* 一・進化では前の段階の要素が、常に後の段階の構造の中に、止揚されたかたちで残っていく。進 化は新築ではなく増・改築である

*改革が成功するための二つの条件

 第一の条件:進化とは自由化ということであるから、より自由になる側面がなければならない。  何らかの自由・解放がなければ本当の意味での進歩ではない。前よりも自由が狭められるような組織化や改革は、進化ではなく退化である。しかもこの自由は、安逸を貪る自由ではなく、目標達成を邪魔する制約からの解放でなければならない。

第二の条件=前の段階の要素が、よい高い段階の総合体の中に組織化、止揚された形でのこってなければならない。自己改革においてもこれは同様で、前の自分が一回り大きくなったかたちで進化しなければならない。そして同時に精神が自由になっていなければならない。重層的に統一化しなければならないのである。この際、懸念されるのが、均一化との混同である。物質であれば、Aという物質を取り出さないで、新しいBを加えミキサーにかけると物体の個性を失わせ、単なる均一化しか起きない。しかし、全ての生命的存在と活動は相互に浸透し合ってこそ、そのアイデンティティーを失うどころか、それに磨きがかかるのである。

 

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