1931年 |
不完全性定理 |
ゲーテル |
この年はあらゆる数学者の幻想が破られた年だった。そのショックがどれほどだったか想像もできない。どんなに難しい命題も証明もしくは反証できると信じていた心地よい幻想が崩壊してしまったのだ。
算術を公理化しようとすると、それが真実であることが我々には“わかる”にもかかわらず、事実である事を形式的には決して証明できない事があることを証明した。
第1不完全性定理は「いかなる論理体系において、その論理体系によって作られる論理式のなかには、証明する事も反証することもできないものが存在する。」というもの。
第2不完全性定理は「いかなる論理体系でも無矛盾であるとき、その無矛盾性をその体系の公理系だけでは証明できない」というものである。
この定理はコンピューターの分野でも人工知能の実現性と不可分である。
この定理の延長線上に人工知能は作成できないが、「機械にできること」と「人間にしかできないこと」を再考する為の一つの原点ということができる。
ZZ:この不完全性定理がペンローズの
量子脳理論の基礎になる。 HOMEご意見はparadigm@dreamドットコムまで
119「ゲーテル・不完全性定理」 理性の限界の発見 吉永良正 1992 年 講談社|