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=教育の方法(‘04)=(TV 〔主任講師:佐藤学(東京大学大学院教授〕

全体のねらい この講義では、近年、急激に変貌する学校教育の内容と方法の現実とその変動を促進している理論の概要を後述し、 教育方法学の研究領域の最新の知識と授業改革の主要な論点について受講生の理解を深めたい。講義においては、前回 の講義と同様、テレビの特性を生かして、教室の風景、教師へのインタビュー、授業と学習のプロセス、新しい授業改 革の試み、諸外国の授業の様子、学校改革の実例のドキュメントなどの映像メディアを活用し、学校と教室の観察を踏 まえた講義にしたい。 15回の講義の展開は、まず今日の教室の変化をとりあげ、その変化が活動的な学び、協同的な学び、反省的な学び へと発展している状況を示したい。次に、この授業改革の歴史的な背景を欧米における教授理論の展開と日本における 授業改革の歩みにおいて概観する。その上で、今日の教授理論とカリキュラム理論の基礎知識、および授業研究の方法 論とカリキュラム研究の論点を示し、最後に、授業改革の多様な挑戦を紹介しつつ、「学びの共同体」と称される学校 改革の潮流とその可能性について講義する。

回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)


授業と学びの世界 ・教室の思い出 ・教室の風景 ・授業の世界、学びの世界 佐藤学 (東京大学大 学院教授) 佐藤学 (東京大学大 学院教授)
2
変貌する教室 ・教室という場所 ・世界の教室・日本の教室 ・学力問題の諸相同上同上
アメリカの昔の教室の写真を:机がボルトで固定されている。手は後ろに組む。

3
授業の様式 ・模倣的様式と変容的様式 ・模倣的様式の実例 ・変容的様式の実例 ・二つの様式の対比 同上同上
4
授業の歴史(1)欧 米 ・コメニウスの「大教授学」 ・一斉授業の成立 ・国民教育の授業形態 ・新教育の伝統と現在 同上同上
5
授業の歴史(2)日 本 ・近代学校の成立と授業の展開 ・新教育の展開と学びの改革 ・戦後新教育と授業の変容 ・学びの創造と授業の改革 同上同上
6
学びの創造 ・行動主義の学びと認知主義の学び ・対話的実践としての学び ・学びの理論の新展開同上同上 2004/11/08 1113011.doc 2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
7
協同的な学び ・発達の最近接領域 ・協同としての学び ・互恵的な学び ・コミュニケーションとしての学び 佐藤学佐藤学
8
教室のジレンマ ・教室で経験する三つのジレンマ ・教師のジレンマ・子どものジレンマ ・マネージングとコーピング 同上同上
9
授業のデザイン ・プランとデザイン ・目標と課題 ・授業をデザインする同上同上
10
授業の評価 ・目標による評価と目標によらない評価 ・工学的接近と羅生門的接近 ・反省的実践としての授業 ・授業の批評と検討 同上同上
11
授業の研究(1)分 析の方法 ・授業研究のパラダイム転換 ・「過程―出産」モデルの研究 ・コミュニケーション分析 ・教室のディスコース研究 同上同上
12
授業の評価(2)言 語と社会 ・教室の出来事の意味と価値 ・教室の言語と学力 ・教室のエスノメソドロジー同上同上
13
カリキュラムと単 元の構成 ・学びの経験としてのカリキュラム ・単元の多様な様式 ・教科学習と総合学習 ・カリキュラムの開発と批評 同上同上
14
専門家としての教 師 ・専門家としての教師 ・技術的熟達者から反省的実践家へ ・教師文化の研究 ・学校における同僚性の構築 同上同上
15
改革の展望 ・21世紀の学校像 ・学びの共同体の構想と実践 ・学校改革の展望 同上同上