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=発達障害児の心と行動(‘02)=(TV)
〔主任講師: 太田昌孝(東京学芸大学教授)〕
全体のねらい
発達障害は人生の早い時期に社会的諸関係のなかで現れ、その原因は脳機能障害にあり、知的障害、言語と学習障害、自
閉症、多動症候群等がある。本講座では発達障害を持つ子どもの心と行動を理解するために、発達的観点と学際的観点を基
本に置き、心理・生理・病理を解説し、教育的支援の実践的基礎となることをねらった。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1 発達障害とはなにか
発達障害は人生の早い時期に社会的諸関係のなかで現れ、
その原因は脳機能障害にある。知的障害、言語と学習障害は
認知機能に、自閉症、多動症候群は行動に基づいて診断され
る。発達障害の概念、診断、支援についての概論を述べる。
太田昌孝
(東京学芸大
学教授)
太田昌孝
(東京学芸大
学教授)
2 アセスメント1
心と行動の理解
発達障害児の心と行動は、子ども側の要因と環境的要因の
相互作用として現れる。子どもの認知発達段階と固有の不均
衡さ、それに相応する情緒などの把握の仕方、さらに働きか
けとの関連で如何に心と行動を客観的に理解するかについて
述べる。
永井洋子
(静岡県立大
学教授)
永井洋子
(静岡県立大
学教授)
3
アセスメント2
心理機能と発達ア
セスメント
発達アセスメントをおこなう上で,心理機能の測定は不可
欠である。知能、言語などの心理機能について、代表的な測
定方法について論じる。小池敏英
(東京学芸大
学教授)
小池敏英
(東京学芸大
学教授)
4 アセスメント3
脳の機能と生理
脳機能は、入力系、情報処理系、出力系に区分される。人
の脳機能を無侵襲で評価可能な方法が、近年、種々開発され
てきた。脳波、MRI などの人の脳機能計測について触れ、発達
障害に関する所見との関連で論ずる。同上同上
5 学習理論と発達支援
学習理論は、教育的働きかけの組み立てを考える上で、そ
の枠組みを与えてくれる。学習理論は、行動主義的立場と認
知論的立場に大きく分かれるが、障害の程度や内容を考慮し
た働きかけを行うためには、各理論の主張を理解することが
求められる。
同上同上
6 発達障害の早期発
見と対応
出生時のマススクリーニングは、精神遅滞の予防に貢献し
ている。発達障害については本態的な医学的治療が可能でな
いことが多いが、早期発見と早期からの適切な親に対するガ
イダンスと子ども自身に対する発達援助の意義は大きい。太田昌孝太田昌孝
7 行動障害の理解と
支援
自閉症、多動症候群などは、とりわけ多くの行動障害を持
ちやすく、その対処に苦慮することが多い。子どもの認知や
情緒の特徴を捉えた上で、人間的な成長を促す中での基本的
な対処の考え方、さらに個々の行動障害への直接的な対処法
などについて述べる。
永井洋子永井洋子
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回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
8
知的障害(精神遅
滞)児の理解と支援
その1
知的障害(精神遅滞)の定義,診断と分類,原因と病理につ
いて説明する。
太田昌孝太田昌孝
9
知的障害( 精神遅
滞)の理解と支援
その2
知的障害(精神遅滞)の心理(認知・言語など)と行動に
ついて説明する.取り上げる領域は,発達特性,言語,認知,
運動,社会性などである。奥住秀之
(東京学芸大
学助教授)
奥住秀之
(東京学芸大
学助教授)
10 重症心身障害児の
理解と支援
重症心身障害児は、重度運動障害とともに重度知的障害を
伴う。指導に際しては、視覚機能と聴覚機能の他覚的評価が
大切である。また、働きかけに対する期待反応を理解し、さ
らに期待反応を促進する働きかけの中で、コミュニケーショ
ン活動を形成することが重要な課題となる。
小池敏英小池敏英
11 自閉症の理解と支援
自閉症は、対人関係の障害、相互的意思伝達の障害、興味
や活動範囲の狭さと常同性の3つで診断される。その背後に
ある特有な認知の歪みと発達段階の観点から、自閉症の状態
像と療育目標や課題、留意点など、理解と対応の仕方につい
て述べる。
永井洋子永井洋子
12
注意欠陥/多動性障
害(ADHD)の理解と
支援
ADHD とは不注意と多動と衝動性の3組の行動症状からな
る症候群である。ADHD
の特徴、検査と評価について述べ、
それにもとづいた働きかけを学際的な観点も含めて述べる。
太田昌孝太田昌孝
13 学習障害の理解と
支援
学習障害児は、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論
するなどの特徴を持つ。また、言語性LD、非言語性LD、包
括性LD、注意・記憶性LD
などの分類があげられる。ここで
は,定義、特徴,教育的配慮などについて述べる。奥住秀之奥住秀之
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医学的治療1
精神医学的状態と
薬物療法
発達障害の薬物療法の目的は、@本態的治療の為の薬物、
A情緒障害、異常行動の改善を目的にする薬物B経過で出
現しやすい精神医学的状態に対する薬物に分けられる。行動
の障害にしばしば使われる向精神薬について主として解説す
る。
太田昌孝太田昌孝
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医学的治療2
てんかんと関連す
る状態
発達障害にはしばしばてんかんが合併する。てんかんとそ
の治療・対処法についての正しい理解は、発達障害児の教育
的支援上不可欠である。
小林繁一
(静岡県立子
ども病院)
小林繁一
(静岡県立子
ども病院)