HOME 2004/11/08 1859110.doc 科目名中世日本の歴史(03). 1/2 =中世日本の歴史(‘03)=(TV 〔主任講師: 五味文彦(東京大学教授)〕 〔主任講師: 本郷和人(東京大学助教授)〕 全体のねらい 日本中世の歴史を新たな視点から探るとともに、中世社会が現代の社会といかに関わっているのかを考える。その際、中 世社会を考察してゆくための材料となる史資料の類(文書、絵画資料、考古資料)の扱い方について特に考え、中世社会につ いての基本的な知見を提供する。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
1 入門・中世日本 中世社会が日本の歴史上にどのような位置にあるのかを考 え、その研究の意義について触れる。そのために時代の特質 や時代区分の問題、さらに素材となる史資料の性格について 考える。 五味文彦 ( 東京大学大 学院教授) 五味文彦 ( 東京大学大 学院教授)
2 中世の政治の枠組み 中世社会の枠組みがいかに形成されてきたのかを、院政時 代から鎌倉時代にかけての政治の流れから考える。鎌倉幕府 の成立にともなって日本社会の政治の仕組みは大きく変わっ たが、そのことの意義を探る。 同上同上
3 武士の社会を探る 中世社会の新たな主役となった武士を軸にして、それをと りまく社会の在り方を武家政権の展開のなかで探る。 同上同上 4 中世の文化と宗教 中世には新たな宗教活動が広がり、文化も違った様相を示 すようになった。その動向を宗教者の活動や芸能者、歌人の 動きから考察する。さらに文化の地域性にも目を配って、鎌 倉時代の文化の特質や位置を探る。 同上同上
5 対外関係と社会の 転換 蒙古襲来により東アジア世界は流動化していった。中世に おいて対外関係がどのような形で列島社会に影響をあたえた のか。政治的、文化的、そして経済的な側面についてそれぞ れ探る。 同上同上
6 南北朝の動乱 後醍醐天皇と足利尊氏の「謀叛」とによって、鎌倉幕府は 瓦解する。建武政権も須臾にして潰え、足利幕府においては 尊氏と直義の兄弟が全国を二分して相争う。大軍が東西に往 き来したこの時代、人々が何を求めて戦ったのかを考える。 本郷和人 ( 東京大学助 教授) 本郷和人 ( 東京大学助 教授)
7 室町幕府と将軍権力 足利将軍家は京都に居を定め、新しい国家秩序の建設を試 みた。それは専制よりも合議を、農業よりも商業を、東国よ りも西国を重視した、新しい国のあり方であった。研究史の うすい室町幕府の構造について、鎌倉や江戸の幕府と比較し ながら、考えていく。 同上同上 2004/11/08 1859110.doc 科目名中世日本の歴史(03). 2/2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
8 生活文化の誕生 室町文化は生活に根ざした文化であり、日本文化の源流で あるといわれる。しかし、「わび・さび」に代表される枯淡 世界の登場の前提には、舶来物崇拝があり、絢爛豪華への憧 憬があった。和風文化誕生までの経緯を、社会の変動を参考 にしながら追いかけてみよう。 本郷和人本郷和人
9 中世の村落を訪ねて 村落での生活の実像は、史料の制約もあってなかなか把握 できない。この回では、紀伊国にあった高野山領名手荘と、 前関白九条政基が下向した和泉国日根野荘を素材として、在 地の人々の生活の様子を復元してみたい。同上同上
10 下剋上の世へ 伝統や権威の衰退は実力あるものの台頭をうながし、「下 ガ上ニ か 剋ツ」、下剋上の世が到来した。将軍は大名に倒され、 大名は家臣に弑された。農民も武士の支配を拒否して蜂起し た。応仁の乱が起こり、統一権力が崩壊する過程を整理して みよう。 同上同上
11 古文書を読み解く 歴史学が科学であるために、歴史解釈はたえず原史料に立 ち戻らねばならない。原史料の代表が古文書であり、この回 では古文書の骨格を分かりやすく説明する。公家の文書の特 徴とは何か、公家文書と武家文書の関係は如何なるものかを 理解してほしい。 同上同上
12 中世の貨幣と経済 中世には金属貨幣が初めて全国的かつ本格的に流通し、そ れを基盤に独特の信用経済が発達した。この時代の経済の実 相を紹介しながら、その背景にある中世社会の特質について も考えてみたい。 中島圭一 ( 慶應塾大学 助教授) 中島圭一 ( 慶應塾大学 助教授)
13 戦国社会の開幕 応仁の乱後も、室町幕府は全国支配をあきらめたわけでは なかった。支配再編を主導した細川政元や、彼と深く関わり 合った伊勢宗瑞(北条早雲)の動向を中心に、全国政権の解体 と地方公権の分立、そしてそれとともに進行した列島社会の 変動を追う。 同上同上
14 戦国大名の実像 一口に戦国大名と言っても、それぞれを取り巻く地理的環 境や歴史的経緯により、多様な個性を持っている。武田と後 北条という互いに隣接する大名を対比しつつ、戦国大名の実 像に迫っていく。同上同上
15 中世社会と現代 はるか遠くの時代である中世の社会を学ぶことの意味を改 めて考える。国家の姿が漠然としてあった時代、混沌と戦乱 とが相次いだ時代だが、他方で民衆は活気に満ち溢れていた。 自然との調和を考え、自らの生き方を懸命に模索した中世の 人々の動きを改めて考え、今後の研究について考える。 五味文彦五味文彦