HOME 2004/11/08 1665316.doc 科目名物質の科学・有機構造解析(03) 1/2 =物質の科学・有機構造解析(‘03)=(TV ・/FONT>有機化合物の構造とその解析法・/P> 〔主任講師: 岩村秀(放送大学教授)〕 〔主任講師: 山口健太郎(徳島文理大学教授)〕 全体のねらい 有機化合物は,生体を構成し生物が作る重要な物質であるばかりでなく,21 世紀の材料科学でも重要な位置を占めて いる.この講義では,そのような有機化合物を構成する分子構造の特徴を理解し,その構造を原子・分子レベルで解明する ための大型分析機器を使った解析法について,質量分析,NMR(核磁気共鳴),X線解析を中心に体系的に学ぶ. 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
1 化学と物質の構造: 分子の形を探る化学の発展と,有機化合物の代表的な構造に ついて述べる.有機構造解析法における分析化学や分子構造解 析の役割と歴史を概観し,古典的分析手法から先端エレクトロ ニクスに支えられる物理機器分析へと発展する道筋をたどる. 岩村秀 (放送大学教 授) 山口健太郎 (徳島文理大 学教授) 岩村秀 (放送大学教 授) 山口健太郎 (徳島文理大 学教授)
2 さまざまな構造解 析の手法: 機器分析手法を分類し,対象や目的別に整理して構造解析の 概要を把握する.本講義で詳細に解説する三つの主要物理分析 手法以外の大型分析機器について触れ,さらに分子立体構造解 析を目的とした計算化学的手法との連携による構造解明につい て概説する. 同上同上
3 天然物中の有効成 分: 代表的な天然有機化合物の抽出,単離,精製の一連の操作に ついて解説し,有用な生物活性物質の獲得について理解を深め る.有機分子の基本的性質を理解し,これに基づいて分離・精 製を重ねる過程を通し,精密分子構造決定に供する試料の調製 法について学ぶ. 石川勉 (千葉大学教 授) 石川勉 (千葉大学教 授)
4 元素分析と質量分 析: 燃焼法による元素分析では, 燃焼により生成した二酸化炭素, 水などを定量することにより,成分元素とその量を決める.真 空の装置の中で原子・分子のイオンを作り,質量の差を利用し て分離し,それぞれの量を決める質量分析法の誕生と原理につ いて解説する。 岩村秀 岩村秀
5 質量分析(1) イオン化と質量分 析: 有機質量分析に於いて重要なイオン生成についての理解を深 める.種々のイオン化手法を紹介し,現在までに解明されてい るこれらのイオン化機構について考察することにより物質(有 機化合物)の性質の理解に質量分析がどのように関わってきた かを解説する. 山口健太郎山口健太郎
6 質量分析(2) 質量分析の実際: 実際の質量分析装置を見ながら具体的操作法の概要を学ぶ. 装置の調整や試料の導入法,さらに測定条件の設定や調整,及 び測定データの出力法を中心に分析手順を理解する.同時に装 置の原理,動作や問題点について実際の装置を見ながら解説す る. 同上同上
7 質量分析(3) 質量分析の応用: 精密質量測定による組成決定や微量定量法,さらに生体分子 を含む難揮発性高分子の分析等の応用について述べる.また金 属錯体など比較的不安定な試料のマイルドなイオン化法のいく つかを紹介する.特に溶液試料に用いられるスプレーの応用に ついて詳述する. 同上同上
8 NMR(1) NMRとは何か: NMR 分光法について概説し,原理および特性を理解すること により有機化合物の構造解析への適用につて考察する.装置開 発の経緯をはじめ,有機化合物の構造に関してどのような情報 が得られるかを中心に,基礎的な事項を解説する. 同上同上 2004/11/08 1665316.doc 科目名物質の科学・有機構造解析(03) 2/2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
9 NMR(2) NMR装置: パルスFT-NMR 分光法について概説し,原理および特性を理 解することにより有機化合物の構造解析への適用につて考察す る.特にパルスやFID(自由減衰振動),そしてフーリエ変換 などの関係について説明する.さらに実際のFT-NMR 装置を用 いた測定を見ることにより理解を深める. 山口健太郎山口健太郎
10 NMRの応用: 多次元NMR をはじめとするパルスFT-NMR の応用について 解説する.パルス系列やこれによる新しい測定法について学ぶ. 物性の評価からイメージング技術を基にした医療分野への応用 などNMR の幅広い適用性について論ずる. 同上同上
11 X線解析(1) X 線解析入門: 粉末X線回折や蛍光X線分析そして単結晶X線解析法を概観 する.レントゲンによるX線の発見からラウエ像の撮影,さら にブラッグ則の導入を通してX線解析が発展してきた歴史的背 景につにて解説し,化学構造と結晶構造のX線による解析の本 質を学ぶ. 同上同上
12 X線解析(2) 回折と結晶化学: X線の発生法や装置,そしてX線の性質から始まりブラッグ 則を中心とする回折理論および測定法について解説し,さらに 結晶化学に関する一般事項に触れる.特にX線解析にとって重 要な結晶の対称性や対称操作,そしてこれらに基づく分類法に 関し言及する. 同上同上
13 X線解析(3) 結晶解析の実際: 実際のX線回折装置を見ながら構造解析の流れを理解する. 単結晶の選び方やマウント,センタリングから測定パラメータ の設定に続き回折測定を観察し,さらにデータ処理および解析 手順を学ぶ.実際の低分子有機結晶を例に解析過程を理解する. 同上同上
14 X線解析(4) 解析結果の応用: X線解析による結晶構造および分子構造の解析結果の整理や これらの評価について解説する.X線解析の特性を生かした解 析事例を紹介し,さらにNMR や質量分析等,他の手法との連携 による有機構造解析の重要性を理解することにより,機器分析 の融合に基づく多角的な構造解析法の概念を学ぶ. 同上同上
15 構造解析の最先端 と未来: ポストゲノム科学,ナノテクノロジーなど最先端の領域では, 質量分析,NMR,X線解析及び関連機器分析を駆使して研究が進 められている.これら先端構造解析研究を紹介し,さらに大型 物理分析装置の開発の現状や将来への展望について述べる. 岩村秀 山口健太郎 岩村秀 山口健太郎