HOME - 1 - =国際関係論(‘02)=(TV) 〔主任講師: 小和田 恆(元早稲田大学大学院教授)〕 〔主任講師: 山影 進(東京大学大学院教授)〕 全体のねらい 複雑な今日の国際関係を捉えるために必要な基本的な考え方と現代国際関係の諸側面 とを講義する。外国事情、国際情勢 といった現状紹介ではなく、国際社会が抱えている主要な課題を示しつつ、履修者が 自ら国際関係を分析できるような枠組 みを提供したい。とくに日本外交とアジア太平洋地域の国際関係についての理解と分 析を重視する。 回 テーマ 内 容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
1 国際関係論とは何か 初回から第5 回までは、国際関係の基礎を講義する。国際 関係論は、第一次世界大戦の悲惨な結果を踏まえて誕生した が、今日ではさまざまなアプローチがある。国際関係論の学 問としての特徴を示すとともに、この講義の位置付けを明ら かにする。 小和田 恆 (早稲田大学 大学院教授) 山影 進 (東京大学大 学院教授) 小和田 恆 (早稲田大学 大学院教授) 山影 進 (東京大学大 学院教授)
2 国際社会の捉え方 今日の国際社会は、西ヨーロッパで誕生し、世界全体を覆 うに至った主権国家システムが基になっている。様々な国際 社会の類型の中で、今日の国際社会の特徴を明らかにする。同 上 同 上 3 国際関係と外交 国際関係にはさまざまな様態があるが、もっとも重要で基 本となるものが国家間の外交である。外交の仕組みについて 説明する。 同 上 同 上
4 対外政策決定過程 外交を行うに際して、国家は対外政策を決める。日本を例 に、対外政策に関わる制度と、政策決定の仕組みを説明する。 国益とは何かという問題にも触れる。 同 上 同 上
5 国際社会の組織化 人間活動の拡大とその相互依存が進み、それらの活動を規 制するため国際レジームが作られた。さまざまな分野での調 整が必要となり、組織化されるようになった今日の国際社会 の複雑な様相を解説する。 同 上 同 上
6 平和と安全の確保 第6−10 回は、今日の国際関係の主要な側面を取り上げる。 第6 回は、第二次世界大戦を経て、国際連合(とくに安全保 障理事会)が国際の平和と安全を維持する責務を担うように なった。他方で、国連の役割には限界があり、それを補完す る制度も無視できない。個々の国家が保有している自衛権と 諸制度との関連も考察する。 同 上 同 上 - 2 - 回 テーマ 内 容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
7 国際経済の管理 国際的な経済活動を自由で円滑なものにする制度も発達し た。経済のグローバル化が進む中で、国際経済機関の役割、 通商関係をめぐる国際紛争(通商摩擦)の処理がどのような ものなのかを考察する。 小和田 恆 山影 進 小和田 恆 山影 進
8 開発と人間環境 先進国と途上国との間の経済格差が拡大する中で、同時に これを是正する取り組みがなされてきたが、成果は十分では ない。他方で、開発はさまざまな環境問題を生みだした。環 境と開発とのバランスをとろうとする国際社会の動きを考察 する。 同 上 同 上
9 人間の安全保障 冷戦が終わり世界核戦争の脅威が減った反面、新しい脅威 が注目されるようになり、「人間の安全保障」という新しい 考え方が登場した。新しい課題に国際社会がどのように取り 組んでいるかを考察する。 同 上 同 上
10 国際公共秩序 国際社会がグローバル化して、一つの人間社会を形成して いく中で、国際社会全体のガヴァナンス・システムをどのよ うに創出し、維持していくのかが大きな課題になる。そのよ うな国際公共秩序のあり方と問題点を、政治、経済、社会の 各分野について考察する。 同 上 同 上
11 第二次大戦後の日 本外交 第11−15 回は、国際関係論の実証分析のケースとして、日 本の外交を特にアジア太平洋地域の中で考察する。第11 回は、 その前提として、第二次大戦後の日本外交の歴史的レビュー から始める。講和、国連加盟、戦後賠償などの問題を日本の アジア政策との関連で論じる。 同 上 同 上
12 経済大国としての 参画 急速な経済成長を遂げ、経済大国として国際社会に参画す るようになった日本外交を取り上げる。主要先進国として政 策協調に取り組む日本と、経済協力を通じてアジアに深く関 与するようになった日本を考察する。 同 上 同 上
13 冷戦後の新たな役割 日本は経済だけでなく平和や安全保障分野でも大国として の役割を果たそうとし始める。国連の平和維持活動への協力、 安保理常任理事国入りの意味などを冷戦後の国際関係の文脈 から考察する。 同 上 同 上
14 アジア太平洋協力 の重層的枠組み 日本の周りでは地域的な協力制度が急速に発達している。 アジア太平洋という切り口から、日本の外交と多面的重層的 な地域的協力枠組みとを結びつける。 同 上 同 上
15 地域主義と日本外交 国際社会のグローバル化が進行する一方、ヨーロッパ、南 北アメリカ大陸など世界各地で地域主義が謳われている。そ の背景を考察しながら、日本にとっての地域形成の可能性を 論じ、合わせて、日本外交の課題としてのアジア太平洋地域 の将来を展望する。 同 上 同 上-----