では、おまえが出て来たところをさがしに行くとするか。

うん

あっ!

こっち!あそこだ!オラが夢にみたところだ。

では、この近くか?

あっレンちゃんが倒れている。

なに?姫さまー

なんでもない、ただ、願っていただけだ。

 

こんな所で何をお祈りで?

ここは子供の頃、私とお前がよく遊んだところ。

はっ左様ですが…?

 

毎日来ては、お前が戦で死なぬように祈っている。

ご…御冗談を!はは、いやぁ姫様も人が悪い…しかしここは相変わらず美しいですな〜

私達はずい分変わってしまった。昔は虫も殺さなかったお前が今では戦で多くの武将を殺め、お前自身いつ命落とすかもしれん

まぁ武士ですから

武士か…そうやってお前の父や兄弟 私の兄達も死んだのだ。

姫様は武士はお嫌いか?

嫌い!

又兵衛さん…オラちょっとフクザツ…

私は、じき顔も見たことがない殿の許へ嫁ぐのだろう。そうしたらもうここへも来られぬ。

あ!又兵衛、血が!

ああ、アシの葉で切ったのでしょう。

動くな!

何を?

(髪止めをはずすと手傷に巻いた。)

そんな大げさな

お前は…昔も私のわがままのせいで、傷を作っていたな…左胸の肋骨を折ったこともあった。

いえ…

(その左胸に顔を埋めた)

あっななにを…ど…どうか…どうか……

お戯れが過ぎます。

サッ(震えながら、身を引きはがした)

廉姫はきびすを返すと去って行った…


たたたたっ

又兵衛さんのウソつき、キーク!ぜんぜん素直じゃな〜!レンちゃんからの告白と同じだぞ!今の!

ウソではない…それより、ほら便りを埋めねば…

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