遺伝子組替食品

 

プラトテレス>大豆を作る農家にとって、雑草対策は重大な問題だ。

それぞれの雑草に応じ何種類もの薬剤を数回に分けて噴霧しなければならず、除草剤のコストと人件費はその経営を左右するほどである。

しかしそんな彼らに夢のような除草剤が発売された。MONSANT社の提供するラウンド・アップという大豆畑用除草剤は非常に強力であらゆる種類の雑草をたった1回の噴霧で、撃退できるのだ。

ソフィー>家の菜園程度の手入れでも大変ですものね。よかったわね。

プラトテレス>ただ一つ問題があるのは、そのあまりに強力さに、大豆そのものも雑草とともに枯らしてしまう点だ。

ソフィー>そうじゃ意味ないじゃない!

プラトテレス>そこがMONSANT社の狙いだ。

ソフィー>…………?

プラトテレス>ラウンド・アップ除草剤でも枯れない大豆を遺伝子組み替えで開発して、それとセットで販売を始めたわけさ!

ソフィー>すごいマーケティング戦略だわ。でも安全性がきっと問題になるわね

プラトテレス>そう、実際に遺伝子組み替え食品を口にしたくないという声はある。でもそれは明らかにばかでたことだ。たとえどんな遺伝子を口から接種しても我々の遺伝子に組み込まれることはない。

ソフィー>毎日鳥を食べたら羽が生えるとかのたぐいと同じわけなの?

プラトテレス>まったくそのとうりだ。これはラマルクだろうがダーウィンだろうが、ドーキンスだろうがグールドだろうが口から接種した遺伝子がその個体の遺伝子に影響を及ぼすなんてばかげた進化論は展開していない。

ソフィー>わかったわ。毎日ビーフを食べても私達は牛にはならないわ。

プラトテレス>そう、危険はもっと別にあるんだ。まず最初が通常の食品としての普通のチェックを単独で受けることだ。もうこれは別種の食品なのだからね。次が生態系への影響だ。その影響をチェックされない内は限定された地域からその種が自然環境に飛びださないようにしなきゃならない。

ソフィー>つまり、遺伝子で騒ぐより、除草剤の才寄生に注意を向けなきゃならないのね。

 

 

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