HOME 2004/11/08 1890719.doc 科目名= =(R)・(TV1/2 = 物性物理学入門(‘04)=( TV 〔主任講師: 藤原毅夫(東京大学大学院教授)〕 全体のねらい 多様な物質のミクロな構造やマクロな諸性質を物理学の立場から理解し、物理的な物の見方を身に付けるとともにそれら を支配する物理法則を理解する。現代の日常生活のすみずみにまでいき渡っている物性物理学の、技術としての一端も理解 されるように努める。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
1 物性物理とは: 物性物理学は力学、電磁気学とは違い開いた体系である。 このような側面を説明し、さらに物性物理学が自然科学の最 先端および最先端技術をリードしている様子を概観する。 藤原毅夫 (東京大学大 学院教授) 藤原毅夫 (東京大学大 学院教授)
2 物質の構造・結合: 固体のミクロな構造が原子の周期的な配列であることを知 り、原子配列と固体結合のメカニズムとの関係を理解する。 さらに結晶構造を記述するいくつかの概念を説明する。同上同上
3 物質の構造とX 線・粒子線構造学: 物質の構造やその乱れを観察する手段であるX線・粒子線 構造学について述べる。物質の構造の乱れの概念を把握し実 際に観察する。同上同上
4 固体の弾塑性: 物質の力学的性質について学ぶ。弾性、塑性、破断という 過程を理解し、フックの法則を考える。固体の変形、歪み、 応力の概念を理解し、結晶の対称性と歪みテンソルの関係を 学ぶ。 同上同上
5 固体の動力学と格 子振動: 物質の動力学的性質を原子論的立場から理解する。特に原 子間相互作用を調和振動として取り扱い、音波の伝搬につい て理解し、また熱膨張と原子間相互作用の非調和性との関連、 格子比熱とフォノンについても学ぶ。 同上同上
6 結晶中の電子の振 る舞い1.量子力学: 固体中の電子性質を理解するための準備として、量子力学 の復習を行う。シュレディンガー方程式、球対称ポテンシャ ルの場合の解(s,p,d,f,...)、スピン、電子とフェルミ統計、交 換相互作用、パウリの原理、電子相関など。 同上同上
7 結晶中の電子の振 る舞い2.:電子の エネルギーバンド: 固体中の電子の性質を周期ポテンシャルとの関連で理解す る。ブリルアンゾーンと結合・反結合軌道について知り、電 子のエネルギーバンドの概念を理解する。バンドギャップに ついて学び、金属と絶縁体の区別を明確にする。 同上同上 2004/11/08 1890719.doc 科目名= =(R)・(TV2/2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
8 固体の光学的性質: 光物性の基本について学ぶ。物質の色(金属、絶縁体、宝 石の色)がどのように現れるかの問題意識を実際の物質に即 して理解し、ローレンツモデル、ドルーデモデルおよびエキ シトンについて学ぶ。 藤原毅夫 (東京大学大 学院教授) 藤原毅夫 (東京大学大 学院教授)
9 金属と電子輸送: 金属の物性について電子論の立場から学ぶ。特に弾塑性と 金属結合、バンド構造、フェルミ面の概念を理解する。フェ ルミ、ディラック分布から電子比熱を理解する。さらにドル ーデモデル、電気伝導、熱伝導、金属の帯磁率にも触れる。 同上同上
10 半導体: 半導体の物性について電子論の立場から学ぶ。特に構造と 共有結合、バンド構造、電子とホール(キャリア)および真 性半導体と不純物半導体、キャリアドーピングの概念を理解 する。半導体伝導、簡単なp-n 接合、トランジスタについても 述べる。 同上同上
11 磁性: 物質の磁気的性質についてミクロな立場から学ぶ。反磁性 と常磁性の区別、スピン、スピン間相互作用を電子的な立場 から説明する。協力現象(強磁性、反強磁性)の概念と磁化、 磁化率について学ぶ。 同上同上
12 相転移: 強磁性を例に相転移の現象論を学ぶ。物質の相、自由エネ ルギー、平均場近似の取り扱い、1 次転移と2 次転移、オーダ ーパラメター、ランダウの相転移理論について述べる。同上同上
13 超伝導: 超伝導とは何か、現象の理解とその熱力学を説明し電子間 相互作用とフェルミ面の不安定性について学ぶ。電子波動関 数の位相の重要性とジョセフソン効果についても触れる。同上同上
14 ソフトマターの構 造: 新しい材料として注目されているソフトマターについて、 構造の階層性、高次構造、共重合とマクロ相分離、体積排除 効果を学び、その多様性を理解する。同上同上
15 ソフトマターの物 性: ソフトマターの物性の基礎である分子鎖の形態、ゴム弾性、 ゲルを学び、粘弾性(レオロジー)などの物性を概観する。 同上同上