しかも、今回はパドメが死の淵で苦しんでいる光景を予知したのだ。アナキンは再び愛する者を失うかもしれないという不安に恐れを抱くが、彼はジェダイとして、3年前よりはるかに大きな力を手にしていた。
パドメ: どうしたの?
アナキン: 何も。これをあげたときのこと覚えてるよ。
パドメ: いつになったらお互い率直に言いあえるようになるの?
アナキン: 夢を見たんだ。
パドメ: 悪い夢?
アナキン: 母さんが死ぬ直前によく見ていた夢と似ているんだ。
パドメ: それで?
アナキン: 君の夢だった。
パドメ: 教えて。
アナキン: ただの夢だよ。
アナキン: 君は出産で死ぬんだ。
パドメ: 赤ちゃんは?
アナキン: 分からない。
パドメ: ただの夢よ。
アナキン: 実現させるわけにはいかない。
パドメ: この赤ちゃんは私たちの人生を変えることになるのよ。女王は私に元老院の仕事を続けさせないと思うわ。評議会もあなたが父親になったことを知ったら、あなたは追放・・・
アナキン: 分かってる。分かってるよ。
パドメ: オビ=ワンは私たちの力になってくれるかしら?
アナキン: 彼の助けはいらないよ。僕らの子が幸せを呼ぶ。
相手も普通の人間です、愛が破れることもあれば、死別することもあるのです。自分の希望や愛を相手の肩に背負わせてはいけないのです。この真実が見えれば、恐怖はなくなります。愛する人がいなくなっても、愛することをやめるという意味ではありません。これに気がつけば、相手が一緒にいてくれる今をより喜べるようになるでしょう。
ロマンティックな愛とちがって、無限の愛は、苦しみをつくりだしません。期待も制限もありません。しかし、混同するのは、苦しみを産むということです。相手の欠点を無限の愛で許してしまうのは、苦痛を産むだけなのです。
彼は妻に、このビジョンは決して実現させないと強く約束したのである。
ヨーダ:
予兆じゃと?予兆とな。おぬしの見たものは・・・
アナキン: 苦悩と苦痛。死です。
ヨーダ:
おぬし自身のことを言っておるのか、それとも他の誰かか?
アナキン: 他の誰かです。
ヨーダ:
親しい者か?
アナキン: はい。
ヨーダ:
注意せねばならんぞ、未来を感じるときはな、アナキン。喪失への恐れはダークサイドへ至る道じゃ。
アナキン: この予見を実現させるわけにはいかないんです、マスター・ヨーダ。
ヨーダ:
死は人生の定めじゃ。隣人たちがフォースと一体となることを喜ばねばならん。悲しんではならんのじゃ。寂しがってはならん。執着は嫉妬へと通じる。欲望の影じゃ、それはな。
アナキン: 僕はどうしたらいいんです、マスター・ヨーダ?
ヨーダ:
己を鍛えるのじゃ・・・失いたくないものすべてを送り出すためにな。
だが、共和国の上層部ではさらにアナキンの心を掻き乱す出来事が表面化していた。謎のシス卿ダース・シディアスを追跡していたジェダイ評議会が、ますます大きな権限を手に入れたパルパティーンの周辺にダークサイドの気配を感じており、議長も自分に疑いの目を向ける評議会に不信感を抱いていたのだ。
パルパティーン:
私を信用してくれるかな、アナキン。
アナキン: もちろんです。
パルパティーン:
君の助けが必要なんだ。
アナキン: というと?
パルパティーン:
君が頼りなのだよ。
アナキン: どういうことですか?分かりませんよ。
パルパティーン:
共和国の目となり、耳となり、声となってほしいのだ。アナキン、私は君をジェダイ評議会における個人的な代理人として指名させてもらった。
アナキン: 僕を?マスターにですか?光栄です。でも、メンバーは評議会が決めることです。受け入れられませんよ。
パルパティーン:
受け入れてくれるさ。彼らは君を必要としているのだよ。君が思う以上にね。
ヨーダ:
この指名を軽々しく認めるわけにはいかん、評議会としてはな。秩序を乱すもとじゃ、パルパティーン議長の行為はな。
アナキン: 分かります。
メイス:
評議会への列席は認めるが・・・マスターの地位を与えることはできない。
アナキン: 何ですって?
アナキン: どういうことですか?ひどい侮辱だ。不公平です。評議員なのにマスターじゃないなんてありえますか?
メイス:
席に着け、若きスカイウォーカー。
アナキン: 申し訳ありません、マスター。
#P104「なりたい欲望」は苦痛の源泉の一つの顔です。それに執着したとたん、今という時は失われ、苦痛の時間だけが過ぎ去ります。そうした欲望がでてきた時は、無理やり追い払ったり、分析しなくてもいいのです。ただじっと注意深く観察し、過ぎ去るのを見ていればいいだけです。 自分の人間性に触れるために。自分を変えるのはない。自分は自分以外にはなれないのです。批判的な心の奴隷になる必要はありません。