HOME 2004/11/08 1542923.doc 科目名人間と自然(03) 1/2 1 =人間と自然(‘03)=(TV ―食・農・環境の展望 〔主任講師: 祖田修(福井県立大学学長)〕 〔主任講師: 八木宏典(東京大学教授)〕 全体のねらい 現在人類の存亡をかけて、人間と自然の関係のあり方が問われている。農業・農村および農学は、衣食住にわたり自然を利 用し保全し、かつしばしば環境に負荷を与えながら、文明・文化の展開に関わってきた。人間と自然の共生に向けて動き出 した食・農・環境の、新たな潮流を具体的な事実を紹介しつつ展望する。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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環境の世紀におけ る食と農: 人類は今、人口爆発と肉食の増大によって、それに必要と なる農地の急増に迫られている。他方地球環境問題は、日に日 に厳しさを増している。果たして人類は飢えずに環境を守れ るのか。人間と自然の共生が叫ばれているが、どうすれば可能 なのかを考える。 祖田修 (福井県立大 学学長) 祖田修 (福井県立大 学学長)
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文明史から見た 食生活の現状: 飽食の時代などといわれるが、日本における食生活の状況 はどうなっているのか。また世界の各国や地域の人々は、何を どのように食べているのか。食べないでは一日も生きられな い、「食べる存在」としての人間の、食をめぐる現状と問題を 明らかにする。 古沢広祐 (國學院大學 教授) 古沢広祐 (國學院大學 教授)
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健康な食を目指す 世界の潮流: 健康を維持するための安全な食品への欲求から始まり、生 産者と連携しながら、持続的農業の形成、さらには自然に学 び、環境問題へと活動を広げていく消費者の動きがある。そう した動きを国内、国外の具体的事例によって提示し、その意 義を探る。 同上同上
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循環型社会を目指 す新潮流: 今後の食・農・環境の問題を考えたとき、食と農、農と工、 都市と農村、地域と地域等の間で、望ましいリサイクルシス テムを作っていかなければならない。足元から力強くそれを 目指す、町や村の動きを中心に方向を探る。同上同上
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食料・環境と自由貿 易をめぐって: WTO において、農産物貿易をめぐる新たな交渉と調整が始 まろうとしている。大農圏輸出国グループと中農圏、小農圏の 間には、種々の意見の対立がある。それは何に由来するのか。 21 世紀の食と農のために、貿易政策は如何にあるべきか。同上同上
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意欲的に新時代の 農業に取り組む農 業者群: ひるがえって生産の側を見ると、消費者の求める「安全・安 心・良質」な食品の生産に、意欲的に取り組む農家群がある。日 本農業の担い手不足ということが言われるが、経営感覚に優 れ、新たな時代の要請を担う農業者も、確実に生まれている ことを具体的事例の中で追う。 八木宏典 (東京大学教 授) 八木宏典 (東京大学教 授)
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国民的要請に応え 総合化を目指す農 業者群: 農業を、単に農産物を生産するだけでなく、総合化によっ て社会の要請に応え、将来展望を切り開こうとする生産者群 がある。その具体的事例を三重県モクモク手づくりファーム などに見る。それは人間と自然の新たな関係をも見据えた、思 想豊かな取り組みである。 同上同上 2004/11/08 1542923.doc 科目名人間と自然(03) 2/2 2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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地域に根ざし未来 を開く農業者群: 日本農業の展開には、さまざまな地域的条件が絡んでいる。 困難な環境条件を、地域の他の農業者や消費者、関係団体と の協力関係を通じて乗り越えようとする動きがある。地域に 根差した農業者の力強い動きを探る。八木宏典八木宏典
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形成均衡の世界 −人間と動物の新 たな関係−: 森は遠く、見渡す限りの農地の拡がるアメリカのような大 農圏と違い、日本農業は森に近く、川筋、谷筋に展開する。そ のため猿、猪、鹿等の鳥獣害問題に悩まされる。人間の権利、 動物の権利がそこで激突する。人間と自然の共生とは、一体何 を意味するのか。 祖田修祖田修
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欧米農業・農村の新 たな動き: 人類は今、環境、人間らしい真に豊かな生活、安全な食べ 物と健康等をめぐる大きな課題を抱えている。そのような中 で、欧米農業、農村は何を目指し、どこに行こうとしている のか。その農業・農村・農政の動きを探る。 河合明宣 (放送大学助 教授) 河合明宣 (放送大学助 教授)
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発展途上国の農業・ 農村の新たな動き: 発展途上国の人口比率は80%である。これらの諸国は、先進 諸国の生活水準を目指し、急激な工業化、都市化の段階にあ る。これらの動きは、人口爆発、環境問題などとどう絡んでく るのか。希望と苦悩の中に浮き沈みする途上国農業・農村の現 実を追う。 同上同上
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自然・農業体験と子 供達の成長: 工業化とともに拡大・発展した都市も、今や多くの問題を抱 えるに至り、自然や農業・農村的なものを求めている。農村も 都市的なものを求めている。とりわけ子供達への農業の教育 力も注目されている。子供達の人間的成長と農業体験教育を 中心にしながら、全国各地に生まれている都市・農村の交流を 見る。 祖田修祖田修
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現代文明と都市・農 村: 近代社会において、工業発展は人類に物的豊かさをもたら し、都市は人間的自由を与えるものとして展開した。そこで は、ともすれば農業・農村は見過ごされ、衰弱した。現代文明 社会にとって都市・農村とは何なのか、どのような関係を築く べきなのか。 木村尚三郎 (東京大学名 誉教授) 木村尚三郎 (東京大学名 誉教授)
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水と緑の国、日本: 日本は中央に山脈が走り、河川は急流で、国土は火山灰土 に広く覆われ崩れやすい。そこにしばしば大雨を伴う台風が 襲来する。こうした条件の中で農業・農村は独自の展開を遂げ 地域社会、地域の文化を形成した。日本文化の底流にあるもの を提示する。 富山和子 (立正大学教 授) 富山和子 (立正大学教 授)
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食・農・環境の展望: 現代文明は、ひたすら人間の物心両面にわたる満足に力を 注ぎ、自然に大きな負荷を与えてきた。今や人間には、自己抑 制も要求されるであろう。東洋的自然観・倫理観の根底に流れ る「少欲知足」の思想こそ、改めて注目される。その流れを中国 から日本へと探る。 祖田修祖田修