HOME 2004/11/08 1595113.doc 科目名= =(R)・(TV1/2 =国際政治(‘04)=(TV9 11 日後の世界− 〔主任講師: 高橋和夫(放送大学助教授)〕 全体のねらい 2001 9 11 日のアメリカでの同時多発テロは、その後の国際政治の動向を規定する事件であった。本講座では、この 事件への、唯一の超大国アメリカの外交的な軍事的な対応に視点を合わせ、21 世紀初頭の国際政治の全体像を鳥瞰する。し かし世界は、アメリカだけで動いているのではない。世界がアメリカに向ける目にも配慮しつつ、双方の視線を交差させて 立体的な世界像を指示したい。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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テレビと国際政治 /もう騙されない 為に 湾岸戦争の報道で劇的な形で示されたように、テレビの映 像は国際政治で大きな役割りを果たす。しかしながら、映像 とは客観の顔をした主観に過ぎない。映像は、それを創り出 し送り出す側の意図に左右されるからである。そうした視点 から、テレビが国際政治に影響を与えるメカニズムの幾つか を提示する。 高橋和夫 (放送大学助 教授) 高橋和夫 (放送大学助 教授)
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アメリカの世界戦 略 世界の国々はアメリカとその他に分類できる。そのアメリ カの世界戦略を歴史的な視野から振り返る。また、その外交 の特徴を紹介する。つまり冷戦後の唯一の超大国の外交の流 れを太いタッチで描写する。 同上同上
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アフガニスタン (1)/大国のはざ まで 1979 年のソ連軍の侵攻、そして2001 年のアメリカのターレ バン攻撃など戦争の際に一瞬だけ光を浴びては、また忘れら れる。現代史におけるアフガニスタンは、そのような運命を 甘受してきた。光を浴びていない時期を含めたアフガニスタ ンの近現代史を解説する。 同上同上
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アフガニスタン (2)II/対ターレ バン戦争 アフガニスタンの隣国パキスタンの置かれた位置は微妙で ある。アメリカの同盟者であると同時にかつてはターレバン の保護者でもあったパキスタンは、カシミールを巡ってイン ドと対立している。また同じようにアフガニスタンに隣接す るイランは、この戦争においてアメリカに協力したにもかか わらず、「悪の枢軸」の一員とされた。2001 年のアメリカの 対ターレバン戦争を振り返り、こうした周辺諸国の動向を紹 介する。 同上同上
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イラク(1)同盟者 サダム・フセイン アメリカの対イラク政策は、フセイン政権の利用に始まり、 その封じ込めに転じ、そして転覆へと帰結した。その1970 年 代から1990 年代までの展開を振り返る。 同上同上
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イラク(2)湾岸戦 争からイラク戦争 へ 2003 年のアメリカによるイラク攻撃は、フセイン政権の終 わりではあってもイラク情勢の安定の始まりではなかった。 1990 年代以降のアメリカのイラク政策を跡付け、その対イラ ク戦争への道を検証し、その将来を展望する。 同上同上 2004/11/08 1595113.doc 科目名= =(R)・(TV2/2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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イラン/岐路に立 つイスラム体制 「悪の枢軸」の一員としてアメリカが名指しにしたイラン では、1979 年に成立したイスラム体制が大きな危機に直面し ている。それは国内的には増大する若年人口の改革への期待 に経済的にも政治的にも体制が応えていないからである。ま た対外的にもイランが核兵器を開発しているのではないかと の嫌疑を受けているからである。イランが国内問題にどう対 応するのか。国際社会の懸念にどう応えるのか。危機の構造 を分析する。 高橋和夫高橋和夫
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朝鮮半島と台湾海 峡/危機のシナリ オ 東アジアの不安定要因は、朝鮮半島と台湾海峡の情勢であ る。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発に世界が注 目している。また、中国が領有を主張する台湾で、独立を宣 言しようとの動きがある。中国は、その独立宣言は許容しな いとの立場である。朝鮮半島と台湾海峡を巡る幾つかのシナ リオを検討し、その将来を展望する。 同上同上
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アメリカのイスラ ム(1)/ブラッ ク・ムスリム アメリカでイスラム教徒が急増している。その流れの一つ は、黒人の間に広まった教えを広めたネーション・オブ・イ スラムという組織である。そのメンバーはブラック・ムスリ ムと呼ばれる。1960 年代に活躍したカリスマ的な説教師の一 人であるマルコムX に焦点を当てる。 同上同上
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アメリカのイスラ ム(2)/文明の衝 突を越えて アメリカのイスラム教徒の多数派は、イスラム諸国からの 移民とその子孫である。その人口の急増は、いかなる意味を 持つのだろうか。アメリカの外交に影響を与えるようになる のだろうか。アメリカにおけるイスラムの拡大の現状を紹介 する。 同上同上
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ヨーロッパのパラ ドックス/拡大と 分離 EU(欧州連合)の拡大が続いている。しかし同時にスコッ トランドや北イタリアなどでは、現在の国家の枠組から離脱 しようとの運動がある。一方で国家の単位を超えた統合の流 れが強まる中で、そうした他方では分裂の流れもあるのだろ うか。ヨーロッパに典型的に観察される矛盾する二つの流れ の背景を探る。 同上同上
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環境保護の政治力 学 環境問題のエッセンスは、環境保全の費用を誰が、いつ、 どのような形で負担するかにある。環境問題の難しさは、科 学的な不確定さを背景として議論される点にある。環境問題 の特徴は、NGO の果たす役割の大きさである。 同上同上
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エネルギー ペルシア湾岸は世界の心臓である。世界経済の血液に当た る石油を各国に輸出しているからである。しかし、この地域 が構造的な問題に直面している。人口爆発、石油価格の変動、 指導者の世代交代などである。問題の意味を考え、この地域 のエネルギーに依存する日本の選択を考える。 同上同上
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冷たい国の熱い夢 /アイスランドの 新エネルギー開発 クリーン・エネルギーを求めての北大西洋の島国アイスラ ンドの試みが世界の注目を集めている。アイスランドのエネ ルギー政策は、まず水力発電に力を入れ、次に地熱発電に軸 足を移してきた。そして最近では水素エネルギーの導入にも 果敢に取り組んでいる。アイスランドの熱いエネルギー政策 を紹介する。 同上同上
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国際政治の新しい 風景 外交は国家が外務省を通じて行うとの通念が壊れて来た。 「国内官庁」、自治体、企業、NGOさらには個人まで外交に 関与する時代が到来している。国際政治の新しい風景である。 同上同上