HOME - 1 - =住計画論(‘02)=(TV 〔主任講師: 本間博文(放送大学教授)〕 〔主任講師: 初見学(東京理科大学教授)〕 全体のねらい 私達の日常生活において、住まいのありようは生活の質を左右する重要な要件である。しかし社会の仕組みが多様化し、 急速に変化しつつある現代社会において、自分達の家族生活に相応しい住まいを見つけることは簡単なことではない。それ に加え、住宅に取り入れられる技術や使用される素材が次々と変化しており、問題解決を一層難しくしている。だからとい って専門家に任せればよいというものではない。住まい手として基本的な知見を持って住まいにかかわるさまざまな問題解 決に積極的に取り組んでいかなければならない。このようなねらいのもとに、本講義では前半で住まいに関わる基本的な知 見を学習し、後半で具体的な事例をもとに安全、快適な、そして利便性に富み、健康な住まいのあり方を検証する。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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文化・風土と住まい (1) さまざまな国の住まいについて概説し、住まいが作り出す 形態の多様性は、それぞれの地域の生活文化、慣習、気候、 風土などの条件と密接にかかわり、必然性を持つことを述べ る。 藤井明 (東京大学教 授) 藤井明 (東京大学教 授)
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文化・風土と住まい (2) 韓国や中国の住まいを紹介して東アジア文化圏の中での日 本の住まいの特性を明らかにする。 同上同上
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日本の住まいの変 遷(1) 寝殿造から書院造への変遷過程をたどることにより和風の 住まいは、どのような空間構成原理のもとに形成されている かを明らかにする。 本間博文 (放送大学教 授) 本間博文 (放送大学教 授)
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日本の住まいの変 遷(2) 明治以後、洋風の住まいが和風の住まいにどのような影響 を与え、今日の日本の住まいとして定着することになるのか その過程をたどる。あわせて現代の住まいにおける和風の住 まいの意味を考える。同上同上
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環境にやさしい快 適な住まい(1) 地球環境や都市環境と住まいの関係を考える。これからの 都市づくり、街づくりの観点から生活の場としての建築外部 空間を考える。梅干野晁 (東京工業大 学教授) 梅干野晁 (東京工業大 学教授)
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環境にやさしい快 適な住まい(2) わが国の気候風土のもとで環境と共生する住まいのあり方 を考える。自然のポテンシャルを広くまんべんなく使うさま ざまな手法を紹介しつつ、快適な室内環境を造りだすための 条件を提案する。同上同上
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住まいの構造と性能 なんと言っても住まいの基本的な性能は、住まいの構造(骨 組み)に規定され、それを包み込む部材で構成された物とし ての建物による。住宅の構造や構法を概説し、住宅の安全性、 快適性、機能性を考える。 上野武 (千葉大学助 教授) 上野武 (千葉大学助 教授) - 2 - 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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住まいの空間構成 とデザイン 現代住宅のデザインを考え、生活と空間構成、空間をつな ぐ手法などについて概説する。 上野武上野武
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家族と住まい 家族の変容とさまざまな住まい方について考える。高齢化、 世帯構成とライフスタイルの多様化などのキーワードをもと に、グループ居住、マルチハビテーション、SOHO やネット ワーク居住の現状を探る。 横山俊祐 (熊本大学助 手) 横山俊祐 (熊本大学助 手)
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集まって住む(1) −都市居住の形態 高密度化への対応(密度と集合形式)、都市集住の形態(超 高層と中庭型)、都心回帰、複合化などの実態を解説し、新 たな都市集住形態の創出を提起する。初見学 (東京理科大 学教授) 初見学 (東京理科大 学教授)
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住まいの集合(2) −コミュニティの 形成 住まいの社会性、コミュニティの形成について考える。住 宅団地における住棟とアクセス形式(リビングアクセスの実 例)などを通じて住まいを開くことの意味を考える。同上同上
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住まいの集合(3) −ライフスタイル の実現 住戸の計画を通して個別のライフスタイルと変化への対応 を考える。スケルトンインフィル(SI)方式などの集合住宅の 新しい空間構成手法によって可能になるフレキシブルな計 画、居場所の創造など、居住者自身による生活空間創造の実 態を報告する。 同上同上
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住まいづくりへの 参加 住み手自らが計画に参画する。住まいに普段に働きかける。 住みこなす。住み続ける。そして建て替えるといった、住ま い自体のライフサイクルの各場面での住まい手の主体的なか かわり方を、いくつかの先端的な事例をもとに考える。横山俊祐横山俊祐
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地域の中の住まい 住まいは、それが建つ地域の環境のもとで、その地域の資 源を活用し、地域性を生かして造られる。あるいは住まいが 地域を作る役割を担うこともある。先端的な事例を検証し、 地域と住まいの関係性を報告する。同上同上
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これからの住まい あるべき住まいの形は決して一通りではない。さまざまな 解決の仕方があり、そしてその答えは単に各要素を足し算し たことによって得られるものではない。14 回の講義を通して 得られた住まいの諸条件を総体として検討し、21 世紀の住ま いが向かうべき方向を提案する。 本間博文本間博文