1935年

一般システム論

System theory

フォン・ベルタランフィ

 

オーストリアの生物学者

システム論史上もっとも初期の考察段階にあるもので、有機構成を中心に据えたシステム論。

「要素の単純総和は全体と等しくない」という立場が初めて打ち出された。

しかし彼自身の言葉によれば、自然科学を手本にしながら共通の法則を見いだしたに過ぎないとされる。つまりブラックボックスの入力と出力の結果だけを列挙しただけに過ぎず。ブラックボックスの中身自体に解明したものではないということだ。

 

生物体はそれぞれがひとつのフィードバックされた、システムである。

ベルタランフィは生命と機械を比べた時には3つの謎が残ると記した。

  1. 機械は自然内で発生はしない。自然内での生命の起源はどうなっているのか?
  2. あらかじめ予想されていない攪乱要因に対して、際限のない自己調整機能を発揮する点。例えば、免疫機構は侵略してくる雑菌に、あらかじめ備わっていない抗体を産出することができる。
  3. 構成部品を自ら産出することができ、交換し自己を維持している。

 

ベルタランフィのシステム論は開放性の物質代謝を行う自己調整的な自己維持システムである。

だが、この構想をどんなに拡大しようとも、これら3つの謎を解くことはできない。

その回答は、第2世代システム論、第3世代システム論の登場をまたねばならなかった。

この時期、期せずして新しい世界観が百家争鳴にはいる。

  1. 1948年:サイバネティックス
  2. 情報理論 :フォンノイマン
  3. ゲーム理論
  4. 決定論
  5. トポロジー(位相数学)
  6. 因子分析
  7. 狭義の一般システム論

そしてこれらの集大成としてホロンが提唱されたが、その分析手法が確立できないままに終わった。

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