1964年ロジャースペリーの仮説にはじまり、後に認められ1981年にノーベル医学生理学賞を受賞。

左脳は言語的、論理的、数学的な精神活動を司り、右脳は非言語的、非数学的、映像的な精神活動を司るとしたもの

ペンフィールド:脳外科の開頭手術時に局所麻酔をすることは容易で、その時に脳のいろいろな部分を刺激して患者から直接聞き出すことができる。この実験の結果、脳のある部分を刺激すると忘れていた記憶が蘇ったり、することが分かった。これにより、臨死体験時に全生涯が走馬灯のように駆け巡る現象の説明可能となった。又、側頭葉の一部を刺激すると「幽体離脱」が体験される。これまで宗教やオカルトの分野とされていた現象も科学の基盤にのったのである。

脳内物質エンドルフィンといのがある。精神高揚時に脳内で分泌され快楽として認識される。こうした神経伝達物質はほかにも数十種類確認されており、脳内の化学物質によって気分などがコントロールされているという研究。究極的には、脳内の化学を理解すれば、精神分析など必要なくなる。

下等な脳は、外部からの情報は刺激に対して反応という形でしか指令をだせない「運動野」「感覚野」が大部分を占めている。

しかし人間の脳は「連合野」という部分が大部分を占めている。

この分野の研究が近年集中的に研究されているが、そこから引き出されたいくつかの成果のうち、特筆すべきは、感覚野に入った情報を連合野が構築しなおし内部の心的世界を構築しているとするもの。

脳の各部分にどのような機能があるのかの研究。特定部分に特定回路とプログラムがあるというもの。

アウトラインはこのようなもので、脳を分断し分析しているが、唯物的脳としては進行してなく、脳には外部の世界をシミュレートした内的世界があるといったある種二元論的はパラダイムに傾いている。

脳の各部分を研究しても、意識や心を司る部分はなく、その断片すら見当たらない。

全体として機能した時、つまり大きなシステムとなった時全く別の機能が現れ、意識や心が発現してくるのである。この結論は複雑系の研究と同帰結である。

これをカール・プリブラムが大脳生理学の立場から理論つけしたのが、「脳のホログラフィ理論」である。

彼の師のラシェリーは脳の記憶の所在を突き止めようとラットの脳の部分的切除実験を繰り返した。1940年代と通じ実験した結果、かなりの部分を切除しても、記憶は失われていないというデーターを蓄積することができた。これから導きだれた結論は記憶は何らかの形で、脳全体に分布するとしたものである。

この基礎の元に10年に渡る1000匹の猿の脳の解剖と神経刺激による研究と、1960年半ばに発明されたホログラム映像のアナロジーにヒントを得て、完成したのが「脳のホログラフィ理論」である。記憶はホログラムのようにフィルムは粉々に割ってしまっても全体像を再現できるという、どこにでもあって、どこにもない方法で記録されるとした。

こうしたプリブラムは心を刺激、反応モデルから解放したパラダイムを開いた。

このアカデミックな学問を曲解し、「宇宙のホログラフィで我々の脳はその一部である。したがってチャネリングやシンクロニシティ、テレパシーも立証された」とする妄想屋の雑音の聞こえてくるが、相手にすることはあるまい。

我々が脳を所有しているのではなく、脳が我々を所有しているのである。

知覚フィルター

我々は見たままに世界を認識していない。脳のフィルターにより都合のいいように校正されたものを見ている。

実験の一つとして古くからしられている実験として、シャドウ実験といい、白と赤の色のプロジェクターの前に物を置くと緑色に見えるというもの。

右が赤、左が緑のフィルターをつけたメガネを書けると最小はそれぞれの右目から見えるものは赤、左目からみたものは緑に見えるが、3ヶ月ほどかけると通常の透明メガネとして脳に認識される。

この感覚に順応したあとメガネをはずすとしばらくは左目には緑、右目には赤のフィルターをかけたように見える。

2つの実験かた脳は目から入った光の波長をそのまま見ているのではなく、一度変換をおこない、なにか別の伝達に引き渡している。

そのメカニズムは過去にみた世界の記憶から世界が再構成されたのものとしている。

認識という現象は人間が中心にあるわけではなく、世界が中心にあるわけではない。

人間と世界の交接(カップリング)によってその中間で起こっている。

意味の起源について考えるときもやはりカップリングによって説明される。

例えばある物質を一回打つと色が温度が上昇し、もう一回打つ元の温度に戻るとする。

これを何回が繰り返すと、打つ回数が偶数階の時に、温度が上昇するという自然の法則ができあがるが、この法則は物質が意図したものではなく、観測の歴史から意味付けがされたものである。

さてこうしたことを考えると、意味とは事物などの参照先のないもので、又我々自身の中にあるものでもない、我々と事物の間にプロセスとして宙づりになっているといえる。

我々は参照先もなく支えもない世界にあり、意味も無根拠であることを再認識しなければならない。内世界であれ外世界であれ、何らの支えを見つけたいという欲求そのものを乗り越えなければならない。

こうした参照や意味などの基準点を放棄したときに始めて真の創造性が発揮される。

(実際には若干の発見と過去の意味との新しい組み合わせ程度のものが多い)

参照性への執着を捨てるのは容易ではない。これを科学的プロセスで能動的にあるがままの正気となれる方法の開発が望まれている。

今の人工知能にできない創造性の問題はこのように考える時、能動的に再現することは非常に難しいといえる。

 

脳が私達の脳で理解できるほど単純なものだったら、そんな単純な脳ではなにも考えられないだろう。

これは不完全性定理に通じるね                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

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