HOME 2004/11/05 1540602.doc 1 =物質・材料工学と社会(‘05)=(TV 〔主任講師: 岸輝雄(独立行政法人物質・材料研究機構・理事長)〕 〔主任講師: 小口信行(独立行政法人物質・材料研究機構ナノマテリアル研究所副所長)〕 〔主任講師: 塙隆夫(東京医科歯科大学教授)〕 全体のねらい 材料は身の周りのあらゆる所で利用され、今日の豊かな社会生活を築く上での基盤となっている。しかし ながら、通常、人が実生活の中で材料の価値を意識することは殆どないのが現状であろう。本科目では、材 料がどのようなところでどのように使用され、役立っているかを知ることで、材料の重要性と面白さを認識 することを目指す。 全15 回講義のうち、前半では、材料を金属、セラミックス、高分子、半導体、複合材料の5つに大別し、 材料の基礎的事項を学ぶ。後半では、材料を情報通信、環境、資源・エネルギー、安心・安全などの用途に 分け、材料の機能と利用方法について学ぶ。特に、次世代の究極の材料技術として注目されているナノテク ノロジーなど、最先端の材料研究開発の現状も知る。講義全体を通じ、社会の中での材料の役割について考 える。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
材料開発と人類の 歴史、持続的社会と の関わり 人類文明の歴史は材料開発の歴史とも言える。人類は材料を 自在に加工し役立てることで、今日の豊かな社会生活を築い てきた。人類が将来に渡り、持続的に発展するには、新しい 材料の高度利用が不可欠である。材料開発の歴史を振り返り、 今日のナノテクノロジーに辿り着くまでの道のりを概説す る。 岸輝雄 (物質・材料 研究機構・理 事長) 岸輝雄 (物質・材料 研究機構・理 事長)
2
物質の構造、材料の 特性と信頼性 物質は多数の原子と電子から構成されている。そして、物質 の性質(物性)は、元素種、原子の結合様式、結晶構造、高 次構造の違い、さらには、その結果として生じる電子状態の 違いなどにより決定される。材料の特性と信頼性を、物質の 微視的な構造と性質に立ち返り、解説する。 同上同上
3
金属材料、セラミッ クス材料 金属材料とセラミックス材料は社会のさまざまなところで広 く使われている代表的な工業材料である。金属やセラミック スの製造方法やその性質を学習し、巨大な建造物から身近に ある品物まで、多様な工業生産物が金属やセラミックスの持 つ特徴を上手に利用して製造され、使われていることや、リ サイクルされることを学ぶ。 吉原一紘 (物質・材料 研究機構・理 事) 吉原一紘 (物質・材料 研究機構・理 事)
4
高分子材料、複合材 料 身近な繊維・プラスチック・ゴムから半導体集積回路を作製 するためのフォトレジストまで、高分子材料の範疇は極めて 広い。蛋白質や核酸も高分子の一種である。本講義では、低 分子化合物とは異なる高分子物質の特徴や性質を解説する。 さらに、高分子をベースとした同種・異種材料との複合化に よる多彩な機能についても触れる。 岸輝雄岸輝雄 及川英俊 (物質・材料 研究機構ナノ マテリアル研 究所ナノ電子 光学材料グル ープ・主席研 究員) 2004/11/05 1540602.doc 2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
5
半導体材料半導体材料は、現在の高度情報化社会を支えている重要な材 料である。本講義では、シリコン、ゲルマニウム等の単元素 半導体、およびガリウムヒ素、窒化ガリウム等の化合物半導 体を中心に、これらの材料の特徴や性質を説明し、半導体を 用いる基本的な各種電子デバイスの構造、動作原理について 概説する。 小口信行 (物質・材料 研究機構ナノ マテリアル研 究所副所長) 小口信行 (物質・材料 研究機構ナノ マテリアル研 究所副所長)
6
セメント、コンクリ ート、木材 コンクリートとは、骨材と呼ばれる岩石・砂などをセメント で固めた材料である。任意の形状に作ることができ、硬化に 水のみを用いる安定性の高い材料で、古くから使用されてき た。木材は日本史を代表する建設材で、大規模建造物や橋梁 などへの適用で再び注目を浴びている。いずれも社会資本の 整備に不可欠な材料として使用され、環境との共生や維持管 理への取り組みも行われている。これらの歴史と現状を紹介 する。 岸輝雄岸輝雄 大津政康 (熊本大学大 学院教授)
7
情報化社会を支え る材料技術 シリコンを基盤とした半導体デバイスとそれを用いたコンピ ュータの発展は、20世紀における社会の変革に多大な役割 を果たしてきた。しかし、これらの性能をさらに向上させて いくことは、既に限界に近づいているとも言われている。本 講義では、高度情報化社会を支える材料技術の歴史と現状、 および今後の展望について概説する。 小口信行小口信行
8
ナノ材料と原子・分 子レベル加工 物質・材料はナノメートル(10 億分の1 メートル)まで寸法 を小さくすると一変して新規な性質を見せ始めるが、それは 何故だろうか。それらの新規な性質を積極的に利用すると、 どのようなナノテクノロジーの未来が拓けるだろうか。これ らについて述べると共に、ナノメートル寸法の構造を原子・ 分子レベルの精度で構築する最近の先端技術について解説す る。 青野正和 (物質・材料 研究機構ナノ マテリアル研 究所・所長) 青野正和 (物質・材料 研究機構ナノ マテリアル研 究所・所長)
9
地球環境と資源循 環 物質や材料は人間社会を支えてきたが、逆に地球環境にはど れほどの影響を与えてきたのか、また、その影響を低減させ ながら持続可能な社会を支えるために材料技術に何ができる かについて概説する。特に、わが国の目指している循環型社 会を、自然との物質の循環の観点からいかにとらえ、いかに 進めていくべきかについて考察する。 原田幸明 (物質・材料 研究機構エコ マテリアル研 究センター・ センター長) 原田幸明 (物質・材料 研究機構エコ マテリアル研 究センター・ センター長)
10
環境とエネルギー 材料−光触媒、電 池材料− 社会にとって道具やエネルギーは不可欠である。しかし、そ れらを作り出すことが地球環境に負担を掛け、我々生き物の 安全への脅威となりつつある。本項では我々の最も身近なと ころで、環境浄化やクリーンエネルギー創出に貢献している 光触媒や電池材料の開発とそれらの具体的応用について説明 する。 渡辺遵 (物質・材料 研究機構物質 研究所・所長) 渡辺遵 (物質・材料 研究機構物質 研究所・所長)
11
未来のエネルギー 材料−超伝導材 料− 超伝導材料を一定の温度以下に冷却すると、電気抵抗が完全 に消失し、ロスなしで大電流を流すことが可能になる。この ような特異な性質ゆえに、超伝導材料は21世紀のエネルギ ー関連技術において重要な役割を果たすものと期待されてい る。超伝導の基礎を踏まえた上で、超伝導材料の具体的応用 について説明する。 室町英治 (物質・材料 研究機構超伝 導材料研究セ ンター・セン ター長) 室町英治 (物質・材料 研究機構超伝 導材料研究セ ンター・セン ター長) 2004/11/05 1540602.doc 3 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
12
安心な生活空間の ための材料−構 造材料− 生活空間に安心をもたらすために構造材料に必要な性質と技 術をまとめる。わが国は、地震、台風、高温多湿など、欧米 と比べて厳しい地理的条件にある。また、乗り物には、軽量 化、衝突安全性が要求される。材料の強さと寿命を延ばす技 術、材料を成形する技術、部材同士を接合する技術などの基 本と応用例を述べる。 岸輝雄岸輝雄 長井寿 (物質・材料 研究機構超鉄 鋼研究センタ ー・センター 長)
13
医療診断・治療と材 料工学 DNA、タンパク質などの人体の中にある分子を診断に利用す るバイオセンサーやドラッグ・デリバリー・システム(DDS) による遺伝子治療など、ナノテクノロジーと材料の進歩によ って可能になった医療技術について考える。 塙隆夫 (東京医科歯 科大学教授) 塙隆夫 (東京医科歯 科大学教授)
14
人工臓器・再生医学 と材料工学 加齢、事故、疾病などによって失われた身体機能を回復させ るための治療や臓器を再生させる技術には、多くの材料が貢 献している。これらの材料の問題点を学び将来を展望する。 同上同上
15
材料・環境・社会、 これからの材料開 発の方向 前回までの講義で、材料を理解する上での基礎的事項と材料 の用途・機能を学んだ。最終回では、今後の材料開発はどう あるべきかについて考える。特に、環境や資源、安全など、 地球規模での問題の解決には新規材料の開発と利用が不可欠 であろう。21世紀社会における材料の果たすべき役割につ いて考える。 岸輝雄岸輝雄