アナキン:初恋は何歳の時?パドメ: 知らないわ。
アナキン: 言ったじゃないか。僕に話したくないだけなんだ。
パドメ: 私にジェダイのマインド・トリックでも使ってみたら?
アナキン: それは心の弱い人間にしか効果がないんだ。
パドメ: わかったわ。12歳のときよ。彼の名前はパロ。立法機関の青少年プログラムで一緒だったの。私より少しだけ年上だったわ。とてもかっこよかった。黒い巻毛で、澄んだ目をしてたの。
アナキン: うん、だいたいのことは分かってるよ。彼はどうなったんだい?
パドメ: 私は公共の仕事に就いたけど、彼は芸術家を目指したわ。
アナキン: たぶん彼は賢い男なんだな。
パドメ: あなた本当は政治家が嫌いなんでしょう?
アナキン: 2、3人は好きなのもいるけど、その中の1人については本当のところは分からないな。システムがうまく機能していないんだと思う。
パドメ: どうしたらうまくいくの?
アナキン: 政治家が席について、問題を議論して、すべての人々にとって最善の内容で合意して、そしてそれを実行するシステムが必要だ。
パドメ: 私たちがしていることはそのとおりよ。問題なのは、みんながいつも合意できるわけじゃないということなのよ。
アナキン: だから合意させるべきなんだ。
パドメ: 誰が?誰が合意させるの?
アナキン: 分からないよ。誰でもいい。
パドメ: あなた?
アナキン: 僕じゃないよ。
パドメ: でも誰かがやらなければならないのよ。
アナキン: 頭のいい人間がね。
パドメ: 私にはまるで独裁政治のように聞こえるわ。
アナキン: 機能するなら、それもいい。
パドメ: 私をからかってるのね。
アナキン: とんでもない。議員をからかうなんて恐れ多いよ。
パドメ: アニー、大丈夫?
この頃の二人は、最高に幸せだったのだろう。幸せは味わうべきだ。しかし、過ぎ去った幸せに執着するのは、苦痛をもたらす。「感覚の喜びへの欲望」は苦痛の源泉の一つの顔だ。忘れてはならない、苦痛をもたらすのは、環境ではなく、自身の欲望だと。この理解への無知がのちのアナキンを狂わしていく。
地表のすべてが水に覆われ、絶えず嵐の吹き荒れる惑星カミーノに到着したオビ=ワンは、思いがけない歓迎にたじろいだ。カミーノアンたちはジェダイの訪問を待っており、真っ先にビジネスの話を切り出してきたのである。カミーノの首相ラマ・スーは、既に発注どおり、共和国軍となる20万のクローン兵を完成させており、追加分の100万も完成間近だと説明する。また、首相は発注者としてジェダイ・マスター・サイフォ=ディアスの名を告げるが、彼は10年前に死んだはずの人物だった。オビ=ワンは内心驚きながらも、密かに用意されていたクローン軍を視察し、このとき彼らの遺伝子提供者が賞金稼ぎのジャンゴ・フェットであることを知らされる。オビ=ワンはさっそくジャンゴに面会を求めるのだった。
早すぎるジェダイの訪問に驚いたジャンゴは、オビ=ワンの質問をうまくはぐらかしつつ、雇い主はティラナスという男だと説明する。面会はすぐに終わり、ジャンゴは遺伝子提供の報酬として得た自分の完全なクローン、ボバ・フェットと共にカミーノからの逃走を準備するのだった。一方、オビ=ワンはさっそくこの驚愕の事実をコルサントのマスターに報告し、ジャンゴを評議会で尋問するため捕らえるよう命じられる。予言には、フォースに均衡がもたらされるとき、ダークサイドが増大すると記されていた。クローン軍の存在を察知できなかったヨーダとメイスも、フォースがシスの放った暗雲に覆われているという事実を認めざるを得ないのだった。
アナキン: で、僕がそこに着いたら過激な交渉になったんだよ。
パドメ: 「過激な交渉」?何それ?
アナキン: つまり、ライトセイバーを使った交渉さ。
アナキン: こんなところマスター・オビ=ワンが見たら、さぞかし機嫌悪くなるだろうな。
アナキン: 何年も前に初めて会って以来、君のことを考えなかった日は1日としてなかった。そしていま、また君と一緒にいる。心が苦しいよ。近づけば近づくほど苦痛が大きくなる。離れ離れになることを考えると・・・呼吸ができなくなる。あの決して許されなかったキスに悩まされ続けているんだ。あのキスが心の傷になってほしくないと心臓が脈打ってる。君はまさに魂の中で僕を悩ませているんだ。僕はどうなんだい?君の頼みなら何でもするよ。
アナキン: もし君も僕と同じように苦しんでいるのなら、どうか教えてくれ。
パドメ: 無理よ。無理なのよ。それは・・・不可能だわ。
アナキン: 何でもできるよ、パドメ。聞いてくれ。
パドメ: いえ、あなたこそ聞いて。私たちは現実の世界に暮らしているのよ。それを忘れないで。あなたはジェダイになるための修行中。私は・・・私は議員なの。最後まであなたの考えるとおりに行動したら、私たちはお互いの気持ちに関係なく引き裂かれてしまうわ。
アナキン: じゃあ、君にも思うところがあるんだね。
パドメ: 私は自分のせいであなたに未来を捨ててほしくないの。
アナキン: 理性的になれというのか。それが無理なことは分かってるよ。信じてくれ。僕は感情を切り離したいと思っているだけなんだ。でもそれができないんだよ。
パドメ: 私は感情には屈しないわ。
アナキン: ならばそうならない方法がある。秘密にすればいいんだ。
パドメ: 嘘をつきながら生きるなんて・・・私たちが望んでも隠し通すことはできないわ。あなたはできるの、アナキン?そんな生き方ができるの?
アナキン: いや、君の言うとおりだ。破滅するだろう。
ロマンティックな愛は、執着し、のぼせあがる愛。無限の愛は、人やものに関係なく愛すること。
ロマンティックな愛がいけないというのではなく、ただよく観察すると、苦しみを産むということをしっているべきです。
恋人が側にいないと苦しみ、側にいてもいつか別れがくるのではと苦しみます。
ナブーでのある朝、アナキンは夢にうなされ目を覚ます。タトゥイーンに残してきた母シミが苦しんでいる姿を予見したのだった。
アナキン: 行かないで。
パドメ: 邪魔したくなかったから。
アナキン: 君がいると落ち着くんだ。
パドメ: 昨夜は悪夢を見ていたのね。
アナキン: ジェダイは悪夢はみない。 母さんを見たんだ。苦しんでいたんだよ、パドメ。いま君を見ているのと同じくらいはっきりと見えたんだ。母さんが苦しんでいる。君を守ることが任務なのは分かっているよ、議員。でも僕は行かなければならない。母さんを助けなければならないんだ。
パドメ: 私も行くわ。
アナキン: ごめん。選択の余地がないんだ。
彼は任務でパドメのもとを離れることができないが、パドメは自分も一緒であれば問題はないとし、2人でタトゥイーンへと出発する。
やがてモス・エスパに到着した2人は、ワトーの店を訪れた。老トイダリアンはジェダイとなったアナキンを見て驚くが、既にシミは他人に売られており、ここにはいなかった。アナキンはワトーから得た情報をもとにアンカーヘッドの水分農場を訪ね、母を買い取り再婚したというクリーグ・ラーズ、その息子オーウェン、そしてオーウェンの婚約者ベルー・ホワイトサンと面会する。だが、懐かしいC-3POとの再会を果たしたものの、ここにも既に母の姿は見えなかった。
クリーグ曰く、シミはタスケン・レイダーたちに連れ去られ、1ヶ月間行方不明なのだという。母の身を案じるアナキンはオーウェンのバイクを借り、砂漠の荒野を目指すのだった。