HOME 2004/11/08 1665618.doc 科目名流体的地球(03) 1/2 =流体的地球像(‘03)=(TV 〔主任講師:福田正己(北海道大学教授)〕 〔主任講師:濱田隆士( ()日本科学協会理事長)〕 全体のねらい 今新しい地球観が生まれつつあります。最新の地球科学の研究成果は、揺るがぬ大地という固体的な地球から、流れる 地球として捉え直しています。ダイナミックに変動する地球の、流体的な性質に着目しながら、新しい地球観を多面的に 紹介します。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
1 有為転変の地球観 −流体的地球−: 地球は絶えず変動し続けています。一見動くことのない と思われる大地も、長い地球の歴史をひもとくと、それが流 れるように変化し続けていることに気がつきます。地球を 包む大気から陸水・海洋そして地球内部まで、その流れの特 質と相互作用について、流体的地球を探ってみます。 福田正己 ( 北海道大 学教授) 濱田隆士 (()日本科 学協会理事 長) 福田正己 ( 北海道大 学教授) 濱田隆士 (()日本科 学協会理事 長)
2 大気の脈動 −大気大循環−: 地球を取り巻く大気は、高度ごとにその流れの性質が異な っています。宇宙空間から地球を眺めると、大きく脈動す るように循環する大気の流れが見えます。地球上の様々な 気候を生みだし、また地球表面に影響を与える大気の流れを 階層分けしながら俯瞰します。 福田正己福田正己
3 大気の息づかい −対流圏と成層圏 −: 流れる雲は、どのように成長しまた消滅するのでしょうか。 噴き上がった火山灰はどこにながれてゆくのでしょうか。極 地で拡大しつつあるオゾンホールはなぜ形成されるのでしょ うか。大気圏での異なる規模の渦や流れ、そして大気の運 ぶ物質について可視化しながら学習します。 同上同上
4 海は流れる −海洋大循環−: 遠い南の島からの便りが、海辺にうち寄せられます。そ れは椰子の実であったり、貝殻であったり様々です。また 海の流れは表面だけでなく、海底下でも地球を循環している のです。こうした流れは地球の多様な気候をも生み出しま す。 同上同上
5 海は語る −古海洋学−: 海底に堆積した貝殻やプランクトンなどを取りだし、詳し くその組成を調べてゆくと、海がどのように変化してきたか を解読することが出来ます。それはちょうど磁気記録された カセットテープやビデオテープを再生するように、過去の海 の環境変化を再現するのです。 同上同上
6 大地を刻む −河川の働き−: 数100mも切り立った崖は、河川が大地を荒々しく削り取 った結果です。河川はたえず大地を刻んできました。また 河川は土砂を運搬し、扇状地や段丘を造り、あるいはデルタ 地形を海へ広げます。 また水の循環の重要なパイプとしても働いています。 同上同上
7 碧い湖と見えない 河川 −湖沼と地下水−: 地球のいたるところに貯留された水が分布します。そこは 特異な生態系とまた豊かな自然環境が成立しています。ま た水資源として重要な役割を担う地下水に、着目しながらそ の働きと特徴を捉えなおして見ます。 同上同上 2004/11/08 1665618.doc 科目名流体的地球(03) 2/2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
8 流れる氷 −氷河と氷床−: 硬い氷は予想を超えた速度で流動します。山岳から流れ 下る氷河は、大地を削り取り、特異な地形を造り出します。 また白い大陸(南極)は、巨大な氷床で長い間覆われてきま した。深くまで掘削して得られた氷には、太古の空気が閉 じこめられています。最新の氷の分析結果は、どのような過 去の気候変動を示してくれるのでしょうか。 福田正己福田正己
9 凍てついた大地 −永久凍土−: 地球の陸地の約15%は、年間を通じて凍結したままになっ ています。この永久凍土には、過去に生息していたマンモス が凍結保存されています。また永久凍土地域は、世界最大 の森林(タイガ)が形成されています。そこでの変動は、 地球温暖化に大きな影響を与えつつあります。 同上同上
10 地球の鼓動 −地球内部ダイナ ミックス−: 地球内部は沸騰する水のように、灼熱状態に保たれていま す。それは大陸を移動させ、また高熱が地上に露出して火山 活動を引き起こします。地中深くで発信されたシグナルか ら、地球内部の動きを推定してみます。同上同上
11 噴き上がる地球の 息吹 −火山活動−: 日本列島は、火山列島でもあります。地球内部の動きに 起因して、火山は活発化し、やがて噴火します。繰り返され る火山噴火とそれが人々の暮らしに与えた影響について、北 海道有珠火山を例に挙げ、火山との共生への道を探る様子を 報告します。 同上同上
12 裂ける大地・揺れる 大地 −断層と地震−: 地下に蓄えられたエネルギーは、突然大地を引き裂きそし て大きく揺らします。日本列島に暮らす我々にとって、宿 命的な断層と地震について、その観測最前線をレポートしま す。同上同上
13 極北の旅人 −先史モンゴロイ ドの移住・拡散−: 我々日本人の祖先はいつどこから来たのでしょうか。遙か 極地シベリアに活躍した先史モンゴロイドの寒さへの適応戦 略が、あのマンモスを滅ぼしたのです。その壮大な旅を辿 ってみます。同上同上
14 だれが地球を熱く したのか −地球温暖化−: 膨張する人類の生産活動は、地球を温暖化させています。 極地ではその温暖化の兆候が真っ先に表れてきます。この まま温暖化が進行すると、海面はどれだけ上昇するのか。温 暖化予測についての、最新の研究を紹介します。同上同上
15 新しい地球観: −流体的地球− 地球を他の惑星と比較し、その違いを一言で表現するなら、 それは「流れること」にあります。大気から陸面・海洋そ して地球内部まで、地球は絶えず流動しているのです。こ の講義のまとめとしてもう一度各階層毎に「流れる」地球を 俯瞰してみます。 福田正己 濱田隆士 福田正己 濱田隆士