1967年発表

細胞共生説

リン・マーギュリス

マーギュリス>そうほとんどの生物学者は、パンダとか、ドラゴンの動物学研究ばかりしてるわ。特にチンパンジーやイルカを研究している生物学者は社会学の方に興味があるみたい。でも生物を研究するのはなにも私達を知るためじゃない。そこで私は細胞の研究に焦点をあてたわけ。

ソフィー>細胞は確かに生物に共通のパーツだけど、私達を知るには遠回りって思えるわ。

マーギュリス>でも、原核細胞から真核細胞があらわれたのはわずか6億年前。進化の時間との比率で考えれば原核細胞の歴史がざっと5分の4は彼らの進化の歴史なのだから、こっちが生物学のメインになってもいいはずなの。

ソフィー>なるほどね!とても興味あるわ是非教えて!

マーギュリス>そうこなくちゃ。私の説では、この進化は3種の原核細胞が共生することによって誕生したのよ。

つまりDNAを内包する核、酸素の使い方を調整するミトコンドリア、機動性と情報を伝えるべん毛スピロヘーターが共生することにより最初の真核細胞が誕生したのよ。

ミトコンドリアにも独自のDNAがあるのは広く知られているけど、最近の研究ではスピロヘータにも独自のDNAがあることがわかったわ。

ソフィー>ますます証拠は強力になったのね。

マーギュリス>この説は同時に、進化のプロセスには共生という非連続な進化があることを説明するものよ。進化は枝分かれするばかりじゃないって言えるわね。

ソフィー>それは明らかにダーウィニズムを否定することになるわ。

マーギュリス>いいえ、私が行っているのは他の進化論が間違っているとはいってないの、もう一項目付け加えなければならないって言ってるのよ。

ソフィー>つまりこの説を細胞以上に複雑化した生物の進化に適用するのは無意味だと?でもミトコンドリアと葉緑体の関係やシロアリとセルロース分解菌、人間と大腸菌の関係は共生といえるわよね。

マーギュリス>簡単に答えるならYESですね。

ソフィー>でも共生っていい言葉だわ。お互い譲り合っていいところを活かして生きていくっていう意味でしょ?今の社会に必要な概念だわ。

マーギュリス>ちょっとまって、私のいう共生は共食いの結果の消化不良にすぎない可能性もあるの。

ソフィー>社会的に適用するのは誤りだと?

マーギュリス>社会学への適用を拒否するわけではないわ。それこそ社会学と共生することはできるわ。「知の共生」ね。

でも社会学への適用を考える前に共生の種類を知っておいてほしいわ。

時間的に分ける方法と受益者で分ける方法があるわ。

ソフィー>時間的っているのは?

マーギュリス>永続的関係を結ぶ物と一時的、循環的に関係を結ぶものがいるわ。

永続的関係にはミトコンドリアと葉緑体の関係があるわね。循環的関係には発光魚と光る細菌の関係一番わかりやすいわ。光る菌は魚が死んでしまうとその体から抜け出てしまい自分を飲み込んでくれる別の魚をさがすわ。

ソフィー>受益者で分けるっていのは?

マーギュリス>相利共生、片利共生、そして敵対共生

相利共生はお互いメリットある関係、片利共生は片方だけメリットを享受でるけど相手にとって無害な関係、敵対共生は片方だけメリット享受して相手にとって有害な関係、これは普通は寄生っていうけどね。

ソフィー>なるほどね、社会学に適用するなら。相利共生のスタイルが一番いいてわけね。例を教えてくれる?

マーギュリス>OK!地衣類が一番いい例よ。でもWEBを用意してあるから次のページを見てみて。

共生

 

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