大統一理論

Grand Unification Theory

まず宇宙を支配する4つのエネルギーをなんだか知ってますか?それは「重力」、「電磁力」、「強い核力」、「弱い核力」です。

「重力」はつまり万有引力

「電磁力」は電気の力と磁気の力

「強い核力」は陽子や中性子といった素粒子をくっつける力

「弱い核力」は中性子がベータ崩壊して陽子になる時に働く力

このうち昔から知られていたものは電気の力と磁気の力です。でも鉄の棒にコイルをまいて電気を流すとどうなりますか?そうです電磁石になります。つまり電気と磁気の力は同じものなのです。これは19世紀初期に発見されましたが、マックスウェルによってきちんと物理学としてまとめられ、最初の力の「統一理論」が作られたのです。これは電磁石によって見事に証明されてますから、もう定理といっていいでしょう。

これ以来理論物理の世界では4つの力を統一していくことが大きな命題となりました。

アインシュタインもこの研究に晩年の30年間没頭したけど、うまくいきませんでした。

しかし1967年ワインバーグとサラムによる共同研究で、このうち「電磁気力」と「弱い核力」は見事に統一されたんです。この統一された力は「電弱力」と呼ばれています。

次に理論物理がターゲットにしているのは、この「電弱力」と「強い核力」の統一する「大統一理論」を完成させることです。しかしこれはまだその証明となる「陽子崩壊」が観測されていません。

やがては、「重力」をも統一した「超大統一理論」の仮説が出されているのです。今のところその候補として「超ヒモ理論」が有力です。

とにかく重力子(グラヴィトン)自体が観測されてないのだからこれはまだ時間がかかる。

ここにアインシュタインの失敗があったのですね。アインシュタインは重力と他の力を統一しようとしたのだから。つまり、最初から一番難しい、最もかけ離れた力を統一しようとしたのです。

宇宙を支配する力を、素粒子の世界と文字を置き換えて読んでもかまいません、ま、同じことを意味しますけどね。

つまり統一理論は、4つの力はもともと1つで時間経過のなかで分離してきたというものです。まず、宇宙が始まって10-44秒のとき1つの力から重力が枝分かれした。この時宇宙の温度は1019電磁ボルト。次に10-36秒の時に強い核力が枝分かれして、この時の温度は101ギガ電磁ボルト。最後に10-11秒の時弱い核力と電磁気力が枝分かれして、温度は102電磁ボルトということになっている。

宇宙の創世からの経過時間

枝別れした力

その時の宇宙の温度

10-44

重力

1019ギガ電磁ボルト

10-36

強い核力

101ギガ電磁ボルト

10-11

弱い核力と電磁気力

102ギガ電磁ボルト

こうした力の統一によって何が分かるのでしょうか?宇宙の進化、創世の謎が解けるのです。元々たった一つの力しかなくこそこら枝別れてして宇宙は進化してきたんだと。われわれはたった一つの力から生まれ落ちたのだということが………。

ニュース→ニュートリノに質量が!!
HOME

ご意見はparadigm@dreamドットコムまで

Amazon.co.jp のロゴ

 
|