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=情報教育論(‘02)=(TV)

−教育工学のアプローチ−

〔主任講師: 菅井 勝雄(大阪大学大学院教授)〕

〔主任講師: 赤堀 侃司(東京工業大学大学院教授)〕

〔主任講師: 野嶋 栄一郎(早稲田大学教授)〕

全体のねらい

近年、情報化社会の進展によって、学校教育から高等教育に至るまで、情報教育は必

須のものとなり、「情報教育論」の

構築が要請されるようになってきた。そこで、本科目では情報通信技術の進歩、社会

の情報化、学校教育の情報化などと、

人間の学習や発達、また必要な能力の育成との相互関連を考えながら、情報教育論を

論述する。なお、副題に示すように、

教育工学のアプローチによる。

回 テーマ 内 容

執筆担当

講師名

(所属・職名)

放送担当

講師名

(所属・職名)

1 情報教育論の概説

初回なので、情報教育論の概説を試みる。近年、情報教育

論が、教育学の一分野としてなぜ登場することになったのか、

またその目的とするものは何か、さらに、学としての特徴は

何かなどを論じながら、今回の講義の全体像を概説する。

菅井 勝雄

(大阪大学大

学院教授)

菅井 勝雄

(大阪大学大

学院教授)

2 メディアと学習〜

情報教育の準備期

情報教育が始まる前のメディアと人間の学習や発達との関

係を含ませ、特に理論的な観点から取り扱う。それは主とし

て、教育工学におけるコンピュータ利用の教授・学習システ

ムの変遷などを論じる中で示される。それはまた、教授環境

から学習環境の重視への方向でもある。

同 上 同 上

3 情報と学習〜情報

教育のスタート

情報教育が我が国で始められてからの人間の学習や発達と

の関係を、特に理論的な視点から取り扱う。ここではまた、

1980 年代の分散型情報化から、1990 年代のネットワーク型情

報化への進展とも関連し、情報教育の在り方の変質とその発

展が論じられる。

同 上 同 上

4 学習環境のデザイン

メディア利用の学習環境の構成と広がりに関して、その実

際を3例あげて論ずる。最初に、小学校における算数理解シ

ステム、続いて、コンピュータ支援協調学習システム、最後

にテレビ放送とインターネット融合システムをとりあげる。

同 上 同 上

5 情報とリテラシー

社会生活を送る上で必須の能力がリテラシーであるが、情

報社会では情報の読み書きに相当する情報リテラシーが注目

されるようになった。また、メディアリテラシーを含め、広

く情報技術を活用する能力が求められてきた。その考え方に

ついて述べる。

赤堀 侃司

(東京工業大

学大学院教

授)

赤堀 侃司

(東京工業大

学大学院教

授)

6 情報教育のカリキ

ュラム

我が国では高等学校に普通教科「情報」と専門教科「情報」

が新設されて、その教科が実施されようとしている。その教

科のねらいについて概説する。特に普通教科「情報」につい

ては概念が広い。その背景となっている考え方と特徴につい

て述べる。

同 上 同 上

7 小・中学校における

情報教育の実際

教科の中で教科目標を達成する教育方法としての情報手段

の活用と、情報技術を活用する情報教育が実際の小・中学校

で展開されている。この実践を紹介すると同時に、情報手段

の活用と情報教育について、その特徴といくつかの課題につ

いて述べる。

同 上 同 上

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回 テーマ 内 容

執筆担当

講師名

(所属・職名)

放送担当

講師名

(所属・職名)

8 教育の情報化の進展

我が国では教育の情報化推進のために、100 校プロジェクト

やEスクウェアプロジェクト、こねっと・プランなど実践的

な取り組みがなされてきた。また、教員研修、情報処理技術

者派遣、ボランティア活動支援などの取り組みについて、そ

の盛夏と課題について述べる。

赤堀 侃司 赤堀 侃司

9 ネットワーク利用

による遠隔教育

該当年齢人口に占める大学在籍率が50%を超えるユニバー

サルアクセス型の時代を迎え、オンキャンパス型の大学にオ

フキャンパス型の大学の機能を併せ持つ必要性が生じてき

た。早大、スタンフォード大の事例を中心に、遠隔教育の具

体例と将来展望を試みる。

野嶋 栄一郎

(早稲田大学

教授)

野嶋 栄一郎

(早稲田大学

教授)

10

デジタルネットワ

ークを利用したテ

スト

ニュージャージー州プリンストンにあるETSを訪問する

かたちで、コンピュータベースドテスティングの基礎理論、

テスト項目の収集と分析、管理、コンピュータ環境について

詳しく解説し、さらに将来的な可能性について言及する。主

幹研究員村木英治氏に解説依頼する。

野嶋 栄一郎

村木 英治

(ETS主幹

研究員)

野嶋 栄一郎

村木 英治

(ETS主幹

研究員)

11 大学における教育

方法の改善

ディジタル化された教育環境、教育方法の紹介に焦点化す

る。(1)ディジタルコンテンツの例として早稲田大学演劇

博物館の事例、(2)バーチャルリアリティによる教育事例、

(3)電子教科書による授業事例を柱に、それらと大学教育

の改善を関連づける。

野嶋 栄一郎 野嶋 栄一郎

12 情報技術の進展

通信ネットワークの広帯域化や携帯端末の普及など、情報

技術の進展について展望する。さらにEUの国際マルチメデ

ィア教科書プロジェクトや台湾情報通信科学館などを事例

に、新技術の教育利用や技術リテラシーの育成について考察

する。

前迫 孝憲

(大阪大学教

授)

前迫 孝憲

(大阪大学教

授)

下條 真司

( 大阪大学サ

イバーメディ

アセンター教

授)

13 地域の情報化

タイやメキシコ、世界銀行などの遠隔教育プロジェクトや、

中国教育テレビに連動した衛星インターネット、「松原式」

ネットワークなどを事例に、地域教育ネットワークについて

考察する。さらに、米国スーパーネットなどを事例に、規制

緩和と教育の役割について検討する。

前迫 孝憲

前迫 孝憲

吉田 雅巳

( メディア教

育開発センタ

ー助教授)

14 情報化の光と影

情報化の進展は、産業の生産性を高め、我々の生活に便利

さや楽しさをもたらす一方で、人間が元来持っていたさまざ

まな能力を失わせ、非倫理的な行為や犯罪を誘発するとされ

る。こうした情報化の光と影について研究や実践の実際を紹

介する。

坂元 章

( お茶の水女

子大学助教

授)

坂元 章

( お茶の水女

子大学助教

授)

15 情報教育の課題

最終回なので、これまで講義してきたことを踏まえ、情報

教育の課題をめぐって、3人の主任講師を中心として、座談

会形式でいくつかの項目について討議する。情報技術、情報

デバイド、教員養成、研究方法論などをとりあげる。

菅井 勝雄

赤堀 侃司

野嶋栄一郎

菅井 勝雄

赤堀 侃司

野嶋栄一郎