エピソード III / シスの復讐 Episode III: Revenge of the Sith


この激動の最中、残忍なドロイドの指揮官グリーヴァス将軍は共和国の首都を急襲し、銀河元老院の指導者パルパティーン議長の誘拐に成功する。
分離主義勢力のドロイド軍が価値ある人質を連れて包囲された首都から逃れようとしていたとき、2人のジェダイ・ナイトは捕らわれの議長を救出すべく、危険な任務を指揮していた・・・

 

コルサント星系に、アウター・リム包囲作戦から急遽呼び戻されたオビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーのジェダイ・スターファイターが到着した。首都の上空では、パルパティーン議長を連れて逃走しようとする分離主義勢力の艦隊と、それを阻止しようとする共和国軍の艦隊が入り乱れ、壮絶な戦いを展開している。この大乱戦のなか、2人のジェダイ・ナイトは議長が捕らえられているグリーヴァス将軍の旗艦<インヴィジブル・ハンド>へと急いだ。途中、オビ=ワンがバズ=ドロイドの攻撃を受けるが、アナキンは自殺行為ともとれる無謀さで、愛するマスターを救助する。

オビ=ワン: 何も見えない。コクピットが曇った。
アナキン: 右へお願いします。
オビ=ワン: やめろ、アナキン。2人とも死んでしまうぞ。
オビ=ワン: ここから離れろ。他にやるべきことがあるはずだ。
アナキン: あなたをおいては行けませんよ、マスター。

 

やがて彼らは<インヴィジブル・ハンド>のドッキング・ベイへと到達し、バトル・ドロイドをなぎ倒しつつ、議長の収監された展望タワーへと向かうのだった。だが、すべてはドゥークー伯爵とグリーヴァス、そしてこの2人を陰で操るダース・シディアスの計画通りだったのだ。

手枷を掛けられたパルパティーンの前にアナキンとオビ=ワンが到着する。

しかし、そこにはドゥークー伯爵も待ち構えていた。ジェダイたちは再び、今度こそ2人がかりでシス卿と光刃を交えることになる。ドゥークーはオビ=ワンをあっさりと気絶させるが、アナキンは3年前の対決からはるかに力を上げていた。シス卿はアナキンの怒りを誘うものの、最後は一方的に押され、両腕を失ってしまう。このとき、若きジェダイはとどめを刺すことを躊躇うが、パルパティーンは彼を殺せと命じるのだった。アナキンは苦悩するが、一瞬の怒りに心を乱し、無抵抗な伯爵の首を切断する。

パルパティーン: よくやった、アナキン。よくやった。その男を殺せ。
パルパティーン: 殺すんだ。
アナキン: できない。
パルパティーン: やれ。
パルパティーン: でかしたぞ、アナキン。彼は生かしておくには危険すぎたんだ。
アナキン: はい、でも、無防備の囚人でした。こんなことをすべきじゃなかった。ジェダイの道に反します。
パルパティーン: 自然なことだよ。彼は君の腕を切ったんだ。そして君は復讐したかった。これがはじめてではなかろう、アナキン。母親とサンド・ピープルの話をしてくれたじゃないか。さあ、保安ドロイドが来る前にここから出るんだ。

 

そして、彼らはオビ=ワンを連れ、脱出へと急ぐのだった。

パルパティーン: アナキン、時間が無いぞ。手遅れになる前にこの船から脱出するんだ。
アナキン: 無事なようです。
パルパティーン: 置いていけ。間に合わなくなるぞ。
アナキン: 僕らの運命は共にあります。

 

その間も、船の外では戦艦同士の激しい砲撃戦が繰り広げられており、<インヴィジブル・ハンド>は大きな損傷を被っていた。そして、3人は逃走途中にレイ・シールドに捕らえられ、ドッキング・ベイに残っていたR2-D2と共に、艦橋のグリーヴァス将軍の前へと連行されてしまう。グリーヴァスはジェダイのライトセイバーを取り上げるが、ジェダイはR2の機転によって武器を取り戻し、艦橋で将軍とそのボディガード・ドロイドたちとの乱闘が開始された。だが、グリーヴァスは状況の不利を悟ると、卑劣にも艦橋から飛び出し、脱出カプセルで通商連合の戦艦へと逃亡する。重要な人質を奪回された分離主義勢力は、作戦の失敗を受け、共和国首都から一斉に撤退を開始したのだった。一方、船内に残されたアナキンらは、エンジンの大破した<インヴィジブル・ハンド>でコルサントへの不時着を余儀なくされる。しかし、アナキンはまたしても天才的な操縦テクニックを披露し、消防隊の助けを借りて、無事地表へと帰還することに成功したのである。

 

元老院では、忠誠派の議員たちとジェダイ・マスター・メイス・ウィンドゥが、パルパティーン議長とアナキンを出迎えていた。

Galactic Senate -- Landing Platform

アナキン: 来ないんですか、マスター?
オビ=ワン: いや、やめておくよ。政治家は苦手なんだ。評議会に報告しなければならないしな。看板男になるのはおまえが適任だよ。
アナキン: 待ってください。今回の作戦は全部あなたの考えですよ。
オビ=ワン: 忘れないでくれ、アナキン、私をバズ・ドロイドから救ってくれたのはおまえだ。ドゥークー伯爵を倒したのも、議長を救ったのも・・・気を失った私を背負ってくれたのもな。
アナキン: すべてあなたの訓練の賜物ですよ。
オビ=ワン: アナキン、公平に考えよう。今日のヒーローはおまえだ。政治家たちと栄光の一日を味わってこい。
アナキン: わかりました。貸しが1つ増えましたね。命を助けたのはこれで10回目ですよ。
オビ=ワン: 9回だ。ケイト・ニモイディアでの一件は違うぞ。数に入れるな。ブリーフィングで会おう。

 

パルパティーンはグリーヴァスが生きている限り議会は戦争継続を支持するだろうと告げ、メイスも彼の逮捕に全力を尽くすと約束する。このとき、アナキンは物陰で自分を見つめるパドメの存在に気がついた。

パドメ: ああ、アナキン。
アナキン: 会いたかったよ、パドメ。
パドメ: あなたが死んだという噂があったの。
アナキン: 大丈夫だよ。もう二度と会えないような気がしてた。議長が誘拐されなかったら本当にそうなっていたかもしれない。アウター・リム包囲作戦から呼び戻されることはなかったと思う。
パドメ: 待って。ここではダメよ。
アナキン: ここでいいんだよ。偽りの生活はもうこりごりだ。結婚のことがバレたってどうでもいい。
パドメ: アナキン。そんなこと言わないで。
アナキン: 大丈夫かい?震えてるよ。何かあったのかい?
パドメ: すばらしいことがあったのよ。アニー、妊娠したの。
アナキン: それは・・・すばらしいことだ。
パドメ: どうしたらいいの?
アナキン: いまは何も心配することなんかない。いいかい?いまは幸せの瞬間なんだ。人生で一番幸せな瞬間なんだよ。

 

久しぶりに再開した夫婦は互いの愛を確認し合い、パドメは夫に衝撃の事実を告白する。彼女はアナキンの子供を宿していたのだ。

そのころ、分離主義評議会の隠れ家となっていたウータパウでは、シディアス卿がグリーヴァス将軍に、分離派の幹部たちをムスタファーへ移動するよう命じていた。また、シディアスは戦争の終わりに自信を見せており、ドゥークー伯爵に代わる新しい弟子の到来を予見していたのだった。

Coruscant -- Padme's Apartment

 

一方、コルサントにあるパドメのアパートで彼女と共に夜を過ごしていたアナキンは、幸せと安らぎを感じていた。

パドメ: アニー、赤ちゃんが生まれたらナブーの実家で暮らしたいの。レイク・カントリーに行きましょう。そこなら誰にも分からないし・・・安全よ。先に行って子供部屋を用意しておくわ。最適な場所があるの。庭のすぐそばよ。
アナキン: 君は本当に美しい。
パドメ: ただ恋をしているからよ。
アナキン: 違うよ。僕が君を愛しているからさ。
パドメ: 愛で盲目になってるの?
アナキン: そういう意味じゃないんだ。
パドメ: でもたぶん本当のことよ。

しかし、その夜、3年前に母を失ったときと同じ悪夢にうなされていた。

パドメ: (・・アナキン、助けて!)

しかも、今回はパドメが死の淵で苦しんでいる光景を予知したのだ。アナキンは再び愛する者を失うかもしれないという不安に恐れを抱くが、彼はジェダイとして、3年前よりはるかに大きな力を手にしていた。

 
パドメ: どうしたの?
アナキン: 何も。これをあげたときのこと覚えてるよ。
パドメ: いつになったらお互い率直に言いあえるようになるの?
アナキン: 夢を見たんだ。
パドメ: 悪い夢?
アナキン: 母さんが死ぬ直前によく見ていた夢と似ているんだ。
パドメ: それで?
アナキン: 君の夢だった。
パドメ: 教えて。
アナキン: ただの夢だよ。
アナキン: 君は出産で死ぬんだ。
パドメ: 赤ちゃんは?
アナキン: 分からない。
パドメ: ただの夢よ。
アナキン: 実現させるわけにはいかない。
パドメ: この赤ちゃんは私たちの人生を変えることになるのよ。女王は私に元老院の仕事を続けさせないと思うわ。評議会もあなたが父親になったことを知ったら、あなたは追放・・・
アナキン: 分かってる。分かってるよ。
パドメ: オビ=ワンは私たちの力になってくれるかしら?
アナキン: 彼の助けはいらないよ。僕らの子が幸せを呼ぶ。

 

彼は妻に、このビジョンは決して実現させないと強く約束したのである。

Jedi Temple -- Meditation Chamber

ヨーダ: 予兆じゃと?予兆とな。おぬしの見たものは・・・
アナキン: 苦悩と苦痛。死です。
ヨーダ: おぬし自身のことを言っておるのか、それとも他の誰かか?
アナキン: 他の誰かです。
ヨーダ: 親しい者か?
アナキン: はい。
ヨーダ: 注意せねばならんぞ、未来を感じるときはな、アナキン。喪失への恐れはダークサイドへ至る道じゃ。
アナキン: この予見を実現させるわけにはいかないんです、マスター・ヨーダ。
ヨーダ: 死は人生の定めじゃ。隣人たちがフォースと一体となることを喜ばねばならん。悲しんではならんのじゃ。寂しがってはならん。執着は嫉妬へと通じる。欲望の影じゃ、それはな。
アナキン: 僕はどうしたらいいんです、マスター・ヨーダ?
ヨーダ: 己を鍛えるのじゃ・・・失いたくないものすべてを送り出すためにな。

 

だが、共和国の上層部ではさらにアナキンの心を掻き乱す出来事が表面化していた。謎のシス卿ダース・シディアスを追跡していたジェダイ評議会が、ますます大きな権限を手に入れたパルパティーンの周辺にダークサイドの気配を感じており、議長も自分に疑いの目を向ける評議会に不信感を抱いていたのだ。

Galactic Senate -- パルパティーン's Office

パルパティーン: 私を信用してくれるかな、アナキン。
アナキン: もちろんです。
パルパティーン: 君の助けが必要なんだ。
アナキン: というと?
パルパティーン: 君が頼りなのだよ。
アナキン: どういうことですか?分かりませんよ。
パルパティーン: 共和国の目となり、耳となり、声となってほしいのだ。アナキン、私は君をジェダイ評議会における個人的な代理人として指名させてもらった。
アナキン: 僕を?マスターにですか?光栄です。でも、メンバーは評議会が決めることです。受け入れられませんよ。
パルパティーン: 受け入れてくれるさ。彼らは君を必要としているのだよ。君が思う以上にね。

Jedi Temple -- Council Chambers

ヨーダ: この指名を軽々しく認めるわけにはいかん、評議会としてはな。秩序を乱すもとじゃ、パルパティーン議長の行為はな。
アナキン: 分かります。
メイス: 評議会への列席は認めるが・・・マスターの地位を与えることはできない。
アナキン: 何ですって?
アナキン: どういうことですか?ひどい侮辱だ。不公平です。評議員なのにマスターじゃないなんてありえますか?
メイス: 席に着け、若きスカイウォーカー。
アナキン: 申し訳ありません、マスター。

評議会の席をもらいながらもマスターへの昇格を見送られたアナキンは、大きな不満を募らせていた。

Jedi Temple -- Corridor

アナキン: こんな馬鹿な話がありますか?評議会のメンバーにしておいてマスターにはしない?ジェダイの歴史に前例がありません。侮辱だ。
オビ=ワン: 落ち着け、アナキン。大変な名誉だぞ。その歳で評議員なんて。それこそ前例がない。実のところ、おまえは議長と親密すぎるんだ。彼がジェダイの問題に干渉しているだけに、評議会はそれを好ましいと思っていないんだ。
アナキン: 言っておきますが、僕は評議員にしてくれと頼んだ覚えはありません。
オビ=ワン: だが望んでいたことだろう。おまえとパルパティーン議長との親密な関係が役立つと思われているんだ。
アナキン: それとは何の関係もありませんよ。
オビ=ワン: 評議会がおまえへの指名を認めた唯一の理由は・・・議長がおまえを信頼していることにあるんだ。
アナキン: それで?
オビ=ワン: アナキン、私はおまえの味方だ。こんな状況におきたくなかった。
アナキン: どんな状況ですか?
オビ=ワン: 評議会はおまえに議長の行動に関するすべての報告を求めている。彼が何をたくらんでいるかを知りたいんだ。
アナキン: 議長をスパイしろというんですか?それは反逆行為ですよ。
オビ=ワン: 今は戦時中だぞ、アナキン。
アナキン: なぜ会議のときに評議会は僕にその任務を与えなかったんですか?
オビ=ワン: これは記録に残せない任務なんだよ。
アナキン: 議長は悪い人じゃありませんよ、オビ=ワン。親切にしてくれました。僕がここに来たときからずっと面倒を見てくれていたんです。
オビ=ワン: だから助けになってほしいんだ。アナキン、我々の忠誠は元老院に対するものであって、そのリーダーに対するものではないんだ。彼は任期を終えても官邸に留まろうとしている。
アナキン: 元老院が任期の延長を求めたんですよ。
オビ=ワン: ああ、だが直感を働かせるんだ、アナキン。何かがおかしい。
アナキン: あなたはジェダイ規範に反することを求めていますよ。共和国に反することをね。師であり友人でもある人への裏切りです。それこそおかしいでしょう。なぜ僕にそんなことを求めるんですか?
オビ=ワン: 評議会が求めているのだよ。

 

議長はアナキンを自らの私的代理人として評議会に送り込み、一方で評議会もアナキンに議長を内偵するという極秘任務を与えることになる。

Republic Gunship

オビ=ワン: アナキンは新しい任務に消極的です。
メイス: 彼らを一緒にしておくのは非常に危険だ。あの少年に対処できるとは思えん。信用できない。
オビ=ワン: 失礼ですが、マスター、彼は選ばれし者ですよ?シスを滅ぼし、フォースに均衡をもたらす者です。
メイス: 予言では確かにそうだ。
ヨーダ: 予言の読み違いということもありえる。
オビ=ワン: 彼は私の期待を裏切りません。決してね。
ヨーダ: おぬしが正しければよいがの。

ジェダイと議長の両者に忠誠を誓う彼は、パドメの命に関する心配も重なり、ますます不安定な状態へと追い詰められていったのである。

Coruscant -- Padme's Apartment

アナキン: ときどきジェダイ・オーダーはどうなっているんだと思うことがある。この戦争が共和国の理念を破壊しているみたいだ。
パドメ: 私たちが間違った側についていると思ったことはある?
アナキン: どういう意味だい?
パドメ: 私たちが仕えている民主主義が既に存在していなかったら・・・共和国が邪悪な存在になっていて、私たちはそれを滅ぼすために戦っているのだとしたら、どうする?
アナキン: 考えたくもないな。君のは分離主義者のような言い方だよ。
パドメ: この戦争は耳を傾けようとしなかった代表例だわ。あなたは誰よりも議長と親密よ。お願い、彼に戦いをやめて、外交努力を再開するように頼んでちょうだい。
アナキン: 僕にそんなことを求めないでくれ。元老院で動議すればいいだろ。それが筋だ。
パドメ: どうしたの?
アナキン: 何でもないよ。
パドメ: そんな言い方はやめて。私を締め出さないで。助けになりたいの。抱いて。ナブーの湖でしたように。あれからずいぶん経つわ。愛以外には何もなかった。政治も、陰謀も、戦争も。

 

そしてある夜、アナキンはパルパティーンに呼び出され、ギャラクシーズ・オペラ・シアターへと足を運ぶ。議長曰く、グリーヴァスがウータパウに潜伏しているという情報を入手したというのだ。パルパティーンは、グリーヴァス討伐にはアナキンこそが相応しいと主張し、彼に評議会への不信を植えつける。

Coruscant -- Galaxies Opera House

アナキン: 話があるそうで、議長。
パルパティーン: おお、アナキン。こっちへ来なさい。いい知らせがあるぞ。クローンの情報部隊・・・グリーヴァス将軍の居場所を突き止めたんだ。やつはウータパウ星系に隠れている。
アナキン: やっと見つかったか。あの怪物を捕まえられれば戦争も終わりです。
パルパティーン: 評議会の衆知が心配なのだよ。この任務に君が選ばれないなどということがあってはならないからね。君こそが最適な人選だ。うむ。まあ、座りなさい。
パルパティーン: 下がってくれ。
パルパティーン: アナキン、私はジェダイ評議会を信頼できないでいるんだよ。まだ君がのけ者にされていないとしても、それは時間の問題だろう。
アナキン: 意味が分かりませんが。
パルパティーン: 私は疑いを抱きはじめているのだよ。ジェダイ評議会は共和国の支配を望んでいる。彼らは私を裏切るつもりだ。
アナキン: そんなことは・・・
パルパティーン: アナキン。素直になれ。分かっているだろう?
アナキン: 彼らはあなたを信用していません。
パルパティーン: 元老院もだ。共和国も。さらに言えば民主主義もだ。
アナキン: 確かに、僕にとっても彼らへの信頼は揺らいでいます。
パルパティーン: なぜだ?何か悪意を感じる任務でも与えられたのかね?私をスパイしろとでも命じられたのかね?
アナキン: いえ・・・何と言っていいのか分かりません。
パルパティーン: 初期の教えを思い出しなさい。力を手に入れた者はそれを失うことを恐れるようになる。ジェダイも同じだ。
アナキン: ジェダイは力を正しいことに使います。
パルパティーン: 何が正しいかは視点によるのだよ、アナキン。シスとジェダイは多くの点でよく似ている・・・たとえばより大きな力を探求するという点でね。
アナキン: シスは力への情熱に頼っています。彼らは自分たちのことしか考えていません。
パルパティーン: ジェダイは違うのかな?
アナキン: ジェダイは無欲です。他者のことだけを考えている。
パルパティーン: 賢者ダース・プレイガスの悲劇を聞いたことがあるかね?
アナキン: いいえ。
パルパティーン: だろうな。ジェダイが君に話すようなものではないからな。シスの伝説だ。ダース・プレイガスはシスの暗黒卿だった・・・とても強く、とても聡明だった・・・彼はフォースを使ってミディ=クロリアンを操り、生命を作り出すことができたのだ。彼はこのダークサイドの知識を持っていたのだよ。彼は大切だと思う者を死から遠ざけることさえできたのだ。
アナキン: 彼は実際に人々を死から救うことができたのですか?
パルパティーン: フォースのダークサイドは超常的とも思える多くの能力に通じているのだよ。
アナキン: 彼はどうなったんです?
パルパティーン: とても強くなった。恐れるものは力を失うことだけだった。そして当然、やがてはそうなったよ。不幸にして彼は弟子にすべての知識を与えていたのだ。そしてその弟子が彼の寝込みを襲って殺害したのだよ。皮肉なことだ。他者を死から救うことはできても、自分自身を救うことはできなかった。
アナキン: その力を学ぶことはできますか?
パルパティーン: ジェダイからは無理だ。

 

 

事実、アナキンも評議会による自分への処遇には大きな不満を抱いていた。議長は、ジェダイが共和国と民主主義への忠誠を失っていると説き、シスとジェダイには本質的な違いなど存在しないのだと語る。そして、彼はアナキンに「賢者ダース・プレイガスの悲劇」を聞かせるのだった。偉大なシス卿だったプレイガスは、ダークサイドの秘術で愛する者たちを死の運命から救ったが、皮肉にも弟子に自分の命を奪われたのだという。パドメを死から救いたいアナキンはこの話に真剣に耳を傾けるが、その力はダークサイドのものであり、ジェダイの知識からは手に入れることができないのだ。

 

惑星キャッシークでは、ヨーダ率いるクローン軍がウーキーを支援し、独立星系連合のドロイド軍を迎え撃っていた。同時にジェダイ聖堂では、アナキンが評議会の席でウータパウにグリーヴァスがいることを報告していた。だが、アナキンとパルパティーンの意に反し、グリーヴァス討伐の任務はオビ=ワンに与えられてしまう。アナキンは不満を押し隠し、かつての師にしばしの別れを告げる。しかし、これは2人にとって親友同士としての最後の会話になるのだった。

多くの悩みを抱えたアナキンは、より大きな力を求める自分がジェダイ規範から徐々に足を踏み外しつつあることを認識していた。パドメもそんな夫を優しく気遣うが、彼にとって最も大きな不安の対象は彼女自身だったのである。

Coruscant -- Landing Port

アナキン: 今度の任務ではきっと僕が必要になりますよ、マスター。
オビ=ワン: そうかもしれんな。だが、野生のバンサを追うようなことにもなりかねん。
アナキン: マスター。僕はあなたを失望させてばかりでした。教えをうまく理解できず、傲慢になっていました。申し訳ありません。評議会に不満を抱いていただけなんです。
オビ=ワン: おまえは強くて賢いよ、アナキン。おまえは私の誇りだ。小さな少年だったころから訓練してきたな。私の知るすべてを授けたよ。おまえは私が望めるよりはるかに偉大なジェダイになってくれた。だが辛抱だ、アナキン。そう遠くない日に、評議会もおまえをジェダイ・マスターとして認めてくれるだろう。
アナキン: オビ=ワン。フォースが共にあらんことを。
オビ=ワン: さらばだ、古き友よ。フォースが共にあらんことを。

 

Coruscant -- Padme's Apartment

オビ=ワン: (力を抜くんだ。)
パドメ: (無理よ。)
オビ=ワン: (諦めちゃダメだ、パドメ)
アナキン: オビ=ワンが来てたんだね?
パドメ: 今朝来たわ。
アナキン: 何の用だったんだい?
パドメ: あなたのことを心配してたわ。あなたがストレス過多になってるって。
アナキン: 僕はのけ者だ。
パドメ: のけ者?どういうこと?
アナキン: オビ=ワンと評議会は僕を信用していない。
パドメ: とても信頼しているわよ。
アナキン: 何かが起こっている。僕は自分が目指していたジェダイじゃないんだ。僕はもっと上を目指している。でもそうすべきじゃないんだ。
パドメ: 自分に多くを求めすぎよ。
アナキン: 君を救う方法を見つけたんだ。
パドメ: 私を救う?
アナキン: あの悪夢からね。
パドメ: そんなことで悩んでいたの?
アナキン: 君を失いたくないんだ、パドメ。
パドメ: 出産で死んだりしないわよ、アニー。約束するわ。
アナキン: いや、約束するのは僕だよ。

 

単身でウータパウに到着したオビ=ワンは、宙港管理官のティオン・メイドンからの情報によりグリーヴァスの所在を突き止め、分離主義勢力の本拠地へと忍び込む。ガンレイ総督ら幹部たちは既にこの惑星を発っていたが、グリーヴァスは残っていた。ジェダイとの戦闘に絶対の自信を持つこのサイボーグは、オビ=ワンに一騎打ちを挑み、4本のライトセイバーで襲い掛かる。だが、剣術ではオビ=ワンがはるかに上を行き、グリーヴァスはまたしてもバイクで逃走するのだった。そして、コマンダー・コーディ率いるクローン軍が到着すると、抑圧に苦しんでいたパウアンたちも決起し、ウータパウの巨大な縦穴は熾烈な戦場と化したのである。

Jedi Temple -- Command Center

Cody: マスター・ウィンドゥ、よろしいでしょうか?ケノービ将軍がグリーヴァス将軍と交戦中です。我々も攻撃を開始しました。
メイス: ご苦労、コマンダー。
メイス: アナキン、今の報告を議長に伝えるんだ。彼の反応が目的を明かす手がかりとなるだろう。
アナキン: はい、マスター。
メイス: ジェダイ殲滅のもくろみを感じる。フォースのダークサイドが議長を覆っている。
Ki-Adi: グリーヴァスが倒れても非常時特権を手放さないつもりなら、彼を官邸から追放しなければならん。
メイス: 平和的移行を実現するためにも、ジェダイ評議会が元老院を統率すべきだな。
ヨーダ: 我らを闇へと運ぶことになるぞ、この一連の計画はな。細心の注意が必要じゃ。

 

オビ=ワンとグリーヴァスが交戦状態に突入したことを受け、メイス・ウィンドゥはアナキンを元老院へと送り出した。評議会は、戦争の終わりが近づいていることを知った議長が、何らかの動きを見せることを期待していたのだ。しかし、パルパティーンは戦争についてはほとんど触れず、一方的にアナキンに関する個人的な問題のみを語りはじめる。議長はアナキンとパドメの秘密の結婚のこと、そしてパドメの死の予見のことを知っていた。彼はジェダイ評議会が自分たちを信用していないと断言し、アナキンに妻を救うためダークサイドへ転向するよう誘惑する。

Galactic Senate -- パルパティーン's Office

アナキン: 議長、マスター・ケノービからの報告を受け取りました。グリーヴァス将軍と交戦中とのことです。
パルパティーン: 我々はただマスター・ケノービが勝ってくれることを願うだけだ。
アナキン: 私もその場にいたかった。
パルパティーン: 君の才能をろくに評価できないような評議会にはまったく腹立たしい限りだ。なぜ彼らが君をジェダイ・マスターに昇格させなかったのか分かるかね?
アナキン: 知りたいものです。ますます評議から疎外されているような気がしています。彼らはフォースについて私に何かを隠しているんです。
パルパティーン: 彼らは君を信用していないのだよ、アナキン。彼らは君の未来を見ているのだ。君の力が制御できないほどに強くなることをね。ジェダイが君の回りに作り上げた欺瞞のもやから抜け出すんだ。私にフォースの繊細さを知るための手伝いをさせてくれ。
アナキン: どうしてフォースの道をご存知なのですか?
パルパティーン: 師がフォースに関するすべてを教えてくれたのだよ。ダークサイドの本質についてもね。
アナキン: ダースサイドを知っているのですか?
パルパティーン: アナキン。大いなる謎を理解するためには、ジェダイの独断的な狭い視野にとらわれず、あらゆる側面を理解しなければならないのだよ。完璧で賢明なリーダーになりたければ・・・フォースのより大きなビジョンを受け入れることだ。ジェダイには用心するんだ、アナキン。すべてのジェダイを凌ぐ力を授けることができるのは私だけだ。フォースのダークサイドを学びなさい。そうすれば妻を確実な死から救うことができるようになる。
アナキン: 何を言っているんですか?
パルパティーン: 私の知識を役立ててくれ。頼む。
アナキン: あんたがシス卿だったのか。

パルパティーン: 困惑する気持ちは分かる。だが聞きなさい。ジェダイ評議会の手駒でいつづけるのはやめるんだ。私と知り合って以来、君は平凡なジェダイの人生ではなく・・・より大いなる人生を求めていた。有意義で・・・良心のある人生をだ。
パルパティーン: 私を殺すつもりかね?
アナキン: そうしてやりたいさ。
パルパティーン: だろうな。怒りを感じるぞ。怒りは集中力を与え、君をより強くする。
アナキン: あんたの身柄をジェダイ評議会に引き渡す。
パルパティーン: いいとも。そうすべきだな。だが、彼らの意図は分かっておるまい?
アナキン: すぐに真実をすべて明らかにする。
パルパティーン: よーく考えることだな、アナキン。ダークサイドの力を知れば、パドメを救える。

 

パルパティーンこそがダース・シディアスだったのだ。アナキンは激しい憎悪から一度はライトセイバーを起動させ、議長へと突きつけるが、最後は理性を働かせ、この恐るべき事実を報告するためジェダイ聖堂へと戻るのだった。

 

その間も、ウータパウではオビ=ワンとグリーヴァスの戦いが続いていた。武器を失ったオビ=ワンは恐ろしい戦闘力を持つグリーヴァスに苦戦するが、最後は彼のブラスターをフォースで掴み、ついにこの忌々しいサイボーグを葬ったのである。一方、グリーヴァスの死の報告を受け取ったメイスは、パルパティーンに非常時特権の返還を要求するため元老院へ向かおうとしていた。そこへアナキンが恐ろしい知らせを持って現れ、メイスもついにシス卿の正体を知ることになる。アナキンは元老院への同行許可を求めるが、メイスは彼の心の迷いを理由に、同行を断固として許さなかった。会議室での待機を命じられたアナキンは、パドメのことを思い詰めながら、彼女のいる方角を見つめて涙を流す。パルパティーンがジェダイに殺されてしまえば、彼女を救うことはできなくなるのだ。

パルパティーンのオフィスに現れたのは、メイス・ウィンドゥ、セイシー・ティン、エージェン・コーラー、キット・フィストーの4人だった。メイスは議長に逮捕を宣告するが、彼は赤いライトセイバーを起動すると、一瞬にしてメイスを除く3人を斬り殺す。メイスは牙を剥いたシス卿と、生涯で最も重要なセイバー戦を繰り広げるのだった。

死闘の末、実力に勝るジェダイ・マスターがシス卿を追い詰めるが、そこへ我慢できなくなったアナキンが入ってくる。パルパティーンはダークサイドの電撃を放ち、顔面を劣化させながらも激しく抵抗するが、ついには力及ばず降伏した。

パルパティーン: アナキン、こうなると言っただろう。私の言ったとおりだ。ジェダイの乗っ取りだ。
メイス: シスの圧制は決して復活しない。貴様の負けだ。
パルパティーン: いや・・・違う・・・違うぞ。死ぬのは貴様だ!
パルパティーン: こやつは反逆者だ!
メイス: この男こそ反逆者だ!
パルパティーン: 私には君の愛する者を救える力がある。選ぶのだ。
メイス: この男に耳を貸すな、アナキン!
パルパティーン: 私を殺させてはならん。
パルパティーン: もう耐えられない。ダメだ。私は弱い。弱すぎる。助けてくれ。
メイス: アナキン!
パルパティーン: 助けてくれ!たのむ!もう耐えられない。
メイスは命乞いするシス卿にとどめを刺そうとするが、アナキンがこれを制する。しかし、それでもメイスはシスの危険性を捨てきれず、セイバーを振り上げるのだった。
メイス: この場限りで終止符を打つ。
アナキン: いけません。法廷に立たせるべきです。
メイス: 元老院も法廷もこの男の意のままだ。生かしておくにはあまりにも危険すぎる。
パルパティーン: 私はひ弱だ。殺さないでくれ。たのむ。
アナキン: ジェダイの道に反します。慈悲を。
パルパティーン: やめてくれ。
アナキン: 彼が必要なんです。
パルパティーン: たのむ、やめてくれ!
アナキン: やめろ。
彼の運命を決めたのは、アナキンのパドメへの思いである。若きジェダイはパドメを救う秘術を守るために我を失い、メイスの腕を切断したのだ。

パルパティーン: 死ね!無限のパワーを食らえ!
その一瞬後、反撃に出たパルパティーンは再び邪悪な電撃でメイスを焼き焦がし、彼の体をコルサントの夜空へと葬り去ったのだった。
アナキン: 僕は何てことをしてしまったんだ?
シディアスはアナキンに自分の弟子となり、フォースのダークサイドを学べと告げる。アナキンはついにパドメの命を守るため、シス卿の前に片膝を付き、ダース・ヴェイダーの名を与えられたのだった。

 

さらに、シディアスはジェダイの共和国への裏切りについて断罪し、堕落した銀河系のバランスを崩すため、ヴェイダー卿にジェダイ聖堂への襲撃を命じる。そしてジェダイを壊滅させた後、ムスタファーに隠れている分離主義勢力の幹部たちを皆殺しにしろと指示するのだった。

パルパティーン: そなたは自分の宿命を成し遂げたのだ、アナキン。余の弟子となるがよい。フォースのダークサイドの使い方を学ぶのだ。
アナキン: ご依頼にすべて従います。
パルパティーン: よろしい。
アナキン: どうかパドメの命を助けてください。彼女なしでは生きていけません。
パルパティーン: 死を欺く力を手にした者はただ一人だけだ。だが我らが力を合わせれば、その秘密を解き明かすこともできよう。
アナキン: あなたの教えに従うことを誓います。
パルパティーン: よし。よろしい。
パルパティーン: そなたはフォースが強い。強力なシスとなるであろう。これからはこう名乗るがよい・・・ダース・ヴェイダーだ。
アナキン: ありがとうございます、マスター。
パルパティーン: 立つのだ。
パルパティーン: 評議会はそなたを信用していなかったのだ、我が若き弟子よ。すなわち、そなたはやつらの企みを知らない唯一のジェダイなのだ。この場で起きたことがジェダイに知れれば、我らは殺されよう。すべての議員もろともな。
アナキン: 同感です。評議会の次の標的は元老院でしょう。
パルパティーン: そなたの友人オビ=ワン・ケノービも含め、いまやジェダイは一人残らず共和国の敵であると心得よ。
アナキン: はい、マスター。
パルパティーン: 速やかに動かねばならん。ジェダイは非情だ。根絶やしにせねば、終わりなき内戦となろう。まずはジェダイ聖堂へ向かうがよい。やつらの虚を突くのだ。なすべきことをせよ、ヴェイダー卿。ためらいを見せるな。慈悲は無用だ。そのときこそ、そなたはダークサイドの力によってパドメを救うことができるのだ。
アナキン: 銀河に散らばっている他のジェダイたちはどうしますか?
パルパティーン: 裏切りには適切な対処がなされる。聖堂のジェダイをすべて始末したらムスタファー星系へ向かうがよい。ガンレイ総督と他の分離主義のリーダーたちを皆殺しにしろ。シスが再び銀河を支配するのだ!そして、平和が訪れる。

 

その後、シディアスは銀河中に展開するクローンたちにオーダー66、すなわちジェダイ抹殺命令を発令する。これにより、瞬く間にほとんどのジェダイが不意打ちによって命を落としていった。だが、わずかにこの虐殺を逃れたジェダイも存在し、マスター・ヨーダとオビ=ワンもその中に含まれていた。一方、ジェダイ聖堂はヴェイダーとクローンの大軍によって壊滅状態にあり、シス卿は幼いジェダイ候補の子供たちさえも手にかけていた。

この惨劇を目の当たりにしたオルデランのベイル・オーガナ議員は異常事態を察知し、生き残りのジェダイを救出するべく、<タンティヴィIV>でコルサントを飛び立つ。彼はウーキーの助けを借りてキャッシークから逃れたヨーダを救助し、その後、オビ=ワンも合流した。彼らはジェダイ聖堂から発信されているジェダイへの帰還命令を罠だと見破り、それを止めるためコルサントへと向かうことになる。

コルサントでは、多くのジェダイを殺害したヴェイダーが、アナキンとしてパドメのもとを訪れていた。彼は妻にジェダイの裏切りのことを話し、戦争を終わらせるためにムスタファーへ行くと告げる。

Coruscant -- Padme's Apartment

 
パドメ: 大丈夫なの?ジェダイ聖堂が攻撃されたと聞いたの。ここからも煙が見えるわ。
アナキン: 大丈夫だよ。大丈夫。君と赤ん坊が無事かどうか確かめにきたんだ。
パドメ: 何があったの?
アナキン: ジェダイが共和国を転覆させようとしたんだ。
パドメ: 信じられないわ。
アナキン: 僕はこの目でマスター・ウィンドゥが議長を暗殺しようとするのを見たんだ。
パドメ: そんな、アナキン。あなたはどうするつもりなの?
アナキン: 僕は共和国を裏切らない。僕は議長と元老院、そして君に忠誠を誓うよ。
パドメ: オビ=ワンはどうなの?
アナキン: 分からない。多くのジェダイが死んだ。彼が議長への忠誠を失っていないことを願うだけだ。
パドメ: アナキン、怖いわ。
アナキン: 信念を持つんだ、パドメ。すぐに何事もよくなるよ。議長が僕にとても重要な任務を与えてくれたんだ。分離主義勢力がムスタファー星系に集結している。そこへ行って戦争を終わらせるんだ。戻るまで待っててくれ。未来は変わるよ。約束する。
 

 

そして無人になったジェダイ聖堂では、オビ=ワンとヨーダが確認した監視ホロカムの映像から、アナキンのダークサイドへの転向が明らかになっていた。この劣勢を覆すべく、ヨーダはシディアス卿との対決を決意し、オビ=ワンにアナキンを追うよう命じる。一方、元老院ではパルパティーンが自らを皇帝と僭称し、銀河帝国の誕生を宣言していた。議員席からそれを見ていたパドメとオーガナは、共和国の自由が失われたことに気づくのだった。また、溶岩惑星のムスタファーでは、ヴェイダーが必死に命乞いするガンレイ総督らを容赦なく殺害していた。その後、ドロイド軍もすべて停止され、ついにクローン大戦が終結したのである。

オビ=ワンはアナキンの足取りを掴むためパドメのアパートを訪れる。だが、パドメはアナキンを愛しており、彼が悪に寝返ったという話を信じようとしない。

Coruscant -- Padme's Apartment

オビ=ワン: 彼と最後に会ったのはいつなんだい?
パドメ: 昨日よ。
オビ=ワン: 今どこにいるのか知っているね?
パドメ: いいえ。
オビ=ワン: パドメ、君の助けが必要なんだ。彼は重大な危険に直面しているんだよ。
パドメ: シスの?
オビ=ワン: 彼自身からだ。パドメ、アナキンはダークサイドに転向した。
パドメ: 嘘よ。どうしてそんなことを言うの?
オビ=ワン: 保安ホログラムを見たんだ・・・彼が写っていた・・・子供たちを殺していたんだ。
パドメ: アナキンじゃないわ。彼がそんなことするはずない。
オビ=ワン: 彼は騙されたんだ。我々みんながね。すべて議長が裏で仕組んだことだったんだ。この戦争も。パルパティーンが我々の探していたシス卿だったんだよ。ドゥークー伯爵が死んだ後、アナキンが彼の新しい弟子になったんだ。
パドメ: 信じないわ。無理よ。
オビ=ワン: パドメ。彼を見つけなければならないんだ。
パドメ: 彼を殺すつもりなのね?
オビ=ワン: 彼は極めて重大な脅威になってしまったんだ。
パドメ:
I can't.
言えないわ。
オビ=ワン: 父親はアナキンだね?残念だよ。

オビ=ワンは彼女の妊娠にも気づいていた。そして、パドメは黙って事実を確かめるため、C-3POを連れてムスタファーへと向かう。彼女はその船にオビ=ワンが忍び込んでいることに気づいてはいなかった。

Mustafar -- Landing Platform

パドメの船を確認したアナキンはプラットフォームで彼女と再会し、2人は強く抱き合った。
アナキン: 船が見えたんだ。ここで何をしてるんだい?
パドメ: あなたのことが心配だったの。オビ=ワンが恐ろしいことを言うものだから。
アナキン: どんなことだい?
パドメ: あなたがダークサイドに転向したって。そしてあなたが・・・子供たちを殺したって。
アナキン: オビ=ワンは君を僕から引き離そうとしているんだ。
パドメ: 彼は私たちを気遣ってくれているのよ。
アナキン: 僕らを?
パドメ: 彼は分かってるわ。あなたの助けになりたがってるの。アナキン、私がほしいのはあなたの愛だけよ。
アナキン: 愛では君を救えないんだよ、パドメ。僕の新しい力だけが救えるんだ。
パドメ:その代償は何なの?あなたは善良な人よ。そんなことはしないで。
アナキン: 母さんを失ったように君を失いたくないんだ。僕はどんなジェダイが夢見ていたよりも強い力を手に入れた。それを君のために使うんだ。君を守るためにね。
パドメ: 一緒に逃げましょう。子供を育てるのよ。今ある現実を何もかも捨てるの。
アナキン: 分からないのかい?もう逃げる必要なんてないんだよ。僕は共和国に平和をもたらしたんだ。議長より強くなった。彼を倒すことだって可能だ。君と僕とで一緒に銀河系を支配しよう・・・僕らの好きなようにすることができるんだよ。
しかし、彼がパルパティーンを倒して家族で銀河を支配したいと告げると、パドメはオビ=ワンが正しかったことを認識し、一転して夫を拒絶する。
パドメ: そんなことを言うなんて信じられないわ。オビ=ワンの言ったとおりだったのね。あなたは変わったわ。
アナキン: オビ=ワンの話はもうたくさんだ。ジェダイは僕を裏切った。君は僕を裏切らないでくれ。
パドメ: もうあなたが分からないわ。アナキン。私の気持ちを傷つけないで。あなたにはついて行けないわ。
アナキン: オビ=ワンのせいなのか?
パドメ: あなたのしたことのせいよ。あなたがしようとしていることも。もうやめて。すぐにやめて。戻ってきて。愛しているのよ。
アナキン: 嘘をつけ!
パドメ: 違うわ。
アナキン: 連れて来たんだな!僕を殺させるために連れて来たんだ。
パドメ: 違うわ。
そして、彼女の背後にオビ=ワンの姿を発見したとき、アナキンは激しく動揺した。彼はパドメが自分を裏切ったと錯覚し、彼女の首にフォースを伸ばす。
オビ=ワン: 彼女を放せ、アナキン。
パドメ: アナキン。
オビ=ワン: 放すんだ。
アナキン: おまえが彼女を裏切らせたのか!
パドメは気を失って地面へと倒れた。
オビ=ワン: おまえ自身が招いたことだ。
アナキン: 彼女は渡さんぞ!
オビ=ワン: おまえの怒りと力への渇望がそうさせたんだ。おまえは暗黒卿に付け入る隙を与え、ついには自分が倒すはずだった存在に成り果てた。
アナキン: 講義はもうたくさんだ、オビ=ワン。ジェダイの欺瞞はお見通しだ。僕はもうこれまでのようにダークサイドを恐れない。僕の新しい帝国に平和と自由、正義、安全をもたらしたんだ。
オビ=ワン: おまえの新しい帝国だと?
アナキン: 僕に殺させるな。
再びヴェイダーとなった彼は、オビ=ワンに激しい憎悪をぶつけ、仲間にならなければ帝国にとっての敵だと宣言するのだった。
オビ=ワン: アナキン、私が忠誠を誓ったのは共和国と民主主義だ!
アナキン: 僕に賛同しないのなら、敵とみなす。
オビ=ワン: シスならではの決め付けだな。私は自分の義務を果たす。
アナキン: やってみろよ。

 

ついに銀河系の英雄だった2人のジェダイが互いに戦うときがきたのだ。灼熱の溶岩を背景に、青い2本の光刃が激しく交錯しはじめた。

そのころ、元老院の議長執務室にはパルパティーンの前にヨーダが姿を現していた。闇と光、それぞれの頂点に立つ2人が、元老院議事堂で激しくフォースをぶつけ合う。力ではヨーダがやや勝っていたものの、完全に圧倒するには至らなかった。もはや銀河系のフォースはダークサイドに大きく傾いているのだ。勝利はないと悟った老ジェダイ・マスターは議事堂から脱出し、ベイルに救われる。そして、彼らはオビ=ワンと合流するため、再び首都を離れるのだった。一方、皇帝はフォースの乱れからヴェイダーの危機を察知していた。彼はシャトルを用意させると、ムスタファーへと向かったのである。

ムスタファーではアナキンとオビ=ワンの死闘が続いていた。両者は分離主義勢力の本部から外の溶岩流の中へと場所を変え、互いに一歩も退かない攻防を繰り広げる。戦いの途中、オビ=ワンはパルパティーンの邪悪さを訴えるが、アナキンにとってはジェダイこそが裏切り者であり、悪の存在だったのだ。やがて英雄たちの戦いは大詰めに差し掛かり、アナキンが次の一撃で決着をつけると宣言する。

Mustafar -- Lava Sea

オビ=ワン: お前には失望したよ、アナキン。裏切られた。
アナキン: ジェダイの乗っ取り計画を知っておくべきだった。
オビ=ワン: アナキン、パルパティーン議長は邪悪な男だ!
アナキン: 僕の視点ではジェダイこそが邪悪だ。
オビ=ワン: おまえは道を誤ったんだ!
アナキン: これであんたも終わりだよ、マスター。

 


Mustafar -- Volcano Edge

だが、フォースはオビ=ワンに味方した。2人は溶岩採集用の小型浮遊プラットフォーム上で戦っていたが、オビ=ワンは陸地を発見すると一気に飛び移り、有利な立ち位置を得たのである。しかし、絶対の自信を持つアナキンはそれでもオビ=ワンに襲い掛かり、戦いの幕を閉じた。
 
オビ=ワン: 終わりだ、アナキン。地の利をとったぞ、私が優位だ。
アナキン: 僕の力を見くびるな。
オビ=ワン: やめておけ。

アナキンは義手を除く手足をすべて切断され地に落ちた。、

 
オビ=ワン: おまえは選ばれし者だった!シスを滅ぼすはずが、それに加わるとは!フォースに均衡をもたらすはずが、闇の中に葬るとは!
アナキン: 貴様が憎い!
オビ=ワン: おまえは弟同然だったんだ、アナキン。愛していた。

 

苦悶の叫びをあげながら引火した溶岩の炎に包まれる。

オビ=ワンはアナキンを愛していた。彼はかつての弟子であり、選ばれし者だった男のライトセイバーを拾い上げると、深い哀しみを胸に船へと引き返すのだった。

 

 

 

ムスタファーに到着したパルパティーンは大火傷を負ったヴェイダーを発見し、急いでコルサントへと送り届ける。

彼は医療センターで緊急手術を施され、異様な姿のサイボーグとして蘇るのだった。

一方、オビ=ワンはパドメと共に、ヨーダとベイルの待つ中立の惑星ポリス・マサへと向かい、パドメの出産に立ち会うことになる。子供は男女の双子だった。パドメは2人をルークとレイアと名づけると、オビ=ワンに、アナキンにはまだ善の心が残っていると言い残し、静かに息を引き取った。

Polis Massa -- Medical Center

 

GH-7: 医学的には完全な健康体です。ただ説明できないのですが、助けることはできません。
オビ=ワン: 死ぬというのか?
GH-7: 理由が分からないのです。彼女は生きる意志を失っています。赤ん坊たちを救うなら早急に措置を行う必要があります。
Bail: 赤ん坊たち?
GH-7: 双子を身ごもっているのです。
パドメ: ルーク。ああ、ルーク。
オビ=ワン: 女の子だよ。
パドメ: レイア。
パドメ: オビ=ワン。彼にはまだ善が残っているの。私には分かるの。まだ彼には・・・

Coruscant -- Imperial Rehabilitation Center

パルパティーン: ヴェイダー卿。聞こえるか?
ヴェイダー: はい、マスター。パドメはどこです?安全にしていますか?彼女は無事なのですか?
パルパティーン: おそらく、そなたが怒りによって彼女を殺したのだ。
ヴェイダー: 私が?そんなはずはない。彼女は生きていた。感じたんだ!うおお!

 

 

その後、レイアはオーガナが引き取ることとなり、

 

ルークはオビ=ワンの庇護のもと、タトゥイーンのラーズ夫妻に預けられることになる。

また、ヨーダはシスの手の届かない惑星に隠遁することを決意するが、やがて子供たちが邪悪に立ち向かえる年齢に達するまで、オビ=ワンにある訓練を薦めるのだった。かつてシスに倒されたクワイ=ガン・ジンが、リビング・フォースの神秘によって冥界から戻ってきたのである。2人のジェダイは彼からリビング・フォースの訓練を受け、死後も生者と交信する方法を身につけることになる。

そして数日後、名の知れぬアウター・リムの宙域では、スター・デストロイヤーの艦橋から皇帝、ヴェイダー、ターキンが見守るなか、帝国軍の巨大宇宙ステーションの建造が進められていた。また、ナブーではパドメの葬儀が執り行われ、沿道に集まった多くの市民が涙を流していた。そして、オルデランではオーガナ が夫人のブレハに幼いレイアを抱きかかえ渡し、

タトゥイーンでは、オビ=ワンがベルー・ラーズにルークを手渡した。

やがて銀河を救う新たなる希望は、離れ離れとなって静かに成長していくことになる。


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