オビ=ワン: 疲れているようだな。
アナキン: よく眠れないんです。
オビ=ワン: 母親のことか?
アナキン: なぜ母の夢ばかり見るのか分からないんです。
オビ=ワン: 時間が経てば見なくなるさ。
アナキン: それよりもパドメの夢を見たいですよ。再会できただけで心が惑わされます。
オビ=ワン: その感情には気をつけろ、アナキン。痛い目にあうぞ。おまえはジェダイ・オーダーと誓いを交わしているんだ。誓いは簡単に破ることはできん。それと忘れるな、彼女は政治家だ。政治家は信用できん。
アナキン: 彼女は他の議員たちとは違いますよ、マスター。
オビ=ワン: 私の経験では、議員たちの関心は政治献金を行ってくれる連中のご機嫌を取ることだけだ。彼らは民主主義の利点を忘れることにもまったく関心を払っていない。
アナキン: 講義はたくさんです。少なくとも政治経済学についてはね。
アナキン: それに、あなたの言っていることは一般論です。議長は腐敗していませんよ。
オビ=ワン: パルパティーンも政治家だ。私の見た限り、彼は議員の情熱や偏見を追従することに長けているだけだよ。
アナキン: あの人は善良な方で・・・
オビ=ワン: 私も感じた。
パドメに心を奪われたアナキンに、オビ=ワンが個人的な恋愛感情を禁じたジェダイ・オーダーの掟を説いていたとき、寝静まったパドメの部屋にザムが送り込んだ暗殺ドロイドが到達した。ドロイドは部屋の中にクーハンを解き放つが、そのわずかなフォースの変化を感じ取った2人のジェダイが乱入する。間一髪のところでアナキンのライトセイバーがクーハンを焼き切り、オビ=ワンはドロイドを追跡する。アナキンも宿舎を飛び出して駐車してあったスピーダーを拝借すると、師匠の後を追うのだった。追跡者を察知したザムは全速力で逃走し、コルサントの深夜の摩天楼で壮絶なスピーダー・チェイスが繰り広げられる。
オビ=ワン: 才能に見合った時間をセイバー・テクニックの練習に注ぎ込めば、マスター・ヨーダに匹敵する剣士になれるものを。
アナキン: もうなってますよ。
オビ=ワン: それは妄想だ、未熟な弟子が。
アナキンは無謀な運転と衝動的な行動でオビ=ワンを困らせながらも、彼女を地上のナイトクラブに追い詰めた。
オビ=ワン: アナキン。
アナキン: 彼女はクラブに入りましたよ、マスター。
オビ=ワン: 落ち着け。フォースを使うんだ。頭を使え。
アナキン: すいません、マスター。
オビ=ワン: やつは逃げるためじゃなく、隠れるために入ったんだ。
アナキン: はい、マスター。
オビ=ワン: 次はなくさないようにしろよ。
アナキン: はい、マスター。
オビ=ワン: この武器はおまえの命だ。
アナキン: がんばります、マスター。
オビ=ワン: いつかおまえに殺される気がしてならないよ。
アナキン: なんてことを言うんですか、マスター。僕にとって父親同然の人なんですよ。
オビ=ワン: ではなぜ私の言うことを聞かないんだ?
アナキン: 努力します。
2人は慎重に店の中へと入り、オビ=ワンがライトセイバーの一撃でザムの腕を切り落とす。ジェダイは彼女に黒幕の正体を尋問するが、遠方からジャンゴの放った毒入りダーツによって、ザムは息絶えたのだった。
オビ=ワンとアナキンがジェダイ評議会に報告を済ませると、ヨーダとメイス・ウィンドゥはオビ=ワンに賞金稼ぎの捜索を、アナキンにはアミダラの護衛として彼女をナブーへ送り届ける任務を与える。アナキンにとってはこれは初の単独任務であり、パドメと2人きりになれる好機でもあった。彼はさっそくパルパティーンの官邸へと足を運び、投票を回避してナブーに戻るようパドメを説得してほしいと依頼する。彼はこの10年間、常に自分を気に掛けてくれたパルパティーンに深い尊敬の念を抱いていたのである。
パルパティーン:
彼女には私から話しておこう。アミダラ議員も議長命令には逆らわないだろう。私も彼女のことはよく知っているからな。
アナキン: ありがとうございます、閣下。
パルパティーン:
それはそうと、君もついに単独任務を授かったか。辛抱が実ったな。
アナキン: それよりも議長の指導の賜物です。
パルパティーン:
君に指導など必要ないよ、アナキン。やがては君も自分の感覚を信用することを学ぶだろう。そうなれば無敵だ。何度も言ったが、君ほど資質あふれるジェダイにはお目にかかったことがないよ。
アナキン: ありがとうございます、閣下。
パルパティーン:
いずれもっとも偉大なジェダイになるだろう、アナキン。マスター・ヨーダですらかなわぬジェダイにね。
一方、オビ=ワンは秀でた才能から傲慢になっている弟子に不安を隠せなかった。だが、メイスはアナキンこそが予言にある「選ばれし者」であるとし、オビ=ワンに自分の弟子を信頼するよう進めるのだった。
オビ=ワン: パダワンのことが心配です。単独で今回の任務を与えるにはまだ早いのではないかと。
ヨーダ:
評議会が自信を持って決めたことじゃぞ、オビ=ワン。
メイス:
あの少年には並外れた才能がある。
オビ=ワン: しかし、まだ学ぶべきことが多くあります、マスター。彼は能力のあまり、その、傲慢になっています。
ヨーダ:
うむ。多くのジェダイに共通の欠点じゃな。ふむ・・・皆、自信過剰になっておるわ。より多くの経験を積んだ年長者もな。
メイス:
それにオビ=ワン、もし予言が正しければ、おまえの弟子はフォースに均衡を取り戻せる唯一の存在なのだ。