1950年 |
織り込まれた秩序 |
ボーム |
コペンハーゲン解釈に対するパイロット派解釈として、量子論の予言力はそのままに、量子論の精神分裂的な部分と取り除いた。
アインシュタインが1935年に量子力学に対立するかたちで、もし量子力学の解釈が正しいなら、つぎのモデルが完成するはずだ――と挑戦状をつきつけた。EPR実験である。
この挑戦状にたいする回答は1964年にベルによってもたらされた。
これによってアインシュタインの最後の牙城「隠された変数」と量子力学の確率的予測が数学的に両立しないことがないことが証明されアインシュタインの理論は壊滅した。
この反証は1950年にデヴィット・ボームによって以外に身近なところから発せられた。既存の量子力学の体系をホログラムのアナロジーを使って決定論的に再公式化できることを反証したのだ。
ホログラフィーは立体画像だが、ここで注目してほしいのはそのフィルムの性質である。
このフィルムは半分に切断しても立体像全体を再現できる性質を持っている。若干ぼやけるが、理論的には、10分の1、100分の1、1000分の1に切断しても再現は可能である。まさに「不断の全体性」なのである。
これをボームは次のように定義する。
目に見える部分=「開かれた秩序(エクスプリケート・オーダー)
目に見えない部分=「織り込まれた秩序(インプリケート・オーダー)
この物理学で光の正体にせまると、非常に説明しやすい。
木の板に波状の溝を彫って、その中にベアリングを流したらどうなるだろう?
粒子なのに、波状にふるまう。
量子力学のパラドックスを、まったく簡単に説明できてしまうのだ。
一度は、アインシュタインのラムダ項のように消された理論だが、
暗黒物質、暗黒エネルギーの理論的台頭によってラムダ項が復活したように、ボームの理論も光があたり初めている。
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