ルークはオーウェンからさっそくドロイドたちの整備を命じられ、偶然にもR2が内部に記録していたレイアのホロ・メッセージの一部を発見する。
彼女はオビ=ワン・ケノービという人物に助けを求めており、R2も自分の本当の主人はオビ=ワンだと言うのだ。ルークはオビ=ワンという人物に心当たりはないが、砂漠の端に住む変わり者の隠者、ベン・ケノービとは面識があった。メッセージの続きを見ようとする彼は、R2の指示通りに行動規制ボルトを外すが、ドロイドは続きを再生しようとしない。彼は苛立ちながらも食事に向かい、叔父にオビ=ワンとベンとの関係を問いただすのだった。だが、オーウェンはベンを不快に思っており、オビ=ワンはルークの父親と同じころに死んだと語るだけだった。また、ルークはドロイドの労働力が増したことで、かねてからの夢だった帝国アカデミーへの進学許可を求めるが、それも無下に断られてしまう。友人たちは次々とこのつまらない惑星から出て行ってしまい、取り残された彼にとって、今の人生は切ない試練でしかなかったのである。
ルーク: あの新しいドロイドたちはよく働いてくれると思うよ。だから、約束したことについて考えてたんだ・・・もう1シーズンここにいたらって話のことなんだけど。あの新しいドロイドたちが働くようになったら、今年からアカデミーに通いたいんだ。
Owen:
収穫前の来学期にということか?
ルーク: うん。ドロイドが十分補ってくれるよ。
Owen:
収穫はおまえの力が一番必要になる時期だ。もう1シーズンだけだ。今年は人手を雇って十分な収穫ができる。そうなれば来年にはアカデミーに行かせてやる。今はまだ必要なんだ。分かってくれ、ルーク。
ルーク: でもさらに丸1年あるよ。
Owen:
たったのもう1シーズンじゃないか。
ルーク: ビッグズとタンクが出て行ったときも同じことを言ったよ。
Beru:
どこへ行くの?
ルーク: どこにも行くところなんてないじゃないか。ドロイドたちの掃除を仕上げてくるんだよ。
Beru:
オーウェン、いつまでもここに引き止めておくことはできないわ。友達もほとんど出て行ってしまったし。あの子にはそれが大きいのよ。
Owen:
来年には行かせてやる。約束するよ。
Beru:
ルークは農民じゃないのよ、オーウェン。父親の血が多く流れているんだわ。
Owen:
それが心配の種なんだ。
この惑星をでることができないあせりから、ポンっと足元の小石を蹴った。
ルークが住む荒涼とした惑星は、彼が熱望してやまない刺激をもたらせてはくれず、その為の絶望と苦しみだった。ルーク苦しみは、単純だった。この惑星に閉じ込められていること、そこを離れたいという願望があること、そして、その願望への執着だった。そのうちどれか一つでもなくなれば、解放されるというものの・・・
どこかに行きたいというにが、正しいか間違っているかというのは、重要ではない。執着しているということこそが、苦しみの元だった。
#P102これが、苦痛の源泉「欲望」の1つの顔「そうでなかったら欲望」です。ルークは冒険とロマンをもとめて惑星を旅したちを想っています、となりの芝生が青く見えたから、苦痛が発生したのです。
ルークがドロイドたちのもとへ戻ると、R2が姿を消していた。彼は規制ボルトがなくなったため脱走し、オビ=ワンへの任務を果たしに向かったのである。凶暴なサンド・ピープルが徘徊する夜は危険であるため、ルークは翌朝の捜索を決めるのだった。そして翌朝、ルークが3POを連れて砂漠を捜索していたころ、帝国軍の分遣隊も脱出ポッドにドロイドが乗っていたことを突き止め、捜索を開始していた。やがてルークはジャンドランドの荒地でR2を発見するが、サンド・ピープルの襲撃を受け、気を失ってしまう。
ベン登場
彼を助けたのは老ベン・ケノービだった。
#P72「形」は人間の集合の1つです。人は水や骨、髪などいろいろなものの集合です。そしてどの集合も無常で変化し、永遠とはいえません。また独立しているともいえません、なぜなら生きていく上でさまざまな影響を受けているからです。
幼いアナキンがヴェイダーとなり、オビ=ワンは、老境に入り、生きているということは、一瞬一瞬、周囲の環境にさらされているということです。日々の食事がなくても形を失い、祖先の存在なくして、私という形はなく延長なのです。
彼は自分こそがオビ=ワン本人であると語り、ルークたちを家へと連れて行く。そこで、ベンは自分とルークの父親が共に旧共和国のジェダイ・ナイトであったこと、そして自分の弟子だったダース・ヴェイダーが帝国に寝返り、ルークの父を殺害したのだということを告げ、この青年に父の形見のライトセイバーを手渡すのだった。
ライトセイバーを手渡す。
そして、R2がベンにレイアからのメッセージを再生する。その内容は、R2に記憶されているデス・スターの設計図を養父ベイル・オーガナの待つオルデランへ届けてほしいというものだった。ベンは高齢を理由にルークの同行を求めるが、彼には断るしかなかった。オーウェンがそれを許すはずがないのだ。
ルーク: 父さんは戦争で戦ってはいないよ。スパイス輸送船の航法士だったんだ。
ベン: それは叔父さんが言ったことだよ。彼は君のお父さんの考えを認めていなかったんだ。君がここにいるべきだと考えて、影響されないようにしたんだよ。
ルーク: あなたはクローン大戦を戦ったの?
ベン: そうだよ。私はジェダイ・ナイトだった。君のお父さんと同じだ。
ルーク: 知らなかった。
ベン: 彼は銀河一優秀な宇宙パイロットで狡猾な戦士だったよ。君もすばらしいパイロットになったもんだ。
ベン: それに、彼は親友だった。
ベン: 思い出した・・・君に渡したいものがあるんだ。お父さんが君が大人になったときにこいつを持たせたいと言っていたんだよ。だが叔父さんが反対してね。彼は君が老オビ=ワンにそそのかされて、お父さんのように馬鹿げた理想主義の戦いに身を投じることを恐れていたんだ。
3PO:
ご主人様、ご用命がなければしばらく休ませていただきます。
ルーク: わかったよ。
ルーク: それは何?
ベン: お父さんのライトセイバーだ。ジェダイ・ナイトの武器だよ。ブラスターのように無骨で乱雑なものじゃない。より文化的だった時代の・・・上品な武器だ。
ベン: 一千世代以上にわたって・・・ジェダイ・ナイトは旧共和国の平和と正義の守護者だった。暗黒の時代が訪れる前・・・帝国の前の時代のことだ。
ルーク: 父さんはなぜ死んだの?
ベン: ダース・ヴェイダーという若いジェダイがいた。私の弟子だったが悪に寝返ったのだ。彼は帝国に加担してジェダイを追い詰め、滅ぼした。君のお父さんも彼に裏切られ、殺されたんだよ。いまやジェダイは絶滅したも同然だ。ヴェイダーはフォースのダークサイドに誘惑されたのだ。
フォース:
ルーク: フォースって?
ベン: フォースはジェダイの力の源だよ。あらゆる生物によって作り出されるエネルギー・フィールドだ。我々を取り囲み、貫いている。銀河を1つに束ねているんだ。
ベン: さて、君の話を聞くとするか、おチビちゃん。いったいどうしたのかな?
ルーク: メッセージの一部を見たんだ・・・
ベン: 出てきたようだ。
メッセージ:
レイア: ケノービ将軍、何年も前にあなたはクローン大戦で父を救ってくださいました。いま父は帝国に対する苦闘の中であなたの助けを求めています。残念ながら直接父の要求をお届けることはできません。船が攻撃によって破壊され、あなたをオルデランへお連れする任務が遂行できなくなってしまったのです。反乱の存亡の掛かった重要な情報がこのR2ユニットの記憶システムに入っています。父が取り出す方法を知っているでしょう。どうかこのドロイドを無事オルデランの父のもとへ届けてください。これは一刻を争うことなのです。助けてください、オビ=ワン・ケノービ。あなただけが頼りです。
ベン: 私と一緒にオルデランへ行くつもりならフォースの道を学ばんとな。
ルーク: オルデランへ?オルデランには行けないよ。家に帰らなくちゃ。このままだと大変なことになる。
ベン: 君の助けが必要なんだ、ルーク。彼女も君の助けを求めている。私のような年寄りには荷が重い。
ルーク: 僕には無理だよ。仕事があるんだ。帝国は気にいらないよ。憎いさ。でもいま僕にできることなんて何もないよ。だいたいここから遠すぎる。
ベン: 叔父さんと同じだな。
ルーク: そんな。叔父さんとは違うよ。どう説明したらいいのかな?
ベン: フォースを学ぶんだ、ルーク。
ルーク: アンカーヘッドの近くまでは送るよ。そこでモス・アイズリーかどこかへ行く便が見つかるよ。
ベン: そうだな、正しいと感じることをするんだ。
一方、デス・スター内部では帝国軍上層部が会合を開いていた。この要塞兵器の最高司令官グランド・モフ・ターキンは、パルパティーン皇帝が帝国元老院の永久解散を宣言したことを報告する。反乱軍の力を侮るまいとするタッグ将軍と、デス・スターの威力に絶対的な自信を示すモッティ提督とで意見が割れるなか、ターキンはヴェイダーが設計図を取り戻し、反乱軍基地の所在を必ずや見つけてくれるだろうと確信していた。そのときこそ、デス・スターは一撃で反乱軍を壊滅させ、帝国の体制を磐石のものとすることができるのだ。ヴェイダーは反乱軍の秘密基地の場所を突き止めるべく、捕虜となったレイアへの尋問を開始するのだった。
ベンをアンカーヘッドの街へ送る途中、ルークは焼け爛れたサンドクローラーと無数のジャワの焼死体を発見する。タスケン・レイダーの仕業に見せかけられてはいたが、これが帝国軍のストームトルーパーによるものなのは明らかだった。惨殺されたジャワたちはルークに2体のドロイドを売った者たちであり、彼は自分の家にも危険が迫っていることを直感する。ルークはベンの制止を振り切り、全速力で我が家へと戻るが、そこで待っていたのは無残な姿に変わり果てた叔父夫妻だった。
故郷に留まる目的を失ったルークは、ベンと共にオルデランへ行き、父の後を継ぐべくフォースの道を学ぶことを誓うのだった。