エピソード V / 帝国の逆襲 Episode V: The Empire Strikes Back


だが、ルーク・スカイウォーカー率いる自由の戦士の一隊は、強大な帝国艦隊から逃れ、辺境の氷の惑星ホスに新たなる秘密基地を設立することに成功する。
その一方で、若きスカイウォーカーの捜索に執念を燃やす邪悪なダース・ヴェイダーは、宇宙の隅々にまで、何千ものプローブ・ドロイドを放ったのだった・・・

 

インペリアル級スター・デストロイヤー<ストーカー>から多数のプローブ・ドロイドが放たれた。

その中の1機はホスにも到達し、さっそく反乱軍の秘密基地の捜索を開始する。そのころ、ホスの雪原では反乱軍の英雄ルーク・スカイウォーカーとハン・ソロがトーントーンに跨って定期パトロールを行っていた。ハンは何の進展もなく基地に帰還するが、ルークは隕石を調査するため移動しようとしたところを雪獣ワンパに襲われる。

 

一方、それを知らないハンは基地に戻ると、ライカン将軍に同盟軍から離れたいと告げるのだった。ヤヴィンの戦いから既に3年が経過しており、彼の首には痺れを切らしたジャバ・ザ・ハットから多額の懸賞金が掛けられていたのである。事実、ハンはこれまでにも自分を狙う賞金稼ぎと遭遇しており、このまま生き延びるにはもはや一刻の猶予も残されていないと悟っていたのだった。

ハン: 将軍、そろそろ発とうと思う。これ以上はいられないんだ。
Rieekan: それは残念だな。
ハン: 首に賞金が掛かっててね。ジャバ・ザ・ハットに返済しないと命が危ないんだ。
Rieekan: 死の刻印を背負ったまま生きて行くのは容易じゃないからな。君はすばらしい戦士だ。失うのは残念だよ。
ハン: ありがとう、将軍。
ハン: さて、殿下、そういうことだ。
レイア: そのようね。
ハン: せいぜい泣き崩れないでくれよ。じゃあな、お姫様。
 
 
レイア: ハン。
ハン: はい、殿下。
レイア: ずっといてくれるものだと思ってました。
ハン: オード・マンテルで出くわした賞金稼ぎが心変わりをさせてくれたんだ。
レイア: ハン、私たちはあなたを必要としています。
ハン: 私たちが?
レイア: ええ。
ハン: あんたはどうなんだ?
レイア: 私が?何を言っているのか分からないわ。
ハン: つまり必要ないってことか。
レイア: 私が何か誤解してますか?
ハン: おいおい。あんたは俺のこと気になるからここにいてほしいと思ってるんだ。
レイア: ええ。あなたは私たちにとって大きな助けになります。真のリーダーよ。
ハン: 違う。そうじゃない。ほら。素直になれよ。
レイア: あなたが勘違いしているようね。
ハン: 俺が?じゃあなぜついて来るんだ?お別れのキスもしないでいなくなるのが怖いんだろ。
レイア: ウーキーにキスするほうがまだましよ。
ハン: 取り計らってやる。すばらしいキスになるだろうよ! タトゥイーンへ戻るべく愛機<ミレニアム・ファルコン>の整備へと向かうハンを、レイア・オーガナが呼び止める。彼女はハンの力が必要だと言い、彼を引き止めようとするが、ハンが望んでいたのは反乱軍のリーダーとしてではなく、レイア個人としての慰留だった。ハンは彼女に明らかな好意を寄せていたが、2人の感情はすれ違い、説得は物別れに終わってしまう。ハンがルークの消息不明を知ったのは<ファルコン>の修理を行っていたときだった。夜を迎えるとホスの気温は急激に低下し、ルークが生きて帰って来る確率も非常に低くなる。ハンは友人を助けるため、再びトーントーンで極寒の雪原へと向かうのだった。

Alder: 全パトロール帰還しました。ただ・・・スカイウォーカーとソロからはまだ連絡がありません。
3PO: レイア様、R2が申しますに、何のシグナルも受信できないそうです。しかし、彼の受信能力は低いのですべての望みを捨てられる必要はないかと思われます。
Derlin: 姫、今夜はもう何もできません。シールド・ドアを閉めましょう。
 
Derlin: ドアを閉めろ。
Alder: 了解しました。
3PO: R2が申しますには生存確率は725分の1だそうです。
3PO: ただ、R2も間違うことはありますから・・・ときどきですが。ああ、嫌だ。嫌だ。ルーク様のことは心配いらないよ。
3PO: ルーク様のことは心配いらないよ。きっとご無事だ。おまえも知ってるだろ、頭のいいお方だ。人間にしてはね。

 

凍てつくような吹雪のなか、ハンはわずかな生命反応を手がかりにルークの捜索を進めていた。だが、外の気温は急激に低下し、ハンの命も危険に晒されるようになる。エコー基地でもハンからの連絡が途絶え、ついに防寒扉が閉じられると、レイアとチューバッカの表情に絶望の色が横切るのだった。そのころ、ルークはワンパの洞窟に逆さづりの状態で捕らえられていた。意識を取り戻した彼は未熟ながらもフォースの流れを掴み、氷に突き刺さったライトセイバーを引き寄せる。異変に気づいた雪獣が彼を襲うが、ルークはワンパの腕を一刀両断し、命からがら洞窟を逃れるのだった。だが、厳寒の雪原で彼は再び倒れてしまう。意識がもうろうとするなか、ルークを呼びかけたのはフォースと一体となって姿を現した亡き師、オビ=ワン・ケノービだった。老師は惑星ダゴバへ行き、マスター・ヨーダの教えを乞えと告げる。

オビ=ワン: ルーク。ルーク。
ルーク: ベン?
オビ=ワン: ダゴバ星系へ行くがよい。
ルーク: ダゴバ星系?
オビ=ワン: そこでヨーダから教えを受けるのだ。私を指導してくれたジェダイ・マスターだ。
ハン: 動くな、ルーク。しっかりしろ。時間がない。
ルーク: ベン。
ハン: しっかりつかまれ、坊主。
ルーク: ダゴバ星系。ダゴバ。
ハン: 匂いがひどいかもしれんがな、坊主。
ルーク: ヨーダ。
ハン: だが体を温めるんだ・・・シェルターを用意するまでな。
ルーク: ベン。ダゴバ。
ハン: 外だってのにひどい匂いだぜ。

 

 

そこにハンが現れ、親友を死の淵から救い出したのだった。だが、ハンのトーントーンも息絶え、2人はシェルターを設置して極寒の夜をすごすことになる。そして翌朝、2人はエコー基地を出撃したスノースピーダーの捜索隊によって発見され、無事に基地へと戻ることができたのだった。

Imperial Fleet

バクタ・タンクで治療を終えたルークを中心に、再び英雄たちが顔をそろえる。エコー基地には宇宙船の発進禁止令が出ており、足止めされたハンは不快感を示すが、それを自分と別れたくないレイアの好意と曲解し、彼女を困惑させる。レイアは当てつけにルークとキスを交わし、ハンを嫉妬させるのだった。

3PO: ルーク様、再び完全に機能的なお姿を拝見できてうれしゅうございます。
ルーク: ありがとう、3PO。
3PO: R2も安堵しております。
 
ハン: 気分はどうだ、坊主?悪いようには見えないな。ガンダークの耳を引きちぎるほどの力持ちに見えるぜ。
ルーク: 恩に着るよ。
ハン: これで貸しは2つだ、坊や。
 
ハン: ところで殿下、もうしばらく俺を足止めしようとしてるみたいだな。
レイア: 私は何もしていません。エネルギー・フィールドが作動するまで船を飛び立たせるのは危険だと、ライカン将軍が考えているのです。
ハン: うまく考えたな。俺のようなイカした男に会えなくなるのは耐えられないってことか。
レイア: あなたのようなレーザー頭の妄想には付き合ってられません。
ハン: ほくそ笑んでろ、この毛玉野郎が。
ハン: だが、おまえたちは俺たちが2人きりで南通路にいたのを見てないんだ。彼女は俺に対する本当の気持ちを告白したんだぜ。
レイア: 私が・・・なぜ、あなたのようなうぬぼれ屋の・・・間抜けの・・・薄汚い・・・ナーフ飼いに!
ハン: 誰が薄汚いって?
ハン: あんなに神経尖らすなんてかなり図星を突いてたんだな、なあ、坊主?
レイア: 女心がまだよく分かってないようね。

 

 

 

すると、偵察機が不審な物体を発見したとの報告が入る。謎の物体は帝国軍の暗号を発信しており、基地内に不安と緊張が走った。そして、ハンとチューバッカが調査に向かい、それが帝国軍のプローブ・ドロイドであることが判明すると、ライカン将軍は直ちに全軍の撤退を命じるのだった。

 

ホスからの送信がダース・ヴェイダー率いる死の小艦隊に届いた。旗艦スーパー級スター・デストロイヤー<エグゼキューター>の艦橋でピエット艦長からの報告を受けた暗黒卿は、フォースの直感でホスに反乱軍の秘密基地があることを確信する。捜し求めるスカイウォーカーもそこにいるのだ。艦隊司令官のオゼル提督は異論を挟むが、ヴェイダーの信念は揺るがなかった。彼は全艦をホス星系へ向けさせ、総攻撃の準備を命じたのだった。

ヴェイダー: 何か見つけたのか?
Piett: はい、閣下。
ヴェイダー: ここだ。反乱軍はここにいる。
Ozzel: 閣下、未確認の植民地は無数に存在します。密輸業者の可能性も・・・
 
ヴェイダー: この星系だ。スカイウォーカーもやつらと共にいる。ホス星系に進路を取れ。
ヴェイダー: ヴィアーズ将軍、兵の準備をするのだ。
Veers: 提督。

 

やがて帝国艦隊がホスの軌道上に姿を現した。しかし、同盟軍は攻撃に備えて強力な防御シールドを作動させており、帝国軍は軌道からの砲撃を封じられてしまう。ヴェイダーはその失態への怒りをオゼルに向け、彼を処刑すると共にピエットを提督へと昇格させた。そして、ヴェイダーはヴィアーズ将軍にAT-AT部隊による地上攻撃を命じたのである。一方、反乱軍はイオン・キャノンで地上から援護射撃を行いながら、貨物船を脱出させていた。ハンは<ファルコン>の修理に追われながらもルークに二度目の別れを告げ、ルーク率いるローグ中隊が帝国軍のAT-ATと対峙する。しかし、無敵のAT-ATの前に反乱軍は大打撃を受け、徐々に前線を後退させていった。そして、ついにヴィアーズ将軍によってエネルギー基地が破壊されると、ヴェイダー自ら地上に降り立ち、ルークの捜索を開始するのだった。

(adamadahiroさん寄贈)

 

エコー基地に総員退去命令が鳴り響く。だが、ハンとチューバッカは未だに<ファルコン>の修理を行っており、レイアも最後の貨物船の脱出を見送っているところだった。レイアの身を案じるハンは、彼女を<ファルコン>に乗せてホスを脱出する。だが、軌道上で待ち受けるスター・デストロイヤーが、執拗に彼らを追跡するのだった。ハンはハイパードライブを使って一気に逃走しようとするが、故障によってジャンプができない。極めて一方的な追跡劇が展開され、やがて<ファルコン>はホス近郊の小惑星帯へと逃げ込んだ。

レイア: 小惑星よ。
ハン: チューイー、271にセットしろ。
レイア: 何をするつもり?まさか小惑星帯に突入するつもりじゃないでしょうね?
ハン: やつらも追ってくるほどイカれちゃいまい?
レイア:  
3PO: 船長、小惑星帯を無事に通過できる確率はおよそ3,720分の1です。
ハン: 確率など知ったことか。
ハン: 俺がしくじるときに近くにいたいって言ってたな。実現するかもしれんぞ。
レイア: 取り消すわ。こんなところに長居してると木っ端微塵になるわよ。
ハン: 議論するつもりはないね。
3PO: 木っ端微塵ですって?
ハン: でかいやつに接近するぞ。
レイア: 接近するですって?
3PO: 接近?自殺行為です!逃げ道がありません。
ハン: そこだ。ちょっといいところがあったぞ。
レイア: なにがちょっといいところよ?
ハン: ああ。気に入るぜ。
3PO: すみませんが、姫、どこへ向かっているのでしょうか?
レイア: 自分のしていることが分かっていればいいのですけど。
ハン: ああ、俺もだ。

でかいやつの洞窟に隠れてやり過ごすことにした。

 

 

だが、帝国軍は恐ろしいほどの執念でハンの船を追い、ようやく追っ手を振り切ると、<ファルコン>は巨大な岩に開いた洞窟の中へと身を隠すのだった。

一方、無事にホスを脱出したルークは、オビ=ワンの助言に従い、R2-D2を伴ってXウィングで惑星ダゴバへと向かう。

ルーク: 何も間違ってないよ、R2。ちょっと新しいコースをセットしたんだ。
ルーク: みんなとは落ち合わない。ダゴバ星系へ行くんだ。
ルーク: そうだよ、R2。
ルーク: 大丈夫。しばらく手動操縦にしておいてくれ。

ファルコン号

ガタン 船が傾き、だきつく格好となった。

レイア: 行って。行ってちょうだい。
ハン: 興奮するなよ。
レイア: 船長、あなたに抱かれてもちっとも興奮などしません。
ハン: ごめんよ、お嬢さん。他のことをする時間がなかったんでね。

 

 

墜落

沼の惑星ダゴバは文明社会とは程遠い無人の惑星であり、とても偉大なジェダイ・マスターが住んでいるような場所ではなかった。

彼はさっそくヨーダを探すが、逆にルークを見つけたのは小柄なエイリアンの老人だった。

ルーク: 充電は完了したかい?
ルーク: よし。さてと。そこにしまっておいてくれ。いいぞ。まったくだな。さて、ヨーダという人を探さないと。本当にいればだけど。ジェダイ・マスターを探すにはふさわしくない場所だな。気味の悪い場所だよ。でも・・・何か懐かしい感じがするよ。よく分からないけど。なんとなく感じるんだ・・・
ヨーダ: どんな感じじゃと?
ルーク: 見られているような気がした。
ヨーダ: 武器をしまえ。危害は与えんよ。こんなところで何をしとるんじゃ?
ルーク: 人を探してるんだ。
ヨーダ: 人探しじゃと?ならばもう見つけたわけじゃな。
ルーク: そうだな。
ヨーダ: 助けてやるぞ。うん。
ルーク: 違うよ。僕は偉大な戦士を探しているんだ。
ヨーダ: 偉大な戦士か。戦争は人を偉大にはせんぞ。
ルーク: 離せよ。おい!僕の夕食だぞ。
ヨーダ: こんなものを食べてよくそんなに大きくなれたな?
ルーク: いいか、爺さん、こんな水溜りに着陸するつもりはなかったんだ。ここから船を出すことができればそうするけど、できないんだよ。
ヨーダ: ああ、船を出せないのか。
ルーク: あっちへ行けよ。おい、壊す気か。やめろ。困ったやつだな。ほら、こっちによこせ。
ヨーダ: わしのじゃ。くれないと助けてやらんぞ。
ルーク: おまえの助けなんかいるもんか。ランプを返せよ。このぬるぬるの泥穴から抜け出すのに必要なんだ。
ヨーダ: 泥穴?ぬるぬる?わしの家じゃぞ、ここはな。
ルーク: R2、もうくれてやれ。
ヨーダ: わしのじゃ!わしのじゃ!わしのじゃ!
ルーク: それを持って消えてくれ、小さい爺さん、いいな?僕らはやることがたくさんあるんだ。
ヨーダ: いやじゃ。いやじゃ。いやじゃ。ここにおるぞ。助けてやる。友達を探してやるぞ。
ルーク: 友達を探してるんじゃない。ジェダイ・マスターを探してるんだ。
ヨーダ: ジェダイ・マスターか。ヨーダじゃ。ヨーダを探してるんじゃ。
ルーク: 知ってるのか?
ヨーダ: 連れていってやるぞ。うむ、うむ。だがまずは飯じゃ。来い。うまいものがあるぞ。来いよ。
ヨーダ: こっちじゃ、来い。
ルーク: R2、ここでキャンプを見張っててくれ。

洞窟の中で、ハンたちは<ファルコン>の修理に取り掛かっていた。その途中、ハンは再びレイアに言い寄り、徐々に心の間を狭めていく。

 

3PO: この必要なときにR2はどこにいるんだろう?
3PO: 船長、この船がどこで会話を学んだのか存じませんが、奇妙な訛りが強すぎます。おそらく陰性軸のパワー連結器が分極化していると言っているのでしょう。交換する必要があるかと存じます。
ハン: そうか、わかった。交換するよ。
ハン: ここだ。それとチューイー・・・陰性パワー連結器を交換したほうがいいぞ。
ハン: おい、お姫様、俺はただお手伝いしようとしただけだぜ。
レイア: そんな呼び方やめてくださる?
ハン: わかったよ、レイア。
レイア: ときどきあなたのことが分からなくなります。
ハン: 俺もだ。まったくだぜ。だが君はなかなかイカしてるよ。それは認めてやる。君も俺のことをまんざらじゃないと思ってるんだ。
レイア: ときどきね。たぶん・・・悪党のように振舞っていないときは。
ハン: 悪党?悪党ね?いい響きだ。
レイア: やめて。
ハン: 何をだ?
レイア: 離してちょうだい。手が汚れてます。
ハン: 俺の手だって汚いぜ。何を怖がってる?
レイア: 怖がる?
ハン: 震えてるぜ。
レイア: 震えてなんかいません。
ハン: 君は俺が悪党だから好きなんだ。これまでそんなに悪党と出会ったことがなかったからな。
レイア: 私は優しい人が好きです。
ハン: 俺は優しい男だぜ。
 
むりやり、キスをしてしまった。
レイア: いえ、違うわ。
3PO: 船長、船長!背面のパワー・フラックス連結器を絶縁しておきました。
ハン: ありがとうよ。心から感謝するよ。
3PO: いいえ、船長、どういたしまして。

 

しかし、この場所は決して安全とはいえなかった。船の外にはパワー・ケーブルを齧るマイノックが飛び交っており、一行は害獣退治に外に出るが、そこで驚愕の事実に気づくことになる。そこは洞窟ではなく、想像を絶するほどの大きさをしたスペース・スラッグの体内だったのだ。ハンは急いで<ファルコン>を発進させて難を逃れるが、スター・デストロイヤー<アヴェンジャー>に発見されてしまう。

 

 

ハイパードライブはまだ直っておらず、逃走は不可能だった。ここで彼は機転を利かせ、<アヴェンジャー>に特攻すると見せかけて艦橋の裏側に<ファルコン>を貼り付けた。彼らはレーダーからも姿を消し、うまく帝国艦隊を出し抜くことに成功すると、船を修理するためベスピンへと向かう。そこには旧友ランド・カルリジアンの統治する採鉱都市、クラウド・シティがあるのだ。しかし、ヴェイダーに雇われた賞金稼ぎの中でただ1人、<スレーヴI>に乗るボバ・フェットだけが獲物を視界に捉えていたのである。

 

スターデストロイヤー 皇帝のホログラム

<ミレニアム・ファルコン>の徹底捜索を命じるヴェイダーに、突如としてパルパティーン皇帝からの呼び出しがかかる。

ヴェイダー: お呼びでございますか、マスター?
皇帝: フォースに大きな乱れが生じている。
ヴェイダー: 私も感じております。
皇帝: 新たなる敵が現れた・・・デス・スターを破壊した若き反乱軍兵だ。余はこの少年がアナキン・スカイウォーカーの血筋であると確信している。
ヴェイダー: そんなことがありうるでしょうか?
皇帝: 素直になるのだ、ヴェイダー卿。事実であることは分かっていよう。あやつは我らを滅ぼしかねん。
ヴェイダー: 彼はただの子供です。オビ=ワンももはや手助けはできません。
皇帝: あやつはフォースが強い。スカイウォーカーの息子をジェダイにしてはならん。
ヴェイダー: 転向させれば頼もしい味方となりましょう。
皇帝: うむ。極めて有用となるであろう。できるのか?
ヴェイダー: 味方につくか、さもなくば死ぬまでです、マスター。

ヴェイダーが皇帝のホロの前に跪くと、パルパティーンはデス・スターを破壊したスカイウォーカーの息子がフォースに騒乱を巻き起こしていると告げ、警告する。ヴェイダーはダーク・マスターに、ルークをダークサイドに引き込むか、それを拒むなら抹殺すると請け負うのだった。彼は即座に銀河中から腕利きの賞金稼ぎたちを招集し、<ファルコン>に賞金を掛ける。その中には悪名高きボバ・フェットの姿も見えるのだった。

 

ヨーダの部屋

老人は馴れ馴れしい態度で彼を困らせるが、ヨーダのところへ案内すると言い、ルークを自分の家へ招く。そこで老人はルークに様々な質問を投げかけ、あたかも以前から彼を知っているかのように話しかけるのだった。やがてルークは我慢の限界に達し、怒りをあらわにする。

仲裁に入ったのはオビ=ワンの声だった。

ルーク: 確かにおいしいよ。でもどうしてすぐにヨーダと会えないのか分からないよ。
ヨーダ: あせるな。ジェダイも同じように食事の時間じゃ。
ヨーダ: 食え。食え。あったまるぞ。うまい飯じゃ。うまい。
ルーク: ヨーダは遠くにいるのかい?時間がかかるのかな?
ヨーダ: 遠くないぞ。ヨーダは近くにおる。あせるな。すぐに会える。
ヨーダ: 草の根っこじゃ。わしが料理した。なぜジェダイになりたいんじゃ?
ルーク: ああ、たぶん父親のせいかな。
ヨーダ: 親父か。強いジェダイじゃったの、あやつはな。強いジェダイじゃった。
ルーク: おい、何言ってるんだ。なんで父さんのことを知ってるんだ?おまえは僕が誰かも知らないんだぞ。僕はいったいここで何をしてるんだ。時間の無駄だ!
ヨーダ: この子を教えることはできん。この子は辛抱が足りない。
オビ=ワン: 辛抱は学ぶでしょう。
ヨーダ: 怒りっぽいの、父親とよく似ておる。
オビ=ワン: 私が教えを受けていたときと違いますか?
ヨーダ: 違うな。この子は準備ができていない。
ルーク: ヨーダ。
ルーク: 準備はできています。僕はジェダイになるんです。ベン、言ってやって。僕は・・・
ヨーダ: 準備ができておると?何の準備がじゃ?わしは800年間ジェダイを訓練してきた。わしの判断で決めるのじゃ、誰を訓練すべきかはな。ジェダイには深い献身と厳格な精神がなければならん。この者を長い間見守ってきたぞ、わしはな。だがこの者は人生を通じて遠い未来を、地平線の彼方を見ておる。自分のいる場所、していることに目が向いておらんのじゃ。冒険。興奮。ジェダイはそんなものを望んではおらん。おまえには思慮が足らんのじゃ。
オビ=ワン: お忘れでなければ、私もそうだったはずです。
ヨーダ: 歳をとりすぎておる。そうじゃ、訓練を始めるには歳をとりすぎておる。
ルーク: しかし既に多くを学びました。
ヨーダ: 始めたことを終わらせられるのか?
ルーク: 失望はさせません。恐れもしません。
ヨーダ: 失望させ、怖がるじゃろうて。

 

この老人こそが旧共和国のジェダイ・マスター・ヨーダだったのだ。ルークは彼に入門の許可を求め、オビ=ワンも同意を告げる。ヨーダはルークが今ある現実を見ず、未来ばかりを見つめていることに渋りながらも、銀河に光をもたらす希望を求めて、この若きジェダイを弟子とするのだった。

 

 

 

 

ヨーダ: そうじゃ、走れ。そうじゃ。ジェダイの力はフォースからあふれてくる。じゃが、ダークサイドに用心しろ。怒り、恐れ、攻撃。これらがフォースのダークサイドじゃ。これらは容易に沸いてくる。すぐにおまえを戦いに加えるのじゃ。一度暗黒の道にはまったら永遠に支配されてしまうぞ、おまえの運命はな。おまえを蝕むのじゃ。かつてのオビ=ワンの弟子のようにな。
ルーク: ヴェイダーですね。ダークサイドのほうが強いのですか?
ヨーダ: いや、そうではない。手軽で簡単で誘惑されやすいのじゃ。
ルーク: 善と悪をどう区別したらいいんですか?
ヨーダ: 冷静で穏やかで受身でいれば分かる。ジェダイは知識を得るためにフォースを使うのじゃ。攻撃のためではない。
ルーク: しかしなぜ・・・
ヨーダ: だめじゃ。理由は聞くな。ここまでじゃ、今日の教えはな。心から疑問を払拭するがよい。
ルーク: 何かおかしい。寒気と、死を感じます。
ヨーダ: そこはフォースのダークサイドが強いのじゃ。悪の領域じゃ。行くがよい。
ルーク: 何があるんですか?
ヨーダ: おまえ自身だけじゃ。
ヨーダ: 武器か。そいつは必要ないぞ。 ダゴバで修行に励むルークは、ヨーダから最初の試練としてダークサイドの強い、薄暗い洞窟の中へ入るよう命じられる。彼は丸腰で行けと言われるが、武器を身に付け、洞窟の奥へと進むのだった。すると、そこにヴェイダーの幻影が現れる。

 

驚いたルークはライトセイバーを起動し、ヴェイダーに切りかかるが、彼が切り落した仮面の下には、自分自身の顔が隠されていたのである。

 

 

 

 

 

 

その後も、ルークは幾度となく失敗を繰り返し、そのたびに叱責を受けていた。沼に沈んだXウィングを前に見た目で不可能を判断し、フォースを感じることを諦めてしまうこともあった。

ヨーダ: フォースを使え。そうじゃ。
ヨーダ: ほれ、石じゃ。感じろ。
ヨーダ: 集中せんか!
ルーク: そんな。もう引き上げられない。
ヨーダ: ずいぶんと確信しておるの。おまえはいつも無理だと言う。わしの言うことをまったく聞いておらんの?
ルーク: マスター、石を動かすのとはわけが違います。まったく別物です。
ヨーダ: 何も違わん。違うのはおまえの心の中だけじゃ。学んだことを忘れたか。
ルーク: 分かりました。やってみますよ。
ヨーダ: やってみるではない。やるかやらぬかじゃ。試しはない。
ルーク: 無理です。大きすぎる。
ヨーダ: 大きさは関係ない。わしを見ろ。わしを大きさで判断するのか?おまえと違ってわしにはフォースがついておる。強力な味方じゃ、それはな。生命がそれを生み出し、育てるのじゃ。そのエネルギーはわしらを取り囲み、結び付けておる。わしらは輝ける存在じゃ。粗雑な物質ではない。周囲のフォースを感じるのじゃ。ここにも、おまえとわしの間にも、あの木にも、岩にも・・・どこにでもある。そう、陸地とあの船との間にもじゃ。
ルーク: 不可能を望んでるんだ。

引きあがったXWING

ルーク: 信じられません。
ヨーダ: だから失敗したのじゃ。

 

だが、ヨーダは大きさは関係ないといい、Xウィングを引き上げることでフォースの偉大さを見せ付ける。また、ヨーダは若き弟子に未来を予見するよう指示し、ルークは瞑想の中で、雲に浮かぶ都市と、そこで苦しむハンやレイアの姿を垣間見るのだった。

 

ヨーダ: 集中しろ。フォースの流れを感じるのじゃ。そうじゃ。
ヨーダ: よし。落ち着け。そうじゃ。
ヨーダ: フォースを通じて物事を見るのじゃ。離れた場所を。未来を。過去を。昔の古い友人たちを。
ルーク: ハン・・・レイア!
ヨーダ: 制御じゃ、制御するんじゃ。制御することを学ばねばの。
ルーク: 見えました・・・雲に浮かぶ都市が見えました。
ヨーダ: 友人たちがそこにおるのじゃ。
ルーク: 苦しんでいました。
ヨーダ: 未来じゃ、おまえが見たのはな。
ルーク: 未来?彼らは死ぬんですか?
ヨーダ: 予見するのは難しい。常に動いているのじゃ、未来はな。
ルーク: 彼らのところへ行かなくては。
ヨーダ: 決断するのじゃ、彼らのために最善なことをな。今ここを離れれば彼らを救えるかもしれん。だが彼らが戦い、苦しんでまで守ろうとしているものを壊すことになるぞ。

彼は仲間を助けに行かなければならない衝動に駆られ、ヨーダとオビ=ワンの制止を振り切って出発の準備を進める。2人の師は、ルークがダークサイドの誘惑に駆られることを危惧しており、まだヴェイダーと戦うには早すぎると戒めた。だが、ルークは行ってしまう。オビ=ワンは困惑するヨーダに、彼が最後の希望だと告げるが、ヨーダはもう一人の存在をほのめかすのだった。

<<Dagobah -- Jungle>>

ヨーダ: ルーク、修行を終わらせるのじゃ。
ルーク: あの光景が頭から離れないんです。彼らは友人です。助けに行かないと。
ヨーダ: 行ってはならん。
ルーク: でも行かなければハンとレイアが死んでしまいます。
オビ=ワン: それは分かるまい。ヨーダでさえ彼らの運命は見えんのだ。
ルーク: でも助けることはできます。フォースを感じます。
オビ=ワン: だが制御できまい。おまえにとって今は危険なときなのだ。フォースのダークサイドに誘惑されてしまうぞ。
ヨーダ: そう、そうじゃ。オビ=ワンの言うことを聞くのじゃ。洞窟じゃ。洞窟での失敗を思い出せ。
ルーク: でもあれから多くを学びましたよ。マスター・ヨーダ、必ず戻って、始めたことを終わらせると約束します。誓います。
オビ=ワン: 皇帝が欲しているのはおまえとおまえの力だ。友人たちが苦しんでいるのはそのためなのだ。
ルーク: だから行かなければならないんです。
オビ=ワン: ルーク、ヴェイダーを失ったように、おまえまで皇帝に奪われたくない。
ルーク:
ヨーダ: 阻止せねばならん、やつらをな。すべてがそれに掛かっているのじゃ。修行を終え、フォースを味方につけたジェダイ・ナイトだけじゃ、ヴェイダーと皇帝を倒せるのはな。いま修行を打ち切れば。ヴェイダーのように手軽で安易な道を選べば、おまえは悪の手先に成り下がる。
オビ=ワン: 辛抱するのだ。
ルーク: ハンとレイアを犠牲にしろということですか?
ヨーダ: 彼らが戦う理由を尊重するなら・・・そうじゃ。
オビ=ワン: ヴェイダーに立ち向かうのであれば1人でやることになるぞ。私は干渉できん。
ルーク: わかりました。
ルーク: R2。コンバーターを点火してくれ。
オビ=ワン: ルーク!憎しみに屈するな。それはダークサイドへ至る道だ。
ヨーダ: 強いぞ、ヴェイダーはな。学んだことを忘れるな。それが救いとなるじゃろう。
ルーク: わかりました。戻ってきます。約束します。
ヨーダ: だから言ったのじゃ。あの子は危険だとな。さて、困ったことになったわ。
オビ=ワン: あの少年は我々の最後の希望です。
ヨーダ: いや、もう1人おるぞ。

クラウド・シティではハンたちがランドの歓迎を受けていた。生粋のギャンブラーであるランドは<ファルコン>の前の所有者でもあり、ハンとは過去に確執もあったが、現在はこの都市の執政官としてティバナ・ガスの採鉱事業を手がける実業家として収まっている。しかし、レイアは一見平和に見えるこの都市に何か不穏な気配を感じていた。C-3POが行方不明になり、数時間後にバラバラになって発見されたのである。ハンもランドを完全に信用しているわけではなく、修理を終えたらすぐに発つつもりだと説明する。しかし、レイアの直感は正しかった。フェットに導かれた帝国軍が先に到着しており、ランドもやむなくハンを裏切っていたのである。

ヴェイダーはルークを捕らえるための囮として彼らを利用しようと考えていたのだ。ハンとレイアは互いに愛し合っていたことを確認するが、彼は実験台としてカーボナイト冷凍にかけられ、フェットに引き渡されてしまう。

レイア: 愛してます。
ハン: 分かってる。

そして、レイアとチューバッカも帝国軍の捕虜として連行されることになるのだった。その後、ルークが到着すると、ヴェイダーは彼を誘い出し、ダークサイドへの誘惑をはじめたのである。

 

隙を突いて帝国を裏切ったランドは、レイアとチューイーを解放してソロの救出へと急ぐ。だが、あと一歩及ばず、<スレーヴI>は彫像と化したハンを載せ、ジャバ・ザ・ハットの待つタトゥイーンへと発ってしまう。彼らはやむを得ずこの都市から脱出するため、<ファルコン>へと急ぐのだった。

 

一方、ヴェイダーとルークは互いのライトセイバーを手に、激しくぶつかり合っていた。ときにルークは父を殺した暗黒卿を圧倒し、ヴェイダーはかつての師であるオビ=ワンに教えを受けた若きスカイウォーカーの力量に感心するが、両者の実力の差は歴然としていた。

ヴェイダー: 多くを学んだな、若造。
ルーク: 驚くのはまだこれからだ。
ヴェイダー: おまえの運命はわしと共にあるのだ、スカイウォーカーよ。オビ=ワンもこれが事実となることを知っていた。
ルーク: 違うな。
ヴェイダー: たやすい。皇帝がお考えになっているほどの力はなかったようだな。
ヴェイダー: すばらしい。なかなかやるな。
ヴェイダー: オビ=ワンもよく教えたものだ。恐怖を制御するとはな。
ヴェイダー: さあ、怒りを解き放て。わしを倒せるのは憎しみだけだぞ。

 

やがてルークは強大なフォースのダークサイドに押され、右手を失い、傷だらけとなって追い詰められる。そして、勝利を決定的なものにしたヴェイダーは、ルークに驚愕の事実を告げるのだった。自分こそがお前の父親なのだと。

ヴェイダー: 勝負あったな。抵抗は無意味だ。オビ=ワンのような死を選ばぬことだ。
ヴェイダー: 逃げ場はないぞ。わしに殺させるな。
ヴェイダー: ルーク、おまえは自分の重要性に気づいておらんのだ。おまえは自分の力に目覚めたばかりだ。わしと手を組め。そうすれば訓練を終わらせてやる。我らの力を合わせればこの破壊的な争いに終止符を打ち、銀河に秩序をもたらすことができる。
ルーク: 貴様となど手を組むものか!
ヴェイダー: おまえはダークサイドの力を知らぬだけなのだ。オビ=ワンは父親のことを語ってはおるまい。
ルーク: すべて聞いた。貴様が殺したとな。
ヴェイダー: いや。わしがおまえの父親なのだ。
ルーク: 嘘だ。そんな・・・嘘だ。そんなことはありえない!
ヴェイダー: 心を研ぎ澄ませるのだ。それが事実であると分かるだろう。
ルーク: 嘘だ!嘘だ!
ヴェイダー: お前は皇帝を倒すこともできる。皇帝もそれを予見しているのだ。それがお前の運命だ。わしと組め。そして父と息子として共に銀河に君臨するのだ。
ヴェイダー: さあ、来るがいい。他に道はないぞ。
ヴェイダー: 息子よ、わしのもとへ来るのだ。

Millennium Falcon

ルーク: ベン。なぜ教えてくれなかったんだい?
Lando: チューイー。
ルーク: ヴェイダーだ。

Executor -- Bridge

ヴェイダー: ルーク、それがおまえの運命なのだ。

Millennium Falcon

ルーク: なぜ教えてくれなかったんだ?

ルークはその言葉を激しく否定するが、フォースはそれが事実だと告げていた。ヴェイダーは驚くべき可能性を秘めた息子をダークサイドへと誘い、皇帝亡き後の銀河を統治しようと持ちかける。だが、ルークは誘惑を断ち切り、自ら奈落の底へと落ちていくのだった。

 

クラウド・シティの底辺で絶体絶命の危機に立たされたルークは、フォースを通じてオビ=ワンに、そしてレイアに助けを求める。彼の心の声に気づいたのはレイアだった。既に追っ手から逃げ切っていた彼女はランドに戻るよう要求し、直感を頼りにルークを見つけると、彼を救出したのである。辛くも一命を取り留めたルークだが、彼の心はオビ=ワンとヴェイダーが語った相反する2つの事実の間で複雑に揺れていた。

ルーク: ベン。ベン、助けて。
ルーク: レイア。
ルーク: 聞いてくれ。レイア。

Millennium Falcon

レイア: ルーク・・・戻らないと。

 

ベスピンを脱出した<ファルコン>に、ヴェイダーの<エグゼキューター>が迫る。ハイパードライブは帝国軍によって切られており、ヴェイダーは再びルークを捕らえるため、トラクター・ビームで<ファルコン>を引き寄せるつもりだった。だが、R2がハイパードライブの回線を接続したことで、ようやく<ファルコン>は自由を得たのだった。

 

 

その後、反乱軍の集合地点で治療を受けたルークは、レイアと2体のドロイドと共に、<ミレニアム・ファルコン>の出発を見送っていた。ランドとチューバッカがハンを救出するため、タトゥイーンへと発ったのである。ルークも後から合流すると告げ、仲間とのしばしの別れを前に、決意を新たにするのだった。


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