不正論文の元凶

 

1620年ベーコンは人間が真理を獲得するのに妨げる要因を4つのイドラ(偶像)にあるとした。

すなわち、@種族のイドラ(人間の本性に基づくもの)、A洞窟のイドラ(個人に固有する誤謬)、B市場のイドラ(言語の混乱によるもの)、C劇場のイドラ(偏った学説や哲学による独断や虚構)を指摘した。

 

ベーコン以来、時代を幾重にも時代を重ねても我々がここから脱皮しきれたとは言えないだろう。

むしろ、イドラは科学の不正行為の元凶となり、猛威をふるっている。

こうした科学の不正行為を数学者バベッジは三つの形を示した。

1)捏造:ピルトダウン原人事件

2)トリミング:論文の見栄えをよくする為、データーを改竄する。:メンデルのエンドウ豆の遺伝実験は理論は正しかったが、データーの確率は改竄されていた。

3)クッキング:都合のいいデーターだけを選択する。

4)剽窃:バベッジは指摘してないが、他人の研究成果を自分のものとしてしまうこと。自分の過去に実際あった正しい成果を剽窃しても、それは、予算の獲得などの為に研究志向をねじ曲げてしまうことであり、見逃せない剽窃である。

5)病理的科学:科学者が無自覚に行う過失

 

なぜ科学者は、未だイドラの世界から抜け出せないのだろうか?

CUDOS型エートスが機能していないからだろう。

機能しないとうことは、ただそれだけの悲劇だけでなく、科学の共有財産を利用して、最悪のことができてしまうということだ。

 

 

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