HOME 2004/11/08 1615319.doc 科目名食品の成分と機能(03) 1/3 =食品の成分と機能(‘03)=(TV 〔主任講師: 上野川修一(日本大学教授)〕 〔主任講師: 今井悦子(聖徳大学教授)〕 全体のねらい 食品の成分は、からだを構成している細胞の材料となったり、あるいはエネルギー源となる。しかし最近になり、それば かりではなく免疫系、内分泌系、神経系などのからだの調節系に作用し、健康の維持に貢献することが明らかとなっている。 本講義ではこのような食品の新しい機能性成分について、その構造、その作用機構、そしてこれらの成分を含む機能性食品 を通じての疾病の予防などについて述べる。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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食と健康 日本人の平均寿命は世界で最も長くなっている。その背景 には日本人の食生活において、植物性食品と動物性食品、両 者の食品・栄養学的なバランスがとれたことがある。しかし ながら、最近になって生活習慣病といわれるがん、血液系疾 患などが増加しつつあることも事実であり、そのほとんどが 食生活の偏りに原因している。したがって、食生活に充分に 配慮することが健康の維持に必要なことである。 上野川修一 ( 日本大学 教授) 上野川修一 ( 日本大学 教授) 今井悦子 (聖徳大学教 授)
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タンパク質 人は体タンパク質合成のため、またエネルギー源として食 品タンパク質を摂取しているが、注目される機能性成分には タンパク質由来物質が多い。それらがどのようなものである のか、基本特性を概説する。食品タンパク質の構造とその変 化、分解によって生成するペプチドなど。 今井悦子 (聖徳大学教 授) 今井悦子 (聖徳大学教 授)
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炭水化物 人が摂取する栄養素のうちもっとも摂取量が多いのが炭水 化物である。炭水化物はエネルギー源として主たる成分であ ると同時に、難消化性炭水化物は機能性成分として重要であ る。ここでは炭水化物の種類と構造の他、難消化性オリゴ糖 について詳しく解説する。 同上同上
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脂質 日本人の資質の過剰摂取傾向に警笛鐘がなり始めてから久 しい。生体内での過酸化脂質とさまざまな疾患、老化との関 係が取り上げられており、食品においても生体においても脂 質の酸化を可能な限り防ぐことが重要である。ここでは脂質 の構造や酸化の機構の基礎などを概説する。 同上同上
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微量成分 ビタミンとミネラルを中心に、栄養素以外の様々な微量成 分も含めてその構造など基本的な性質を概説する。これらの 中からも多くの機能性が見い出されている。近年特に注目さ れている成分にポリフェノールがある。ポリフェノールとは どのようなものをさすのか、その定義、種類構造などについ ても解説する。 同上同上
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免疫系を調節する 成分 食品成分、そして病原細菌などは時に同時に経口的に体内 に入り、腸管に達する。病原細菌はそこで繁殖し、からだに 傷害を与えることがある。そのため、腸管にはからだのなか で最大の免疫システムが備わっており、このシステムは病原 菌は排除するが、食物等がからだによいものは排除しないと 特別な機能を持っている。また一方で、食品成分のなかには、 この腸管の免疫系や全身の免疫系の働きを高める多くのもの がある。 上野川修一上野川修一 2004/11/08 1615319.doc 科目名食品の成分と機能(03) 2/3 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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食品アレルギー アレルギーとは、免疫系のバランスが崩れ、本来自分を攻 撃することのない免疫系が自らを傷つけてしまう疾病であ る。食品アレルギーは食品成分を原因物質とするもので、乳 幼児に多く発症し、卵、エビ、カニなどによって発症するこ とが多い。現在、その発症する頻度は乳幼児の場合、10%近 くになる。一方、食品成分の中には、プロバイオテックスな ど、アレルギーを抑制する成分がある。 上野川修一上野川修一
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抗がん、抗感染に役 立つ成分 がんの発症と食品成分の間には極めて密接な関係がある。 また、がんの予防にも多くの食品成分が関与している。がん はイニシエーション、プロモーションの段階を経て発症する。 これらそれぞれの段階に抑制的に作用して発がんを抑える植 物性食品由来の成分が多く知られている。またビタミンやミ ネラルなどを中心とした、免疫系を賦活し、病原細菌による 感染を抑える抗感染食品成分についても述べる。 同上同上
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循環系・内分泌系を 調節する成分 動脈硬化は、脂質代謝異常や不適切な食事に起因する血清 脂質濃度の上昇〜血管壁での細胞機能亢進等が原因でおこ る。コレステロール等の吸収抑制活性を持つタンパク質やペ プチド、食物繊維等がその予防に有用と期待されている。高 血圧の成因は複雑だが、血圧上昇を導く酵素の阻害活性を持 つ食品由来ペプチドが牛乳や魚肉中に見出された。また、糖 尿病予防を目指し食品による糖の腸管吸収やインスリン分泌 の調節が検討されている。 清水誠 ( 東京大学 教授) 清水誠 ( 東京大学 教授)
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消化吸収・促進と整 腸に役立つ成分 カルシウム等の無機栄養素の腸管吸収を高める食品成分と して、牛乳由来ペプチドやオリゴ糖が知られている。一方、 便秘や下痢の予防をはじめ、食中毒菌による腸管感染や発ガ ンを予防するものとして腸内微生物の存在が注目されてい る。腸内微生物のバランスを改善するための生きた乳酸菌な ど(プロバイオティックス)や、有用菌の増殖を促進する難 消化性食品成分(プレバイオティックス)の研究が進み、一 部は商品化されている。 同上同上
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酸化傷害を抑える 成分T 呼吸により1日に500リットル以上も体内に取り込まれる酸素は、 われわれ人間の生命活動に必須である反面、過剰に生じた活性 酸素・フリーラジカルはタンパク質や脂質、核酸など生体構成物質 を攻撃し、酸化傷害の原因となる、いわゆる諸刃の剣である。過酸 化脂質や酸化修飾タンパク質・核酸などの構造と機能、酸化傷害 のメカニズムについて概説する。 大澤俊彦 (名古屋大学 教授) 大澤俊彦 (名古屋大学 教授)
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酸化傷害を抑える 成分U 「がん」をはじめ「生活習慣病」と呼ばれる疾病の予防に関する 食品抗酸化成分は、特に植物性食品素材に多く含まれている。香 辛料やスパイス、穀類や豆、ナッツ類、野菜や果物、お茶やココ ア、赤ワインなどの嗜好品や大豆発酵食品など多種多様な素材か ら、リグナンやフラボノイド、アントシアニンをはじめとするポリフェノ ール、また、カロテノイドなどの抗酸化成分の化学と機能性につい て解説し、臨床試験や介入研究の最近の動向についても併せて 考える。 同上同上
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機能性食品科学の 誕生と発展 機能性食品、または機能性食品科学は、日本から世界に向 けて発信された。これらが誕生するに至った背景、どのよう な形で誕生したか、その後どう発展し、将来的に何を目ざす のか等を解説する。世界的にはどのように受け入れられ、今 どのような状況にあるのかもあわせて概説する。 荒井綜一 (東京農業大 学教授) 荒井綜一 (東京農業大 学教授) 2004/11/08 1615319.doc 科目名食品の成分と機能(03) 3/3 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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特定保健用食品と 保健機能食品の制 度化 2001 年にこれまで制度化されていた特定保健用食品に新し く栄養機能食品を加えて、保健機能食品制度が発足した。特 定保健用食品とは、その成分として保健機能をもつものを有 し、摂取することにより栄養を補給、補充し、生活の質の向 上、健康の保持増進に役立たせることができる。その保健機 能を表示できるものである。栄養機能食品は、栄養成分の機 能を表示できるものである。 上野川修一上野川修一
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未来の食品 これからの食品について、どのような特性が望まれるのか、 消費者はどのような観点から食品を選んでいったらよいかな どを考察する。それらに多くの示唆を与えてくれると考える 沖縄の、長寿の秘密と現状も紹介する。今井悦子 上野川修一 今井悦子 清水誠 大澤俊彦