Jedi Temple -- Corridor

アナキン: こんな馬鹿な話がありますか?評議会のメンバーにしておいてマスターにはしない?ジェダイの歴史に前例がありません。侮辱だ。
オビ=ワン: 落ち着け、アナキン。大変な名誉だぞ。その歳で評議員なんて。それこそ前例がない。実のところ、おまえは議長と親密すぎるんだ。彼がジェダイの問題に干渉しているだけに、評議会はそれを好ましいと思っていないんだ。
アナキン: 言っておきますが、僕は評議員にしてくれと頼んだ覚えはありません。
オビ=ワン: だが望んでいたことだろう。おまえとパルパティーン議長との親密な関係が役立つと思われているんだ。
アナキン: それとは何の関係もありませんよ。
オビ=ワン: 評議会がおまえへの指名を認めた唯一の理由は・・・議長がおまえを信頼していることにあるんだ。
アナキン: それで?
オビ=ワン: アナキン、私はおまえの味方だ。こんな状況におきたくなかった。
アナキン: どんな状況ですか?
オビ=ワン: 評議会はおまえに議長の行動に関するすべての報告を求めている。彼が何をたくらんでいるかを知りたいんだ。
アナキン: 議長をスパイしろというんですか?それは反逆行為ですよ。
オビ=ワン: 今は戦時中だぞ、アナキン。
アナキン: なぜ会議のときに評議会は僕にその任務を与えなかったんですか?
オビ=ワン: これは記録に残せない任務なんだよ。
アナキン: 議長は悪い人じゃありませんよ、オビ=ワン。親切にしてくれました。僕がここに来たときからずっと面倒を見てくれていたんです。
オビ=ワン: だから助けになってほしいんだ。アナキン、我々の忠誠は元老院に対するものであって、そのリーダーに対するものではないんだ。彼は任期を終えても官邸に留まろうとしている。
アナキン: 元老院が任期の延長を求めたんですよ。
オビ=ワン: ああ、だが直感を働かせるんだ、アナキン。何かがおかしい。
アナキン: あなたはジェダイ規範に反することを求めていますよ。共和国に反することをね。師であり友人でもある人への裏切りです。それこそおかしいでしょう。なぜ僕にそんなことを求めるんですか?
オビ=ワン: 評議会が求めているのだよ。

 

議長はアナキンを自らの私的代理人として評議会に送り込み、一方で評議会もアナキンに議長を内偵するという極秘任務を与えることになる。

Republic Gunship

オビ=ワン: アナキンは新しい任務に消極的です。
メイス: 彼らを一緒にしておくのは非常に危険だ。あの少年に対処できるとは思えん。信用できない。
オビ=ワン: 失礼ですが、マスター、彼は選ばれし者ですよ?シスを滅ぼし、フォースに均衡をもたらす者です。
メイス: 予言では確かにそうだ。
ヨーダ: 予言の読み違いということもありえる。
オビ=ワン: 彼は私の期待を裏切りません。決してね。
ヨーダ: おぬしが正しければよいがの。

ジェダイと議長の両者に忠誠を誓う彼は、パドメの命に関する心配も重なり、ますます不安定な状態へと追い詰められていったのである。

Coruscant -- Padme's Apartment

アナキン: ときどきジェダイ・オーダーはどうなっているんだと思うことがある。この戦争が共和国の理念を破壊しているみたいだ。
パドメ: 私たちが間違った側についていると思ったことはある?
アナキン: どういう意味だい?
パドメ: 私たちが仕えている民主主義が既に存在していなかったら・・・共和国が邪悪な存在になっていて、私たちはそれを滅ぼすために戦っているのだとしたら、どうする?
アナキン: 考えたくもないな。君のは分離主義者のような言い方だよ。
パドメ: この戦争は耳を傾けようとしなかった代表例だわ。あなたは誰よりも議長と親密よ。お願い、彼に戦いをやめて、外交努力を再開するように頼んでちょうだい。
アナキン: 僕にそんなことを求めないでくれ。元老院で動議すればいいだろ。それが筋だ。
パドメ: どうしたの?
アナキン: 何でもないよ。
パドメ: そんな言い方はやめて。私を締め出さないで。助けになりたいの。抱いて。ナブーの湖でしたように。あれからずいぶん経つわ。愛以外には何もなかった。政治も、陰謀も、戦争も。

 

そしてある夜、アナキンはパルパティーンに呼び出され、ギャラクシーズ・オペラ・シアターへと足を運ぶ。議長曰く、グリーヴァスがウータパウに潜伏しているという情報を入手したというのだ。パルパティーンは、グリーヴァス討伐にはアナキンこそが相応しいと主張し、彼に評議会への不信を植えつける。

Coruscant -- Galaxies Opera House

アナキン: 話があるそうで、議長。
パルパティーン: おお、アナキン。こっちへ来なさい。いい知らせがあるぞ。クローンの情報部隊・・・グリーヴァス将軍の居場所を突き止めたんだ。やつはウータパウ星系に隠れている。
アナキン: やっと見つかったか。あの怪物を捕まえられれば戦争も終わりです。
パルパティーン: 評議会の衆知が心配なのだよ。この任務に君が選ばれないなどということがあってはならないからね。君こそが最適な人選だ。うむ。まあ、座りなさい。
パルパティーン: 下がってくれ。
パルパティーン: アナキン、私はジェダイ評議会を信頼できないでいるんだよ。まだ君がのけ者にされていないとしても、それは時間の問題だろう。
アナキン: 意味が分かりませんが。
パルパティーン: 私は疑いを抱きはじめているのだよ。ジェダイ評議会は共和国の支配を望んでいる。彼らは私を裏切るつもりだ。
アナキン: そんなことは・・・
パルパティーン: アナキン。素直になれ。分かっているだろう?
アナキン: 彼らはあなたを信用していません。
パルパティーン: 元老院もだ。共和国も。さらに言えば民主主義もだ。
アナキン: 確かに、僕にとっても彼らへの信頼は揺らいでいます。
パルパティーン: なぜだ?何か悪意を感じる任務でも与えられたのかね?私をスパイしろとでも命じられたのかね?
アナキン: いえ・・・何と言っていいのか分かりません。
パルパティーン: 初期の教えを思い出しなさい。力を手に入れた者はそれを失うことを恐れるようになる。ジェダイも同じだ。
アナキン: ジェダイは力を正しいことに使います。
パルパティーン: 何が正しいかは視点によるのだよ、アナキン。シスとジェダイは多くの点でよく似ている・・・たとえばより大きな力を探求するという点でね。
アナキン: シスは力への情熱に頼っています。彼らは自分たちのことしか考えていません。
パルパティーン: ジェダイは違うのかな?
アナキン: ジェダイは無欲です。他者のことだけを考えている。
パルパティーン: 賢者ダース・プレイガスの悲劇を聞いたことがあるかね?
アナキン: いいえ。
パルパティーン: だろうな。ジェダイが君に話すようなものではないからな。シスの伝説だ。ダース・プレイガスはシスの暗黒卿だった・・・とても強く、とても聡明だった・・・彼はフォースを使ってミディ=クロリアンを操り、生命を作り出すことができたのだ。彼はこのダークサイドの知識を持っていたのだよ。彼は大切だと思う者を死から遠ざけることさえできたのだ。
アナキン: 彼は実際に人々を死から救うことができたのですか?
パルパティーン: フォースのダークサイドは超常的とも思える多くの能力に通じているのだよ。
アナキン: 彼はどうなったんです?
パルパティーン: とても強くなった。恐れるものは力を失うことだけだった。そして当然、やがてはそうなったよ。不幸にして彼は弟子にすべての知識を与えていたのだ。そしてその弟子が彼の寝込みを襲って殺害したのだよ。皮肉なことだ。他者を死から救うことはできても、自分自身を救うことはできなかった。
アナキン: その力を学ぶことはできますか?
パルパティーン: ジェダイからは無理だ。

 

 

事実、アナキンも評議会による自分への処遇には大きな不満を抱いていた。議長は、ジェダイが共和国と民主主義への忠誠を失っていると説き、シスとジェダイには本質的な違いなど存在しないのだと語る。そして、彼はアナキンに「賢者ダース・プレイガスの悲劇」を聞かせるのだった。偉大なシス卿だったプレイガスは、ダークサイドの秘術で愛する者たちを死の運命から救ったが、皮肉にも弟子に自分の命を奪われたのだという。パドメを死から救いたいアナキンはこの話に真剣に耳を傾けるが、その力はダークサイドのものであり、ジェダイの知識からは手に入れることができないのだ。

 

惑星キャッシークでは、ヨーダ率いるクローン軍がウーキーを支援し、独立星系連合のドロイド軍を迎え撃っていた。同時にジェダイ聖堂では、アナキンが評議会の席でウータパウにグリーヴァスがいることを報告していた。だが、アナキンとパルパティーンの意に反し、グリーヴァス討伐の任務はオビ=ワンに与えられてしまう。アナキンは不満を押し隠し、かつての師にしばしの別れを告げる。しかし、これは2人にとって親友同士としての最後の会話になるのだった。

多くの悩みを抱えたアナキンは、より大きな力を求める自分がジェダイ規範から徐々に足を踏み外しつつあることを認識していた。パドメもそんな夫を優しく気遣うが、彼にとって最も大きな不安の対象は彼女自身だったのである。

Coruscant -- Landing Port

アナキン: 今度の任務ではきっと僕が必要になりますよ、マスター。
オビ=ワン: そうかもしれんな。だが、野生のバンサを追うようなことにもなりかねん。
アナキン: マスター。僕はあなたを失望させてばかりでした。教えをうまく理解できず、傲慢になっていました。申し訳ありません。評議会に不満を抱いていただけなんです。
オビ=ワン: おまえは強くて賢いよ、アナキン。おまえは私の誇りだ。小さな少年だったころから訓練してきたな。私の知るすべてを授けたよ。おまえは私が望めるよりはるかに偉大なジェダイになってくれた。だが辛抱だ、アナキン。そう遠くない日に、評議会もおまえをジェダイ・マスターとして認めてくれるだろう。
アナキン: オビ=ワン。フォースが共にあらんことを。
オビ=ワン: さらばだ、古き友よ。フォースが共にあらんことを。

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