなくなったことが最大要因だろう。

故に学閥に屈し、スポンサーなしに生きていけない経済の枠組みに組み込まれたからである。

しかし、縛られなければ、どんなマッドサイエンティストが世界に不安をばらまいたことか・・・。

 

 

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