共生

 

 相互利益の為に共に生きることを相利共生と言う。進化上の劇的な飛躍を生む方法のひとつである。

 地衣類とよばれる共生生物がいる。藻類と菌類が単独では生きていけないような最悪の環境条件におかれた時、合体し一つの共生体となったものだ。よく極寒の山頂の岩などにまるで時間のシミのように張り付いている。地衣類は、摂氏マイナス一八三度の液体酸素に入れられても、六年間真空状態におかれても生き延びる。単独の生命は到底不可能なことをやってのける力がそこにはある。

ここでもう一つ面白い発見を教えよう。1966年テネシー大学ジオン博士の発見だ。

博士がアメーバーの生態を追っていたときに、毒性の強いバクテリアが侵入して、実験の為に集めたアメーバーが壊滅的状態になった。

しかし、その中で、確かにバクテリアに侵されているのに、生き続けている奇妙なアメーバーを発見した。

よく観察するとそのアメーバーの中でバクテリアも生きていたのだ。ここにアメーバーとバクテリアの共生が起こったまではすぐに想像が着くだろう。

問題は共生開始5年後に中のアメーバーからバクテリアを分離させた時だ。

アメーバーもバクテリアも単独では生きられず。すぐに死滅してしまったのである。

私達の社会でも同じようなものではないだろうか?国家や地域、家族、男と女、どれもたった一人ではあり得ない。それも自然の波をうまく乗り越えるための共生システムなのだろう。

 

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