HOME 2003/11/15 1654314.doc 科目名= =(R)・(TV1/2 = アメリカの歴史(‘04)=( TV 〔主任講師: 油井大三郎(東京大学大学院教授) 〕 全体のねらい 植民地時代から現在までの南北アメリカの歴史をほぼ時代順に概観し、ヨーロッパやアジアの歴史とは異なる、植民・移 民起源の多人種・多民族社会の独自性に注目する。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
1 南北アメリカ史へ の誘い: 南北アメリカは西欧の植民によって開発された多人種・ 多民族社会という特徴を共有しながら、その後の発展の 道はかなり異なってきた。その原因を探りながら、日本に とって南北アメリカの歴史を学ぶ意義を考えてみたい。 油井大三郎 (東京大学大 学院教授) 油井大三郎 (東京大学大 学院教授)
2 植民地時代の中南 米地域: 17世紀までの中南米の歴史を扱う。高文明を築いたア ステカ人やインカ人はスペインに征服され、広大なスペ イン領植民地が成立する。他方、ブラジルとカリブ地域 にはやや遅れて、黒人奴隷労働力を用いる砂糖植民地が 建設される。 高橋均 (東京大学大 学院教授) 高橋均 (東京大学大 学院教授)
3 植民地時代の北ア メリカ: 17世紀以降、北米大陸にもヨーロッパからの植民者が 次々と渡ってくるようになった。先住インディアンとそ れらの植民者、さらにアフリカから奴隷として連れてこ られたアフリカ人の三者が出会いと衝突を繰り返しなが ら、植民地社会を築いていく、その具体的な姿を追って みよう。 遠藤泰生 (東京大学大 学院教授) 遠藤泰生 (東京大学大 学院教授)
4 アメリカ合衆国の 独立から大陸国家 の成熟まで: 英国から独立したアメリカ合衆国は、ヨーロッパからの 新たな移民を迎えつつ、領土を西方に拡大し、広大な大 陸国家へと成長していく。ただし、建国以来の懸案であ った奴隷制の解消のためには南北戦争を戦わねばならな かった。 同上同上
5 中南米諸国の独立: スペイン領植民地とブラジルは19世紀初頭に独立をと げ、政情不安と経済不振に苦しみながらも国家形成を進 め、世紀転換期には一次産品や鉱産物などの輸出経済の 繁栄に支えられて相対的安定期を迎える。 高橋均高橋均
6 もうひとつの北米 国家ーカナダの歴 史的展開ー: カナダはアメリカ合衆国の背後に隠れ、日本ではあまり 理解されていないもうひとつの北米国家である。この講 義では、カナダの歴史を理解する基本的なポイントを紹 介し、ついでアメリカ合衆国やイギリスとの関連で歴史 的な枠組みが形成されるユニークなプロセスをまとめて みたい。 加藤普章 (大東文化大 学教授) 加藤普章 (大東文化大 学教授)
7 アメリカ「帝国」へ の道: 19世紀末のアメリカ合衆国は、西部開拓を終え、都市 化と飛躍的な工業発展の時代に突入した。新たな市場確 保のために、海外へと目を向ける合衆国は米西戦争を戦 い、「帝国」として立ち現れることになる。その過程を、 国内の論争などを踏まえながら振り返ってみたい。 西崎文子 (成蹊大学教 授) 西崎文子 (成蹊大学教 授) 2003/11/15 1654314.doc 科目名= =(R)・(TV2/2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
8 革新主義と第一次 世界大戦: 20世紀初頭のアメリカ合衆国は、二つの大問題に直面 することになった。産業革命に伴うさまざまな社会・経 済的矛盾の増大と、ヨーロッパでの大戦の勃発とである。 世界大国となったアメリカがいかにこれらの問題に取り 組んだかを検討していきたい。 西崎文子西崎文子
9 消費文化と多様性 の萌芽ー1920 年代の合衆国ー: アメリカ合衆国の1920 年代は、新しい中流層の台頭、 不景気、禁酒法などを背景に、「変化」を求める力と「安 定」を求める力が拮抗する時代である。そのエネルギー を感じながら、人々の生きざまに注目し、社会の明暗を 明らかにしていこう。 樋口映美 (専修大学教 授) 樋口映美 (専修大学教 授)
10 恐慌下のアメリカ 民主主義: 1930 年代のアメリカ合衆国は、1929 年の株式暴落後の大恐 慌期にあり、ローズヴェルト大統領によるニューディール政 策で知られるが、この講義では1930 年代に高揚した労働運動 や、1920 年代から1930 年代に発展した映画など大衆文化につ いても考えてみよう。 同上同上
11 第二次世界大戦と 米ソ対立: 第二次世界大戦を通じてアメリカ合衆国は飛躍的な経済 発展を遂げ、世界大の貿易自由化を主導する国家に変化 していった。しかし、戦後には米ソ対立が激化した結 果、合衆国はアジアなどの局地紛争に巻き込まれてゆく。 この過程を概観してみたい。 油井大三郎油井大三郎
12 「豊かな社会」化と 人種平等社会の模 索: 1950 年代から60 年代のアメリカ合衆国ではオートメ ーションの進行などによってホワイト・カラー層が増 大し、「豊かな社会」が訪れたが、同時にアフリカ系 を中心とした公民権運動によって人種平等社会の模索 が始まった。この過程を概観する。 同上同上
13 キューバ革命と中 南米諸国の変容: 20世紀の中南米諸国は民族主義の高揚期を迎え、国 家主導の工業化をめざす。しかし、この政策はやがて 行き詰まり、中南米諸国はキューバ革命の指し示す社 会主義への道か、軍部の長期独裁かの岐路に立たされ る。 高橋均高橋均
14 近代国家としての カナダ: 20 世紀のカナダはイギリスの影響から離れ、自立し た近代国家の道を歩みはじめた。他方では、隣国のア メリカ合衆国との関係の深まりも見られた。こうした 中でケベック問題や多文化主義、憲法改正など多くの 課題も出現してきた。このような実験の意義に注目す る。 加藤普章加藤普章
15 21世紀の南北ア メリカの展望: 冷戦終結後の世界ではアメリカ合衆国への一極集中傾 向が目立つとともに、北米自由貿易協定を中南米にも 拡大する地域主義の傾向も強まっている。果たして 2 1 世紀の南北アメリカはどうなってゆくのであろう か。その趨勢を検討する。 油井大三郎油井大三郎